東方深意伝   作:ただのみらの

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んー、戦闘は難しい。どうも、ただのみらのです。
最近携帯の予測変換にキャラ名やら技名が溢れています。そのくらい書いてるんだなぁと思いました。
後、あとがきで報告ありです!それでは!
第十話をどうぞ!


10,世界への『願い』

 in 訓練所

 

 言葉(ことは)「ふっ!ふっ!ふっ!」

 刀華「剣がまたブレ始めていますよ。言葉(ことは)さん。」

 言葉(ことは)「そうっ!言われましてもっ!ずっとっ!振ってるからっ!集中がっ!」

 刀華「だから能力を使っていいとさっきからいってるんですが…」

 言葉(ことは)「それじゃっ!稽古のっ!意味がっ!無いじゃっ!ないですかっ!」

 

 俺は今、刀華さんに稽古をつけてもらっている。

 まずは真剣を振ってみて様子を見てみることになった。時間がないので竹刀は使わない。

 

 刀華「何か、変なところで負けず嫌いそうですね。言葉(ことは)さん…。おっと、もう1000回終わりですよ!」

 

 言葉(ことは)「はぁはぁっ…。能力ばかりに頼ってちゃ、いつか後悔しそうで…。それに、こうやって自分で高めていくからこそ、掴めるものもあるはずだから。」

 

 この稽古の習慣は2日前から始まっている。

 計画までに時間があまりないこともあり、一日みっちりと稽古をつけてもらってる。訓練を続けていく内に、刀華さんからの「殿」呼びが、今じゃ「さん」になるくらいは親しくなった。

 

 刀華「まあ私も能力があるからこその、自分の剣って感じですけどね…。でもその考えは正しいものだとおもいますよ!それでは、次は流れで練習しましょうか。」

 

 刀華さんの能力は武神らしい能力だ。その名も、『刀を操る能力』。

 自由自在に剣を振るい、両手だけでなく、宙に浮かせたままの剣も操れる。

 その様子を見たときはもうびっくりしすぎて言葉が出てこなかった。

 見せてもらったときは竹刀だったが、それぞれが上下左右、前後ろ、斜め、様々な方向から様々な角度で暴れまわっていた。

 

 しかし、能力だけでなく、彼は我流の剣術も持ち合わせている。

 稽古では主にその剣術を習っている。まあ簡単に『刀華流』とでも言おう。

 

 言葉(ことは)「分かりました。ふぅーっ、」

 

 刀華流の基本は、『攻め』である。

 様々な方向から攻めて、相手を押していき、体勢を崩す。簡単に言えばこんな感じ。

 この流派には、基本である2本の剣技が存在する。

 それと8つの切り方を混ぜ合わせたのが『流れ』だ。

 剣技は『力』を使った切り方なので、力無きものには会得できない。

 

(流れの基本、攻撃は素早く……)

 

 シュッと上から下へ一閃。素早く、尚且つ力強く振り下ろす。

 すぐさま持ち変えて次の攻撃に移る。

 

(力を刀から噴出して、回転から切り上げるっ!)

 

 心の中でイメージしながら剣を振るう。

 さっき振った状態から体勢を低くし、足元を切るように剣を持ち回る。

 するとブォンと音を立て自身と刀が高速で回転する。

 そこから正面をみて力の噴出を止めないまま刀を振り上げる。が、

 

 言葉(ことは)「うわっ!」

 

 勢いあまって空中で体勢を崩してしまった。

 力を抑える事ができずにそのまま地面に急降下。

 

 

 刀華「やっぱり剣が2本目でぶれていますよ。」

 

 地面に開いた人型の穴に呼び掛ける刀華。

 

 言葉(ことは)「心配くらいしてくれないですかねっと。」

 

 穴から這い出てきたのは俺。

 

 言葉(ことは)「にしても、『円閃』。やっぱり切り上げるときが難しい…。切り上げてすぐに戻ることが出来ないし……」

 

(それどころか、こうなっちゃうもんな…)

 

 俺は毎度『円閃』を練習するたびこうなっているのだ。

 

 刀華「切る目標がないっていうのも原因かも知れませんね。一度私と手合わせしてみますか?」

 言葉(ことは)「えっ、でもこんなんじゃ瞬殺されちゃいますよ?」

 刀華「流石に手加減はしますよ、ククッ。」

 

 俺を小馬鹿にするように刀華さんは笑う。

 

 言葉(ことは)「あーもう!やりましょう!手合わせ!絶対にとってやる!」

 刀華「それは楽しみです。では、始めましょうか!」

 

 後、稽古をしてて分かったのだが、刀華さんは別に戦いが嫌いなわけではなく、戦っているときの自分が少し嫌なようだ。

 

 刀華「それでは、始めっ!」

 

 合図と共に二人とも駆け出す。

 一手目、刀華さんから仕掛けられる。右から左へ流れるような一閃を放ってくる。

 俺はそれを刀で受け、上へと弾く。

 

(よし!何とか一撃防げた!次に追撃!)

