なにもみえない   作:百花 蓮

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学校、分身の術、病院

 そして、忍者学校(アカデミー)入学まで、時は流れる。

 

 今になって省みれば、彼女に一年という長い間、会えなかった悔しさがあったのかもしれない。それに加えて、会えなかった彼女の実力は、一年前より上がっていて、自らを焦らせた。彼女は優しく、品行方正で、皆に頼られ、常に誰かに囲まれていて、それにもどかしさを感じていたに違いない。

 

 彼女との会話の数は少なかった。

 シスイに言わせてみれば、これが素直でないということなのだろう。今になって、こうして自身の行動を間接的にまざまざと見せつけられ、その意味がようやく理解できる。

 

 ただ、ここでは自分のことは置いておくべきだろう。彼女の努力は涙ぐましいものだった。

 〝夢〟は、家族との穏やかな暮らし。だが、彼女は忍者学校(アカデミー)に行った。まるで目的のための手段を間違えているようにも思えるが、そうではない。

 

 彼女の狙いは、忍者学校(アカデミー)で優秀な成績を取り、母親に褒めてもらうことだった。そうすれば、昔のような穏やかな日々に戻れると、一縷の望みにかけて、ただ、それだけのために、彼女は彼女の全力を注いでいた。

 

 結果としては、失敗だった。

 彼女の母親は、彼女の欠点ばかりを見て、彼女自身を見ようともしない。点数に関わらない彼女のミスを、彼女の母親はあげつらい、嘲笑した。

 

 こうなればもう、どう頑張ろうと彼女は報われることなどない。粗を探し、ストレスをぶつける。そんな行いを甘受している母親には、なにをしようと届かなかった。

 そして、彼女が優秀でいようとすればするほど、彼女の母親は頑なに彼女のことを認めようとはしなかった。

 

 彼女の母親は、優しく自分を慕ってくれる人間よりも、自分と比べ立場の弱い人間が欲しかっただけなのかもしれない。

 

 彼女は悩みを抱えたまま、誰にもそれを話そうとはしなかった。

 皆が皆、彼女の能力を見て、彼女自身を見ていなかった。評価も高く、誰からも頼りにされる彼女であったが、それ故に、彼女の寄りかかれる相手はいない。本来、そうなるべきは母親だが、それこそが彼女を苦しめる存在であった。

 

 思えば、彼女は強がりだった。今まで、彼女が負けを認めるとき、決まっていつも不満げな表情をして、ときたまに恨み言をこぼし、渋々と、だった。

 そこに彼女を肯定する言葉を投げれば、彼女はまだ不信げで、抱きしめたら、ようやく認めて甘えてくる。

 そんなやり取りに喜びを感じていた。

 

 だが、それは今見ているものからすれば、未来のことだ。だからこそ、うちはミズナは追いすがった。うちはイタチのことを、彼女は目で追っていた。それが彼女にとっての希望だったのかもしれない。

 

 それでも、負けることが嫌いな彼女は、弱味を見せることが苦手な彼女は、うちはイタチに悩みを打ち明けることすらなかった。

 当然のごとく、彼女に対して気まずさを感じていた、うちはイタチは、その悩みを知る由もなかった。その悩みの影さえ無視して、〝夢〟を追っていた。知ろうともしていなかった。

 

 それが、学校での出来事だった。

 

 

 ***

 

 

 彼女の努力は涙ぐましいものだった。人の同情を惹くように計算されたものだった。

 彼女の行動には、いつも裏がある。一目見ただけでは見透かせない意図がある。それが、彼女の小狡く、好ましい一面だった。

 

 誰の目に付かないところで研鑽を積んだ自らとは対照的に、彼女は人の目のつくところで、人の目につくように修行の成果を見せつけていた。

 

 もちろんそれは、教師の目を惹くためであり、母親に対して自身の能力を誇示して気を惹くためのものだった。

 彼女の努力は涙ぐましいものだった。

 だが、その涙ぐましい努力は、望まぬものの目を惹いた。

 

 学校が閉まるまでの修行を終えて、家に帰るが、彼女はできるだけ家に居たくないようだった。

 数時間、彼女は森の中でうたた寝をする。

 

「だれ?」

 

 彼女の感知能力は随一だった。

 

「気配は消していたと思ったのだけれど……」

 

「全くに消えていれば気がつくわ」

 

