東方深意伝   作:ただのみらの

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お久しぶりです!ただのみらのです!
間違って投稿してしまい、自動保存が途中までしかできてなくて書き直してたら時間が……。ぱぱっとあげたので、18話をどうぞ!


18,人妖大戦終結

「天狗の群れを視認しました!後退しています!」

(後退?こっちの動きを察した?)

 

妖を全滅させた後に出した指示は大声ではあったが、妖怪たちから離れたところで出しているので聞こえてないと思ったが。

 

「かなり耳がいいんですかね?この距離で聞こえていたということは。」

「でしょうね。まあ殲滅するまでですよ。」

「なら…。皆天狗の周りの妖怪に射撃!距離を取らせて援護させるな!」

 

レーザーと銃弾の壁から離れていくようにして天狗以外の妖怪はどんどん離れていく。

 

(よし、やるか。)

 

天狗。空を飛び風を操る妖怪。奴らはに地上に降りず空で行動することが多いので地上での活動はおぼつかないとか。ならこうするしかないだろう。

 

「隔壁展開」

 

宣言と共に神力で空間を遮断する壁を生成。

俺と天狗の群れだけを囲む。

天狗たちはそれを攻撃と見なし俺に反撃してくるが。

 

〝天地逆転〟

 

少し歪んだ声で言葉が紡がれる。

その直後天狗は地上に叩きつけられ、俺は空へと投げ出された。

 

「よしっ!成功!」

「キィィ…」

 

天狗はなれない地上で何とか立っている状態。

皆はこうできるなら何故はじめからこうしなかったか疑問だろう。理由は簡単。『天地逆転』は空に生きるものを地に、地に生きるものを空に。そうい う動きを起こす力だから。範囲を絞らないと何も変わらないし、慣れない空に送られても自分達すら戦えないから。

俺は空に慣れてるからそんなの関係ない。

なんで慣れてるかって?研究の一環だったからだよ。

こうなってしまえば後は楽だ。

 

「それっ!」

 

手を思い切り下に振る。それに合わせ神力で形成した球が地上に降り注ぐ。空が見えないくらい作られたそれらは一瞬の内に天狗を消す。血や肉を残さず完璧に。

 

「ふぅ…。詠唱解除。隔壁解除。」

 

この光景を二度も見ていると殺すことに恐怖を感じなくなってきた。感情が麻痺している。

 

(慣れるべきではなかったものだな。)

 

「お疲れ様です。皆!射撃体制を解いて妖怪から距離をとれ!」

 

(にしても、反撃してくるはしてくるがあまり好戦的ではない?あまりにも弱すぎる…。)

 

不安を抱えながら俺も後退する。

 

「言葉さん、具合でも悪いんですか?」

 

表情にでていたのか刀華さんが心配してくる。

 

「いえ、少し考え事を。心配かけてすいません。」

「なら良かったです。夜までまだ長いですし、頑張りましょう。」

 

刀華さんはまだ緊張している感じだ。

 

(いや恐怖、かな。さっきのはやらすぎだったし。)

 

あの光景を見て平然といられる人がすごい。自分の計り知れない力の大きさに自らが恐れを抱きそうなくらいだった。

 

(本気出せばすぐ終わりそうだけど、そうすれば何かが壊れそうだな。)

 

「次はどこを襲いますか?」

「そうですね…。次は…」

 

遠くにいる妖怪の中からどれを攻めるか選ぶ。

 

(遠く?何で詰めてこない?あっちが攻めてきているのに…。)

 

「言葉さん?どうし「刀華さん!一気に妖怪を叩きます!範囲は群れ全体です!」え?わ、分かりました!皆は援護を!」

 

(くそ!あっちも俺達と同じだったのかっ!)

 

妖怪達が計画より早く攻めてきた理由。

俺達を潰そうとせずにただ消され続け、力を少しずつ奪っていった。

 

(それは恐らく長と戦う時の力を極力奪うため!早めに気づけて良かった…。)

 

「言葉さん!接触します!」

「了解です!とにかく攻撃してください!」

 

今からは時間との勝負。遅ければ消耗した上回復の隙も無しに長との戦闘になり、早ければ体力を回復した上で戦える。

 

(頼む、早く終わってくれ!)

