GWだー!と言っても部活や山積みの宿題。町内の活動の手伝いでほとんど休みはありません……。ちゃんと小説はあげますよ!その時間は何としても取ります!
それでは第17話をどうぞ!
in都市防衛本部
「ふぁ~。朝早くからどうしたんですか?言葉さん?」
「少し相談したいことがあって。」
「相談?何か悩んでるんですか?」
「悩んではいませんよ。ただ言いたいことがあって」
「分かりました。でその話は?」
「それはですね…」
まだ日が頭を少し出したくらいの時間。
都市から少し離れた場所にある防衛本部にきている。
他の兵士も皆眠い目をこすりながら防衛本部で待機している。
少しでも戦線を前にあげて都市へ向かう距離を取るため、昨日戦っているうちに控えの兵士が建てていたとか。
「包囲作戦?流石にあの数には無理じゃ…」
「いえ、全てを囲むのではなくいくつかに分かれている群れを囲むんです。」
刀華さんへの相談は作戦。昨日は急な戦闘だったので統率がとりにくかった。なので何か工夫できないかと相談している。
そこで刀華さんは包囲作戦を提案してくれた。
昨日の戦闘でおおよそ40万体にはなっているだう妖怪の大群。それらはたくさんの種族で為されている。戦闘中もそれぞれの種族で固まっているのも見れたので、それらを迅速に囲み殲滅。これが包囲作戦。
「それらを囲んでいる間、他の兵士達には周りの群れの牽制をやらせます。そうすれば負担も幾分か減るので、こちらには有利な状況になる
、というわけです。」
「なるほど、ならこういう立ち位置になるということですかね?」
付近を表した地図を机に広げて指で示す。
「まず、ここに目標の群れがいる。」
石を置いて群れを作る。
「そして、これを囲む俺と刀華さん。」
色の違う石を二つ、その群れを挟むように置く。
「そして周りを牽制する兵士。」
周りに円を作るようにして小さな石を置く。
「これだと妖怪達に逆に包囲される形になるんですが?どうするんですか?」
「ああ、それですか。それは既に対策されたも同然です。」
「既に対策済み?どういうことですか?」
「気にしないでいいですよ。多分作戦を執行しているとわかります。それより、今日も頼みますよ。」
「はぁ……。分かりました。こっちに立ってください。」
「すいません。でもホントに大丈夫ですから。」
少し不安も残るが、ここまで言うなら大丈夫なのだろう。
「それじゃあ」
〝その身を汚す穢れを打ち払う鎧を与えたまへ〟
刀華さんに手を翳し唱える。
これは穢れを無効化する詠唱。昨日もつけていた。
「兵士の皆には後で掛けておきます。」
「ありがとうございます。それでは待ちますか。」
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一時間後……
〝妖怪接近、迎撃体制をとれ〟
本部の中に通信が入る。
その通信と共に皆が外へと向かう。
穢れを無効にする詠唱もかけ、先ほどの作戦も伝えておいた。
準備は万端。後は迷わず戦い続けるだけ。
「まずは残っている妖を囲めー!」
「「「おおおー!!!」」」
刀華さんが全体に指示を出す。
妖とは、知性を持たない妖怪の総称。昨日の戦いで多くの数を減らした群れの1つ。一番数が少なくなっているので、まず妖を叩く。
「皆ー!他の妖怪へ一斉射撃!」
兵士のリーダーが命令をだし、全体が動く。
ダンッという音とチュンという音。実弾とレーザーが放たれる。他の妖怪はそれを避けながら後退する。
「言葉さん!行きますよ!」
「刀華さん!了解です!」
俺達は一気に妖の群れの側面に張り付く。
互いに手に持つ刀をそれに振るう。
「「旋風」」
刀華流 旋風
自身を高速で回転させるだけの単純な攻撃。
しかし、その際の負荷を消すことができなければ自滅する。そのため力を十分に持っていなければいけない。
旋風を使い妖の数をどんどん減らしていく。
「グギャアアアアアアアア!」
反撃してくる妖。しかしその攻撃は高速に回転してできる刃の壁によって防がれ、切り刻まれていく。
数分もしてくると、辺りは元は形があったであろう肉と血でいっぱいだった。