 

 教えてもらった流派の通り動く。

 しかし、次に襲いかかってくるのは無数の斬撃。刀華さんは弾き返された状態から自身も上へと跳ね、俺が認識できないスピードで一撃一撃を放ってきたのだ。

 しかし、負けてはいられない。

 絶対にとってやる。

 そう宣言したからには。

 次に俺が放ったのは、基本の剣技のもうひとつを使った『流れ』。

 

 円を描くように剣を振るい、無数の斬撃の内の半分を弾き残りは躱す。そして、空いた隙間に相手へと届かせる突きを放った。

 

(円突!)

 しかし、その突きは、攻撃を止めた刀で防がれる。

 

(力を込めながら撃ったのに!?)

 

 その後、お互いに常人の為せる速さを越えた攻撃を繰り返す。

 しかし、それもすぐ終わる。

 互いに剣が弾かれあって、数瞬、間が空く。

 そこへすかさず俺は『円閃』を打ちにいく。

 近づきながら上から下へ一閃、刀から力を噴出させながら振るう。

 しかしこれは横へとかわされる。

 体勢を低くし、足元を切るように刀と共に円を描く。

 これは跳ばれることでかわされた。

 そして、その空中にいる刀華さんに、上から下への斬撃を放つ。

 

(決まった!)

 

 そう確信出来るほど上手くいった。

 だが、攻撃が当たる前に刀華さんは体を翻し剣を躱し、その勢いを使い俺の首元へ刀を伸ばす。

 

(死ぬっ!)

 

 そう感じさせられるくらい、鋭く殺気のこもった一撃だった。

 

 が、届く前にその刀は止まる。

 

 刀華「うん。やっぱり実践になると使えるんですね!円閃!」

 

 先ほどの攻撃を放ったとは思えない声色で俺に言葉を投げ掛ける。

 

 言葉(ことは)「……。あ、そうみたいですね。でも、やっぱり流れ自体はきれいに決めれませんでした…」

 

 あまりの変わりように驚き、話すのを忘れていた。

 

 刀華「こっちもその型を知ってますから、仕方ないですよ。でも剣技の方はきれいに行きましたね。」

 言葉「力を込めて放つ。ただそれだけですから…。」

 刀華「まあ、力を込めるのも大分難しいんですけどね…」

 

 その後も、ずっと流れの練習を続けた。

 

 ______________________________

 

 in言葉(ことは)の部屋

 

(やっぱ難しいわ、剣術)

 

 もう日が暮れるまで練習していた。

 

(にしても、最近は永琳さんもツクヨミさんも『計画』について忙しいから全然会えないなぁ)

 

 それなりに親しい仲なので少し寂しい。

 

(後1ヶ月か…)

 

 1ヶ月。

 それがこの都市が安全でいられる期間。

 俺が剣を学べる時間だ。

 計画についても、1ヶ月後の方が月に行きやすいやら何やら。

 

(で、1ヶ月後は、満月。)

 

 満月の方が行きやすい。これが科学者の間で出た結果らしい。

 まあその中に永琳さんがいることをつい最近刀華さんに聞いたのだが。

 

 満月。

 妖怪が一番力を持つ日。そして、計画が実行される日。

 

(何事も起きなければ、それでいいや)

 

 言葉(ことは)「後は、『アレ』についてだけだな。」

 

 俺がほんとつい最近に気づいた事。それが『アレ』。

 

(どうかこの世界、無事でありますように。)

 

 青年はただ願う、自分の世界の無事を。その民の無事を。

 

 

 Side ツクヨミ

 

 ツクヨミ「……。今宵も月がきれいですね。名も知らぬ導きの人……。」

 

 神はただ願う。彼と作り上げたこの都市に住む、まるで我が子のような存在の無事を。

 

 そして、自分の野望が叶うことを、ただただ願う。

 

 

 Side 此世界

 

 

 運命(さだめ)「……。無事でいるかな、言葉(ことは)……。」

 

 

 彼女はただ願う。巡り続ける運命の渦中で、暗きに飲まれそうになるその青年の無事を。

 

(私にしか見えない、この世界の運命(みち)は。)

 

 

 世界は何処の誰の願いを聞き、どんな願いを叶えるのか。

 知り得るものは、ただ一人もいない。

 

 

 




えー、報告です!
UA数が300を突破してました!パチパチ!
自分ではとても届かない数字だと思ってました。
実際十話くらいで百いけばいいかな?とかそんな感じ。
後ですね、一話のPVも100を突破してました。
素直に嬉しいです。
まあ投稿者の気持ちは置いといて。
ようやく戦闘の部分書きましたが、剣術とかその辺りはもうぶっちゃけ適当です。もう変でも見逃してください。原作入ったら弾幕重視するんで。
後、此世界家達は2章からしかもうでません。色々と事情がありまして。
まあこれくらいですかね?報告は。
それじゃっ!また次回で!

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