「道理ね。ただ、私だって、伊達にこの忍世界を生き抜いてきたわけではないわ。そこら辺も考慮できていたはずなのだけれど……」

 

「自然っていうのは大らかで暖かいものなの。冷たすぎる」

 

「手厳しいのね……」

 

 蛇。

 そう形容することがこれ以上もなく相応しい男だった。伝説の三忍で、火影候補であったこともある。

 

 人道に悖る実験を行なっていたことが露呈し、自らの師である三代目火影に追い詰められ、里を抜けた男。

 

 

 ――大蛇丸。

 

 

 まだ、この時期は、確か木ノ葉にいたはずだった。そして、所属は――( )

 

「なにしに、来たの?」

 

「単刀直入に言うと、貴女は〝根〟の観察対象になったわ」

 

「ふーん」

 

 そうして、彼女は軽く聞き流した。

 

「興味がない、と言ったようね」

 

「〝根〟って、なに? 私わからない」

 

 そう言って、彼女はかの怪しさに満ち溢れた男から、ワザとらしく顔を背ける。

 

「貴女のことは、よく調べさせてもらったわ。優秀だって話じゃない」

 

「だからなに?」

 

 何手先を読めていようが、今の彼女には敵う相手ではない。それが、忍界に名を轟かせ、数多の敵を屠ってきた伝説の三忍――( )大蛇丸という男だった。

 力では敵わないからこそ、選ぶ言葉も慎重になる。

 

「釣れないわね。もし、困りごとがあれば、なんでも相談に乗るということよ」

 

「ないわ」

 

 即答し、立ち上がり、男に背を向け歩き出した。これほどまでに胡散臭い男を前にして、話すこともないと判断したのだろう。

 

「貴女、母親は好きかしら……?」

 

 足を止める。

 

「そんなこと、関係ないでしょ?」

 

 その質問の持つ意味に囚われ、完全に無視ができなかったのだろう。

 

「得難いものを得るために、貴女だったらどうするかしら?」

 

「なんの話?」

 

「生まれつき、恵まれた家系に、家庭、才能のある者がいる。そして、その逆も」

 

 格差がある。だからこそ、下の者には嫉妬が生まれ、上の者には傲慢さが生まれる。それが、どうしようもない理不尽で、世界の歪みだった。

 

「だから?」

 

「フフッ、生まれつき、ないのだったら継ぎ足せばいい。貴女はそう思わない?」

 

「いえ、そんなもの偽物よ。偽物を本物だと思うには、自分を騙すしかないでしょ? だから、どうやっても無理がでるの。そんな偽物……私はいらない!」

 

 語気を強めて彼女は言い切る。

 

 その言葉に、今までの彼女との暮らしについてを想った。彼女はいつか、〝夢〟が叶ったとも言った。だがやはり、彼女にとっては偽物の家族だったのかもしれない。

 本物だと自らに言い聞かせても、納得できない自分がいる。そして、それが表出したのが、偽物の両親が死んだ夜のことだったのだろう。

 偽物の兄に慰められ、そして彼女は、本物の家族がほしいと願ったのかもしれない。

 

 けれど、そう願うことは、本物だと信じたかった偽物の家族を、偽物だと認める行為に他ならず、躊躇せざるを得なかったのだろう。

 

「人は変わるものよ? 変わってしまえば、昔の自分を幼かったと嘲笑し、今の自分が正しいのだと迎合せざるを得なくなる。人はそれを成長と呼ぶの」

 

 その男の蛇のような瞳には、陰りと、一抹の悲しさが感じられた。

 

「だったら私は一生子どもでいいわ……」

 

「頭のかたさ……アレも生まれつきかしら?」

 

 なにか感傷に浸るような台詞だった。その男の視線の先に居るのは、彼女ではなく、おそらく男が親しみを持つ別のだれかか。

 

「私の想いは変わらない……」

 

「あら、なにか確信でもあるのかしら? 信じられるものが、生まれつきのソレだけの貴女に」

 

 彼女の動きが止まった。なにかを考えているようだった。全てにおいて地力の高い彼女は、もれなく知恵も回る。

 

「あるわ」

 

 ふと、溢れたような言葉だった。なにかを彼女が思いついたようにも見えた。

 

「そう……」

 

「だから、私はそんなふうにはならない」

 

 拒絶の言葉を残して、彼女は帰路についた。

 男は彼女を追わなかった。

 

