東方深意伝   作:ただのみらの

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新年あけましておめでとうございます!
今年も引き続き東方深意伝と私。頑張っていきますので応援よろしくお願いします!



一応2章プロローグです!


第2章〜神ハ悩ミ出会イ知リ考エ願イ廻ル〜
24.束の間の休息


 

地球のバランスが崩れて約数年。この世界では様々な変化が起きた。

 

まず、月の暴走。

此世界達が世界の調整を行ってる際に月から放たれていた力『魔力』が暴発し、この世の中全体に強い魔力の圧がかかった状態になった。これによりもう1つ、問題が起きた。

 

地球の大気中に浮いていた素が魔力に押し固められ地中に侵入したのだ。

侵入した『妖力』『霊力』『神力』はこの順に量が多く、これらは押し固められると同時に互いに魔力の強い圧により混ざり合い力の脈を作り上げた。これも次の変化を引き起こした。これが世界最大の変化。

 

 

神が望まれなくとも生まれるようになった。

 

力の脈は力の塊である。その中にある神力が生きる者の側に在るため、少ない願いや小さな想いもくみ取り、神として具現化しやすくなってしまった。

このため地上では神々がたくさん生まれ、神が力を振るい生命が誕生するという事態が発生している。

 

そう、人が神を望んで生み出すのではなく神が人を生み出すようになった。

これにより信仰を受けやすくなったのだが、力のない神は人を生み出せず、力の強い神に戦いを挑む。挑む理由は信仰。信仰を取り合うという事態も起きている。

 

 

中々に面倒くさいことになってしまった。

これらを能力で元に戻そうとしたが、代償が大きく実行には移せそうにはなかった。細かく分けて直そうとしても、すぐに元通りになる。

どうやら事が大きくなりすぎると、少し直せば他の部分に釣られて元に戻るらしい。

 

以上。此世界家の記録より引用。

 

 

___________________________

 

月の暴走の後、この世界には神が何百、何千、何万。いや何百万と生まれた。

何故そうなったかは分かっても正すことはできなかった。

しかし、諦めがつくと運命や人命の意識もここへ戻ってきて、皆の仕事はまた管理だけになった。嬉しいことだ。仕事が無いというのは。

 

仕事がなくなったということは暇ができたと同じ。

しかし、未だにその暇を潰す手段を考えている途中なのだ。

つまり

 

「暇だなぁ」

 

そう、暇だ。

前まではかまってくれとわいわい寄ってきてた空間や世界も飽きたのか、

乱華と発果の方に行ってしまった。ちなみに二人は仕事をする際に紹介した。

中々の好印象だったようだ。

 

(暇だ暇だと言いながらも能力をちゃんと使えるよう研究してる俺。癖が残ってるなぁ)

 

「飛翔」フワッ

 

あまり力まずとも能力が行使できるようになった。

そのためか疲労までの感覚も長くなっていた。

 

「神力展開」

 

しかし、ずっと能力を使っていたからか、口に出さないと落ち着かないという謎の枷もついた。

 

「終了」

 

これで能力による効果を終了させる。

俺の能力ってほぼ永続的に残るから終わらせとかないと面倒になる。

 

以上、能力研究による現状の報告でした。いや誰に向けてだよ。

 

「ねぇ言葉兄ぃ」

「ん?どうした世界」

「ちょっと管理室来てくれない?」

「了解」

 

管理室は此世界家の皆の力を使い作った場所。

管理室には皆の能力を擬似的に発動させてあり、ある程度管理を負担してもらってる。

しかも、世界の能力で、世界すべてをいつでも覗けるので管理しやすい。

 

「初めから作っておけばよかったかもな」

「ですね。でも予測していない事態に数年で対処して、なおかつ世界を管理しやすくしたんですよ?すごいじゃないですか、言葉兄ぃは」

「俺だけの力じゃないの知ってるだろ?オラオラ」ナデナデ

「っもう!急に撫でないでください!」ナデナデサレテル

 

廊下を世界と一緒に雑談しながら進んでいく。

管理室は家の離れにあるもう一つの棟にあるから遠い。

 