 

 

Side悪鬼

 

「ん?都市の奴ら気づいたか?」

と鬼は言い

 

「そうみたいですね。もう少し騙されてると思ったのですが。」

と狐は答える。

 

「まあ早く気づいたところでどうもならないんですけどね。カカッ!」

天狗は陽気に笑い

「おい、少し黙れ天狗。気づかれたのは問題ではないがこれだけ早く気づかれたんだ。早く対応するぞ。」

鬼は天狗を叱る。

 

「へいへい、分かりましたよ悪鬼。行くぞ妖狐。」

「分かりました。悪鬼様、行ってきます。」

天狗と狐は支度をし

 

「ああ。気をつけてな。」

「気をつけなくても大丈夫だっての!」

「せっかく心配してくださったのに。ほんとに天狗は。」

「何だよその目は!だってそうだろ?」

「はいはい。どうでもいいのでさっさと滅ぼしますよ。」

「ケッ、ほんと悪鬼にしか興味ねぇんだからよ。それと、どっちが多く殺せるか勝負しようぜ!」

「私の勝ちですね。」

「はぇよ。」

人を滅ぼしに歩を進める。

 

「あいつらが行くなら〝もどき〟は引かせていいだろう。むしろ邪魔だろうな。」

 

キィィィィィィィィィィィィィィィィィ…

 

鬼は自らの力を集めて強くなる。

妖しげな音を立て体を変形させていく。はじめは額から少し伸びていた程度の角が消え、こめかみから二本の長い角が生えてくる。

 

「フゥ……。ヤッパリコノカラダダナ。フンッ!」

 

不安定についている妖力を霧散させ体を整える。

 

「さてと、俺もいくかぁ。」

 

鬼は仲間の元へ行く。

 

 

Side言葉

 

「妖怪が、消えた?」

 

先程まで目の前にいた大群が一瞬にして見えなくなった。

 

「言葉さんの詠唱ではないんですか?」

「違います。それに奥の方に…っ!」

 

妖怪が消えて残っていた力が奥の方に引き寄せられていくのが見える。

 

「奥の方に?何かあるんですか?」

「刀華さんには見えないんですか!あれが!あの恐ろしい姿が!」

「っ!どうしたんですか!?落ち着いてください!」

「くっそ!俺らは元から嵌められてたのか!」

「嵌められていた?相手が引いたからこちらの勝ちじゃ…」

「偽物だった。」

「偽物ってなに……。妖怪が偽物だったら、今の後退はっ!」

「そういうことですよ。あいつら本気できます。潰すためだけに。」

 

俺が見た恐ろしい姿は、長い角を持った鬼の影だ。

 

「刀華さん。兵士の皆と引いてください。」

「はい。分かりました。」

 

(ごめんなさい。刀華さん。〝能力〟を使わせてもらいました。)

 

俺以外のものはみんな都市へと逃げていく。

 

(守るためには、少し強くならないとな。)

 

「俺の『強さ』を『強化』。っ!」

 

力がみなぎって来ると同時に理性が飛びそうになる。

 

(落ち着けっ!俺!)

 

「ウッ……。アガガ……!ふんっ!」

 

ドスッと右手が左腕に刺さる。痛みで気を持たせた。

 

「さてと、いつまで隠れてるんだ?天狗さんよぉ!」

 

近くの木に向かって拳をうつ。その木は一気に木っ端微塵となり消えた。

 

「隠れてるつもりじゃなかったんだよ。すまんな言葉。」

「名前で呼ぶな。気持ち悪い。」

 

強さを強化した代償で凶暴性が少しだけ増した。口が悪いのは気にするな。

 

「後もう一人そこにいるようだが、そいつは戦わないのか?」

「まじかよ…。妖狐の気配を察知したか。」

「何となくそこにいると思っただけだ。さて、どっちからやる?」

「私はおります。二人で楽しんでくださいな。」

 

先ほど天狗のいた木の場所の近くから大きな1つの尻尾を持った女が出てくる。

 

「汚れるのが嫌なの。それに他の雑魚がいないから勝負もできないし。」

「へいへい。どうせ汚れたくないだけだろうけどな。」

 

そういった天狗の頭を妖狐が叩く。

正直どうでもいいので、

 

「会話は良いからさっさとやるぞ。お前らを殺れば終わるんだから。」

「簡単に殺るなんて言うなよ~。少しは手応えあると思うぜ?カカッ!」

 

その笑い声の後には静寂。静かな風の音だけが聞こえている。

その数瞬後に天狗が迫ってくる。

俺もそれにあわせて前に出る。

天狗は妖力を纏わせた腕を、俺は神力を纏わせた腕を相手の腕にぶつける。

 

その瞬間衝撃波で二人は無理矢理距離を取らされる。

 

「てめぇ中々上手く使ってるじゃねぇか。カカッ!」

「うっせ。お前はバカみたいに力固めやがって。」

 

互いに文句を言った後にまた近づき腕をぶつける。

それを繰り返していく。その度に地面は揺れ、鼓膜が破けそうなほどの音がなる。今やっているのは大戦とは言えないくらいの小さな戦いだった。しかしその激しさは先ほどの大戦が甘く見える程に激しかった。

 

これにて人妖大戦終結。

しかし、新たな戦いが始まる。

 




ほんとすいませんでした!これからは早めに書いておくようにします……。でもどうしても直したいところがあって……。
まあぐちぐちいってても解決しない!次から次から!
では早めに終わります!また次回で!

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