 彼女が影分身の術を忍者学校(アカデミー)の先生に教授してもらおうと強請(ねだ)ったのが、その次の日の出来事だった。

 

 

 ***

 

 

 彼女が、影分身の術を覚えた理由。それは、授業をサボるためでも、うちはイタチに対して優位に立つためでもなかった。

 ただ彼女は彼女自身に願いを刻んだ。

 

「〝きっと、良い子でいれますように〟」

 

 『写輪眼』は心を写す瞳と言う。だからこそ、彼女は自分自身に『影分身』で、『写輪眼』の幻術を使い、願いを刻み込んだ。

 

「〝ちゃんと、言うことをきけますように〟」

 

 母親の言う通りに、完璧にこなせればとそう思ってだろう。

 彼女の頑張りは認められるべきものだった。そんな彼女に、母親はそう願わせた。

 

「〝お母さんを、嫌いになりませんように〟」

 

 それだけだった。

 それだけのことだった。

 

 そして、彼女の誕生日が来た。

 誕生日は、彼女にとって大切な日には違いなかった。幸福な日々からの転換点。彼女の最後の幸せだった日。

 

「じゃあ、行ってきます」

 

「ミズナ……」

 

「お母さん……?」

 

「今日は早く帰って来なさい」

 

「え? ……うんっ!」

 

 それだけで彼女は有頂天になった。

 母親の方から関わりを持つ、ということはほとんどなかった。だからこそだ。だからこそ、彼女は期待し、上の空で授業を受ける。

 

 うちはイタチに向けて、手紙を残したのもその時だった。

 彼女は多角的に物事を考えるタイプだ。可能性を並列的に検討するタイプだ。

 

 これは、ただの予想だが、彼女は母親に期待などしていなかったのだろう。そして、裏切られたときに、泣きつく相手が欲しかった。彼女は弱い人間だった。

 

 彼女の中で、うちはイタチは、自分の弱さを晒け出せる唯一の相手だった。それだけの話だろう。

 

 彼女は玄関に立つ。

 期待通りに進むか否か、彼女は尻込みをしていた。現実と向き合うことが怖かったのだろう。

 それでも、彼女は前に進んだ。

 

「ミズナ……少し早いけど、お誕生日、おめでとう」

 

 そして、彼女は涙ぐんだ。

 彼女の母親は笑顔だった。久しぶりに、彼女に見せる笑顔だった。空々しい笑顔だった。

 

「あ、ありがとう。お母さん」

 

「そして、今までごめんなさい。私、あなたに酷いことをしていたわ。でも、それも終わり」

 

「お母さん……っ!」

 

 語彙をなくして、彼女は立ち尽くしていた。

 もうすぐで、望んだものが得られるのかもしれないのだ。どれだけ、彼女がこの結果を望んでいたのだろう。〝家族との平穏な日々〟、それを得るために彼女は持てる手段を全て尽くしていた。誰よりも、切実に頑張っていた。これで、彼女の努力も――( )

 

 

「ええ、だから、私を殺しなさい。ミズナ」

 

 

 ――報われなかった。

 

 

「い、いやよ……。そんなの絶対……」

 

「私、気がついたのよ。生きていても、あなたに酷いことを言って、酷いことをするだけ。だから、あの人のもとに早く行くべきなの。それが、私の幸せ」

 

「や、やだ……。私、しないもん」

 

「今日はあの人の命日でしょう? ああ、あの人が、そこに。私は行かなくちゃいけない。呼んでいるのよ」

 

 恍惚とした表情だった。おそらくは幻覚を見ている。

 

「い、いない! ぜったい、みえない! よんでない……っ!」

 

「聞き分けのない子ねっ! あなたにしてきたこと、こうしなきゃ、どうやってチャラにするの? それが、あなたへの私の精一杯の誕生日プレゼントよ? 私の言うことをききなさい!」

 

 差し出されるのは忍刀。形見の品だろうそれの、刃を自らに、柄を自らの子に向ける。

 

 罪悪感に狂い、贖罪を強いる姿に気後れし、彼女は一歩、足を――( )

 

 

「い、いや……!! なん……で、あっ――( )

 

 

