東方深意伝   作:ただのみらの

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どうも、ただのみらのです。
今日は早めに執筆を始めれたので、早くあげることができました!
昨日の投稿からお気に入りがなんと!6件になってましたね!びっくりです。まさかお気に入りしてくれるなんて……。これからも頑張っていきます!
それでは第十一話をどうぞ!


11,内に秘める『輝き』

 Side 刀華

 

 刀華「我流 疾剣」

 

 音を立てず、また人の確認できる速度を越えた突きを人を模した木に放つ。

 パキッと音を立て、突きが当たったところから半分に割れる。

 

 私は今、自分の剣を磨いている。

 1ヶ月後に来る計画のために。

 言葉(ことは)さんも同じように鍛練に励んでいる。彼は元々のセンスがいいのか、『力』を使う『剣技』についてはすぐ会得していた。

 

『剣技』力を使った剣術。力を込めて威力を高めたり、力を放出して速さを高める。

 これは私の我流剣術の基礎だ。

 そして、これを使っているものが『流れ』である。

 言葉(ことは)さんは流れは分かるが、すぐに攻撃に移ることができないため、今その切り替えについて稽古をしている。

 

 言葉(ことは)「…。それが手合わせの最後の攻撃ですか…。」

 刀華「ええ、単純な力の使い方ですが、確実に敵を仕留める。そんな技です。」

 

 私がさっき放ったのは流れではない。

 私の技だ。

 剣を操れるからこそ放てる『殺し』の一撃。

 音を消し近づき、素早く確実に撃ち抜く。

 私の我流のある意味最終点だ。

 私はこの殺しが最終点だと知ってから、戦う自分に嫌悪感を抱いていた。

 

 言葉(ことは)「恐ろしいですが、確かに力にはなります。そんな暗い顔をしないでください。」

 

 言葉(ことは)さんに言われて初めて気づいた。自分のひどく落ち込んだ顔に。

 

 刀華「すいません…。」

 言葉(ことは)「んー、よし!刀華さん!流れの稽古しましょう!また色々と教えて下さい!」

 刀華「!はい!では始めましょうか!」

 

 彼はいい人だ。たった数日関わっただけでも分かる。彼は人のことをよく考えている。

 そんな彼に気を使わせているのは、甘えなのだろう。

 

(でも、今はこのままでいたい。私は少し我が儘だな。)

 

 彼のおかげでどこか気が楽になった。そんな気がする。

 

 Side 言葉(ことは)

 

 言葉(ことは)「やっぱり『円閃』をまず完璧にしたいですね。一番納得いかないままの技ですから。」

 刀華「分かりました。いつでも振り始めていいですよ!」

 

 俺は今稽古中だ。大体一週間続けているこの稽古。もう教えてもらうことはなく、技の調整に入っていた。

 

(イメージイメージ……。刀華さんのように、素早く鋭く…)

 

 いつものようにイメージしながら剣を振り始める。

 まず一閃。上から下への振り。前とは違い音はほとんどない。

 そこから体勢を出来るだけ低く、視界から外れるくらい低くする。

 そして刀から力を噴出させ、回転する。

 回る速さが上がったため、上からみれば円のようになっている。

 もちろん音はほとんどない。

 最後に、

 

(そのまま切り上げる。)

 

 音はなった。しかし確実に撃ち抜く攻撃ではあった。

 最後は体勢を整えて着地し、構える。

 

 言葉(ことは)「ふぅー、」

 

(今のは結構いけてたかな?)

 

 言葉(ことは)「どうでしょうか?」

 刀華「驚きですね、ほとんど完成形ですよ!」

 言葉(ことは)「よかった~。稽古の成果を出せた~!」

 刀華「でも、何でそんなに上手くなったんですか?昨日までは速さも振りもまだ足りなかったのに…。」

 言葉(ことは)「ちょっとした自己暗示ですよ。稽古中、ずっとこう思ってたんです。」

 

 〝風になれ、素早く力強い突風のように〟

 

 言葉(ことは)「こんなことをずっと思いながら振ってたら、いつの間にか。」

 

 もちろんだが能力は一切使用していない。

 思いながらといっても、イメージだけだ。

 

 刀華「やっぱり才能がありますね。言葉(ことは)さんには。この調子ならすぐ抜くされそうで怖いです。」

 

 軽く笑いながら刀華さんは言う。

 

 言葉(ことは)さん「流石にそこまで成長てきるとは思いませんよ。ただ目標はそこですけどね。」

 

 笑い返しながら俺は答える。

 

 言葉(ことは)「それと、今日の稽古は終わっていいですかね?永琳さんに呼ばれてて…。」

 刀華「分かりました。計画についてですかね?」

 言葉(ことは)「ええ、能力が関係してまして…。それでは行ってきますね。今日もありがとうごさいました。」

 刀華「こちらこそ、ありがとうごさいました。」

 