「あ、そういえば管理室に何かあったのか?」ナデナデヤメル

「あ...ぅぅ。近頃神々同士での争いで面倒なことが起きていてですね...」

 

(少し残念がってる世界可愛いんだけど)

 

「面倒事?勝ち続けて力をつけ過ぎた奴がいるのか?」

「似たような感じです。ただ一つじゃなく2つ出来ていまして...」

 

(2つ、先導者は二人ってことだよな。あ、もしかしたら)

 

「そいつらが戦争を起こしそうだと」

「そうなんです!でも、ただの争いならまだしも...」

「能力が強力だから安心できないと」

「言葉兄ぃ、心読んでる?」

 

どうやら当たりのようだ。

 

「読んでないよ。その二人、前から目をつけてた奴らだし」

「だから分かったんですか?」

「そんなとこ、着いたぞ」

 

目の前には金属製の壁。

俺の能力でちゃんと扉としての役割は与えてある。

 

『開け、統べる神より命を下す』

 

この詠唱を此世界の人が唱えると開くという画期的な装置。最高でしょ。

 

「言葉兄ぃ、自惚れてないで早く入るよ」

「自惚れてないよ、それに急がなくても大丈夫だから」

 

管理室には椅子が円の上に置いた様に部屋の中央に並べられているだけ。

運命と人命が言うには、これが一番やりやすいんだと。

椅子の背もたれと尻の部分には柔らかい素材を敷き詰めた体に負荷をかけない仕様を施してある。

なんでも、

 

「意識を飛ばすときに硬い物の上で眠るとお尻が痛い」とさ。

これ作るのに何度要求され作りなおしての流れを繰り返したことか。能力使ったら人命に

「嫌です!柔らかいのがいいんです!」って涙目で怒られるし。散々だったよ。

それにこの内s

 

パンッ

 

「考え事やめ!」

「ありがとう世界、戻ってこれた」

 

俺はこの数年で考え始めたり回想しているとそこから抜け出せなくなってしまうくらい没頭してしまうようになっていた。

 

(なんでだろうな...)

 

「それじゃあ位置座標開くよ」

 

世界が円の中心に手をかざし管理系統を起動させる。

軽快な音を鳴らしながらその位置から光が走りだし長方形の画面を俺と世界の前に描き出す。

 

「位置はここ」

 

画面に触れると同時に1人の少女と女性が映しだされる。

どうやら二箇所同時に写しているらしい。

 

「島の丁度中央あたり、二人は東西をそれぞれ従えてる」

 

二人の映像を右に寄せ、地図を出す。

 

「湖を挟んでるのか」

「そう、でも何でかな?」

「ここの区域だけ集団が争い合うのかって?」

 

ここだけだもんな、信仰取り合うの。

 

「うん、だって他の神々はそれぞれの信者を大事にしてるから」

「ここは狭いからな、それに地脈が強く走ってるから人に対する神の数が多いんだ」

「なるほどね、で、どうするの?」

 

(正直、このまま争って数を減らしてくれればいいんだけど)

 

「どうせまた増えるんだろ?ならどうしようか」

「姉様や発果さん、乱華も呼びます?」

「いや、いい。それと世界も戻っていいよ、ちょっと考えるし。」

 

(こんなことで皆を集めるのは違うだろう)

 

「...。長くならないようにしてくださいね」

 

そういって世界は部屋の外へ行った。

 

「さてと、始めるか...」

 

まず、第一に解決したいこと。

強力な能力による戦いでの被害をなくす。

2つ目、神の大量発生の抑止を少しでもいいので成功させたい。

共通点。

神の大量発生による事案。神を殺そうがまた生まれてくるので殺すのは却下。

そうなれば...

 

 

 

色々と考えては悩んである1つの考えが浮かんだ。

 

「統合させちゃえば後はなんとでもなるか...」

 

10分ほどで終わった無駄な思考。

でも得られたものはそこそこのものだ。

 

「...。また地球に行くか」

 

とりあえずの予定を作り、また皆のいる本棟へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして神はまた地へ降りる




説明多いけどここは説明回じゃない...。
思ったように、文字数が伸びないので次回投稿少し遅らせるかもです。

それではまた次回!

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