 ――ちゃんと、言うことを聞けますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 踏み出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ちゃんと、言うことをきけますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ザクリと肉を搔き切る音が響いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ちゃんと、言うことをきけますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ギギッと骨を撫でる音が立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ちゃんと、言うことをきけますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 グシャと臓物の混ざる音がする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ちゃんと、言うことをきけますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ピチャピチャと血の跳ねる音が続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ちゃんと、言うことをきけますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ちゃんと、言うことをきけますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ちゃんと、言うことをきけますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、ちゃんと言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、ちゃんと、ちゃんと、ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、ちゃんと言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、ちゃんと、ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、ちゃんと言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、ちゃんと言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。ちゃんと、言うことをきけますように。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 〝ちゃんと、言うことをきけますように〟と彼女が心に刻んだそれは、呪いだった。

 

 まず、写輪眼で幻術にかけ、動きを封じる。

 〝ちゃんと、言うことをきけますように〟と呟きながら、涙を流しながら、彼女は母親に忍刀を突き刺した。突き刺し続けた。

 

 一つ一つの傷は浅かった。

 それは、彼女が母親を殺すまいと呪いに抵抗した結果だった。怨恨などでは決してなかった。

 それでも、ちゃんと言うことをきくために、何度も何度も彼女は忍刀を突き刺していた。

 

 これが、真相だった。

 愛する母親を自らの手で殺し、彼女の『眼』は変化をきたした。血の涙を流し、彼女は『万華鏡写輪眼』を開眼した。

 

「わ、私じゃないから……。私じゃない……」

 

 耐えられなかったのだろう。ああ、そうなのだ。

 

「誰か……。誰か……」

 

 〝仮面〟は虚像。彼女の『万華鏡写輪眼』によって、彼女自身の心を写して、闇を移したスケープゴート。

 有を無に、無を有に。『月読』が自分の精神世界に引きずり込む術であるなら、『夜刀』は自分の精神世界を外に引きずり出す。

 

 そして、彼女は自分の幻術に追い詰められる。

 彼女が求めたのは罰だろうか。それともただの終わりだろうか。

 

 『写輪眼』は、もはや必要なかったのだろう。

 『眼』をもがれて、心に闇を持たない彼女は、純粋な彼女はただ助けを求めた。

 

 彼女が助けを求められるのは、うちはイタチただ一人だった。

 

 

 ***

 

 

 一番大きな存在であった母親を失い、彼女は途方も無い喪失感に打ちひしがれただろう。

 ようやくだった。ようやく彼女は母親から解放されたのだった。

 

 同時に彼女は〝夢〟を、生きる目的を見失ってしまった。

 そんな彼女に、うちはイタチは迫っていた。病院での一幕だ。まるで、今と変わらない自身の説得の仕方に、少し微笑ましく思えてくる。

 

 そうして、彼女は新しい家族を手に入れた。

 ああ、そうなのだ。彼女は、〝うちはイタチが救ってくれた〟と言っていた。

 あの〝仮面〟からという意味で捉えていたが、実際のところは違った。うちはイタチは、彼女の人生の救いだった。

 

 きっと、彼女は思っているのだろう。彼女の人生の追体験を行っている今、彼女と心が繋がっている。だからこそ、わかる。

 幼少の頃から、彼女は――( )なんでもない、うちはイタチとの触れ合いでさえ、彼女にとっては救いだった。

 そして、彼女にとっての憧れであり、ゆいいつ寄りかかれる自分より少し背の高い相手だった。

 

 ようやく、彼女の日々が、人生が始まる。

 近いようで遠い触れ合いに、相手が歩みを進めるたびに感じる無力感。追いすがると心に決める。迷いなく、うちはイタチだけを選んだ。収まるクーデターに、未来への期待。義理の父母の死。罪悪感。慰め。新しい生活。愛する者からの求めに答える。彼女はそれで、ちゃんと幸せだった。

 

 〝仮面〟の活動は彼女の『影分身』を依り代としていた。

 主に〝根〟の手伝いをしていたが、その行動は彼女らしいものだった。

 こうなれば、いくつかあった納得のいかないことも辻褄があう。()()は彼女で戦っていた。それだけの話だった。

 

 流れてしまった時の中で、なぜこうして屈折してしまったのか、ようやく理解できる。

 

 彼女の想いを取り違えていた。大切に思っていたが、それだけだった。

 都合の良い彼女だけを見て、彼女のことを理解しようとはしていなかった。

 

 うちはイタチが思っていた以上に、彼女は――( )

 

 

 


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