 互いに軽く礼をし別れの言葉をのべる。

 向かう先は、技術研究室。

 

 

 in技術研究室

 

 永琳「あら、もう来たのね。言葉(ことは)。」

 言葉(ことは)「早く来てっていってじゃないですか。だからですよ。」

 永琳「そうだったかしら?最近忙しくてあまり覚えて無いわ…。」

 言葉(ことは)「ちゃんと休んでくださいよ…」

 

 永琳さんと何気ない会話をした後、部屋の奥へ案内される。

 

 永琳「この鉄の板に、月の力を弾く意味を持たせてくれないかしら?」

 言葉(ことは)「分かりました。他にやることはないんですかね?」

 永琳「無いわ、これだけ。ただ能力をたくさん使うから、しんどくなったらすぐ言ってね?」

 言葉(ことは)「了解です。じゃあ始めてきますね。」

 

(たくさんっていっても、500回は能力使えるし、大丈夫だろう。)

 

 言葉(ことは)「この板は『月の力』を『弾く』」

 

 最近能力の効率的な使い方も分かってきたので、さらに回数は増えてると思うが。

 

 数時間後……

 

 言葉(ことは)「あ~、頭痛い。」

 

(流石に5000回は堪えた…)

 

 板に意味を与えること数時間、ただいまソファーでダウン中の俺である。

 

 言葉(ことは)「流石に多すぎですよ、永琳さん…」

 

 対面のソファーに座っている永琳さんに話しかける。

 

 永琳「それはごめんなさい。でも5000回まで回数が増えてることが驚きよ。いつの間に増えたの?能力使った?」

 言葉(ことは)「いえ、ただ最近自分でも能力について色々とやってたらコツを掴んで、回数が増えたんですよ。流石に5000回はきついですけどね…」

 永琳「なるほどねぇ、まあお疲れ様。それに、2日分(・・・)の仕事を一日でこなすなんて、大したものだわ。」

 言葉(ことは)「へ?」

 

(今なんて言った?2日分?)

 

 言葉(ことは)「何でそんなにやらせたんですか!?」

 永琳「だって本当は休憩を挟みながら、1日2500回こなしてもらおうと思ったのに、あなた全然止まらないもの。そのまま全部やらせてみたら、まさかの終了。私だって渋ってたんだからね?」

 言葉(ことは)「……。」

 

 自分の頑張りっぷりに驚く。

 

 言葉(ことは)「もういいや……しばらく寝る……」

 永琳「分かったわ、おやすみなさい。」

 能力多用により精神的にも疲れが来ていた。

 仕方がないので眠りに落ちる。

 

 

 Side永琳

 

 永琳「やっぱり、あなたはいい人なのね。」

 

 私は気づいた。今日彼を見てすぐに。

 

(神力が格段に跳ね上がっている。人の身なのに。)

 

 恐らく彼が接している人達は、彼の優しさに惹かれ、思わず心を開いたり、彼を信じてみたりしているのだろう。

 

 永琳「もうこれじゃ、神様って言った方が信じられるくらいよ…」

 

 彼の持つ神力の多さに呆れてしまう。

 

(何事もなく、このまま力が溜まれば本当になりそうだけど。)

 

 

 Side言葉(ことは)

 

 

 夢の中なのだろう。

 

 そう感じる。だって体があるのに、そこにある感覚しかないから。

 

 でも、ここは何処だ?真っ白な場所なんて記憶にある限り行ったことはないのに。

 

 ここは何もない。ただの空間。空間であるかすらも、分からないが。

 しばらくすると、なにか見えてくる。

 

 あれは…青い色の何か?

 

 それは、青い色の球。燃えるような薄い青色の炎がまとわっている。

 

 何だろうこれ。

 

 興味深い。なのでひとまず触ってみる。

 すると触れた途端、力強く引き込まれる感覚に襲われる。

 

 っく!何だこれ!逃げ出せない!

 

 必死に抗うが、それも虚しく、その球に吸い込まれていく。

 

 意識が、無くなりそうだ……

 

 まあそれでも不安はなかった。

 夢の中で意識を失うなら、次に目覚めるのは現実だろう。そう思っていたから。

 

 

 でも目覚めるのは全く現実とはかけ離れている。目覚めたそこは別の空間だった。

 不気味。

 そんな言葉が似合う空間。

 その中にはどこか感じたことのある力がたくさん感じられた。

 

 

 ここは、一体何処なんだ?

 

 

 

 

 

 

 

 

 




ちなみに、能力の使用回数が増えたのは神力の増加のおかげです。
後、心の描写はその場面での主観の位置にいる人の心情であることが多いです。たまに例外がありますが。
まあこれくらいでしょうかね?この話については。
それじゃっ!また次回で!



追記。またタイトル忘れてましたね。ほんとすいません。ボケすぎで。

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