「…。これが大戦ですか。酷いですね。」
「……。そうですね。刀華さん、目を瞑ってください。」
「はい。」
〝穢れし身を無に還せ〟
詠唱によってそれらの塊は消え、殲滅の後なんて分からないくらいに綺麗になった。
ただ塊が消えていく際見える幻影のようなものは残ったが。その幻影は吠えながら苦しみ、充血した目でこちらを睨む。死ね。殺してやる。そう訴えてくるように。
「終わりました。開けてください。」
「すいません。後始末なんてさせて…。」
「大丈夫ですよ、やらないといけないんですから。」
昨日の戦いでもこれを行った。刀華さんは幻影を見た途端吐き気を催した。何でかは分からないが、それからは目を閉じてから詠唱をやっている。
「にしても、ほんとに大丈夫でしたね。」
「ええ、これは奴らの特性のようなものです。」
その特性、実は妖怪も穢れを恐れている、というもの。穢れは妖怪にとっては害ではなく、むしろ強くなれる養分のようなものなのに、だ。
どうやら知性を持つ妖怪は、それ以上の力を持ち暴走するのを恐れているらしい。意外と保身的に動くので、殲滅している近くには寄ってこない。
「兵士たちもそれほど疲れてないようです。次に移りましょう。早く数を減らさないと数で押されます。」
「分かりました。次は……。天狗にしましょう。空からの攻撃は厄介です。」
「それでは。集合!次の目標は天狗!天狗!」
周りに指示を出し、自分達も目標の元へ向かう。
戦闘開始から1日と8時間。
戦闘時間は現在一時間。
同刻会議室……Sideツクヨミ
「だから!それは最悪の事態のみの対処です!現状ではその必要はないとさっきから言ってるでしょう!」
「最悪の事態になる前にてを打つべきだ!前からあなたは行動が遅い!移住の計画も早めにやっておけばこうはならなかったはずだ!」
「そうだ!我々の意見を全ておろしてまでこの都市を危険にさらすなど愚かだ!」
「成功もしない時期に移住なんてするほうがおかしいのです!そのあたりをしっかりと考えて……」
研究側と自分達の地位だけを見る側との論議。
はっきり言って後者が今枷となっている。
そのもの達は、都市が危険にさらされる前に月へ向かおう。兵士はそのために命を懸けて都市を守ったとして放置。こんなことをべらべらと平気でいっている。自分達が無事ならどうでもいいのだろう。
それに対して研究側、主に永琳が反発。放置など許されない。それに今から移住しなくとも現状都市へは被害は及んでいないので後5日待ってもいいだろう。こう言っている。
私としては長く付き合ってきた永琳の意見を尊重したいし、こっちの方が正しいと思っている。
ただ、この会議は都市を懸けてのもの。多数より少数を尊重なんてできない。残念ながら、研究側は少数だ。
(あの人なら、何とかしてくれたんだろうなぁ…)
今は自分がトップ。誰かに頼るなんてできない。それに一番頼りたい人は今はいないのだ。
「いい加減に人を駒として見るのをやめたら!?」
「駒として見てなんかいない!都市を守った英雄たちとして見ると言っているだろう!」
「上からそうやって眺めているその態度を何とかしなさい!」
(何だかいつもと違う言い合い。お互いに守りたいものを守るために言い合っている。)
片方は仲間、友。
もう片方は地位、自分。
互いが本音で話し合うので引くことは負け。そんな雰囲気が出てきている。
(早く決めてないとどちらも守れない、か。世界は残酷だなぁ。私なんかに大きな物の行く先を決めさせるなんて。ほんと、酷いよ。)
目の前で繰り広げられる言い合いよりも、世界に対する不満の方に気が向く。
どちらもいいものではないので心は沈む。
(この大戦のせいでこうなってるんだよね。なら……)
早く終わればいいのに、そう願う。
んー、やっぱり題名のセンスが……。
なんていってもなにも変わらないですけどね笑笑
やっぱり自分には3000文字が精一杯な現状です。
4000文字を書こうと思うと中途半端におわってしまうので、キリのいい3000文字でやっていきます!日々練習して4000文字を越えるように頑張ってはいるので、2章は楽しみに!ではまた次回で!