転生したら兄が死亡フラグ過ぎてつらい   作:由月

23 / 27
お待たせしました。前回の誤字脱字報告及びコメントありがとうございます。いつもいつもその温かさに支えられています。
さて今回はジェネヴァくん視点です

読む前の注意点
・暴力表現
・色々とギスギスしている。
・多分読んでいて賛否両論ある。
・ジェネヴァくんが結構可哀想。
・多分後で修正いれる

おっけー?
ではどうぞ。


誰かを救いたければ、偽善だと蔑まれても自己満足に嗤え

「ひどい顔ね」

 

 シェリー専用と化している研究室に踏み入れて視線が合っての第一声がコレである。人の顔を見て呆れた、と言わんばかりのため息も一緒だ。相手がシェリーじゃなければこの美少女()フェイスの何処がひどいのかと喧嘩を売ってしまいそうだ。

 

「……久しぶりに会うのに、最初がそれって酷いね」

 

 俺は開けていた部屋の扉を閉めつつ、肩を竦める。先日のライとの任務から二週間が経った。残暑厳しい夏の名残が消え始め、秋の色が深まり街のそこかしこに秋の風物詩が並べられている。食欲の秋、芸術の秋、読書の秋等の謳い文句は商売上手な店頭を見ればいくらでも実感できるだろう。と言っても、この研究施設の無機質な白一色の壁が常のここには季節感もあったものじゃないが。今が昼時を過ぎた昼間の二時ぐらいだから、思考も緩むのか。平穏を象徴するような柔らかな日差しは緊張を緩めるものだから質が悪い。

 

 あの濃い内容だったライとの任務で擦りきれそうな精神を回復するべく、シェリーの顔を見に来たというのがここに来るまでの流れだ。それで開口一番に先の台詞である。俺、地味にショックだ。シェリーさん、この顔が嫌いなんです?

 

「……別に、顔の造形の事を言っているんじゃないわよ。貴方、酷い顔色をしているわ。体調が悪いのなら、大人しくしていることね」

 

 この無表情にもしょんぼりしたオーラでも滲んだのか、シェリーがばつが悪そうな表情でぼそぼそと早口で呟いた。うん?

 

「貴方の仕事は体が資本なんだから、死にたくなければ自分を大事にしなさい。……何よ?そんなに固まって」

「いや、まさか心配してくれるとは思わなくて……」

「ッ!! ……ともだちだもの。しんぱいくらいするわ。――ほら、そこに座りなさい。今コーヒーを淹れるわ」

 

 シェリーの言葉通りに俺は驚きに身体を固まらせた。まさかシェリーにそこまで心配してもらえるとは思っていなかったのだ。今の関係は俺が一方的にシェリーに“友人関係”を押し付けている。そういう感覚でいたから尚更。

 

 だからついぽろりとこの口からこぼれた心配、という言葉にシェリーははく、と真っ赤な顔で無音で口を動かした。それから拙い言い方で、ぼそりと続いた言葉は紛れもないシェリーの本物の心で。照れ隠しでそっぽを向かれた背中がどうしようもなく眩しく見える。はー、と意味もなく盛大に息を吐きたくなる。なんだこの感情。これが噂の尊みという奴なのか。胸が苦しくて、この鉄仮面もつられて赤くなりそうだ。

 

 と、そこで俺は左手にぶら下げていた手土産の存在を思い出した。そうだった。この前のラスベガスに行った帰りに買ったお土産だ。お茶うけに、と選んだお菓子数点。直前のライに奢ってもらったアメリカの砂糖菓子で味覚が死んでいたから少し自信がない。あの時の俺はいつも以上に心が死んでた。ライの野郎いつか絶対仕返ししてやる、と内心震えながら誓っている。ちょっとしたトラウマだあれは。

 

 シェリーに言われるままにいつものように椅子に座ると、紙袋からお菓子を出してみる。こうしてみるとちょっと選ぶのが多かったかもしれない。クッキーにチョコレート、マシュマロに飴細工。彩り豊かなそれらを並べれば殺風景な机の上があっという間にファンシーさを増した。ふむ。

 

「ちょっと。――いくら女の子が甘いお菓子が好きって言っても限度があるわよ。それに、私そんなにお菓子は食べない事にしているの」

 

 そう言いながら、苦い顔でコーヒーを差し出すシェリーに俺は頷く。ですよねー。

 

「これ、お土産なんだけど、確かに多かったね。ごめん、シェリー。――お姉さんと半分こしておいてよ」

「お姉ちゃんと?」

「うん」

 

 俺の提案にシェリーは首を傾げた。それに肯定すれば、納得したように相槌を打たれる。

 

「そうね。その方が利口だわ。――貴方、自分の分はあるの?」

「…………おれはしばらくあまいものはいいかな」

「何があったのよ……」

 

 シェリーの素朴な疑問に俺は遠い目で答える。そんな俺にシェリーはいっそう呆れるように呟く。それに目を逸らした。言えない、アメリカ本場の蛍光色かつカラフルなお菓子の威力が凄くて、とは。レインボーカラーはあかんやろ、と回想でさえ白目をむきそうだ。

 

 話題、話題を変えよう。そう考えを切り替えて、いつもの質問をすることにした。

 

「それでアンタの方は変わりない?困ったこととか、さ」

「ないわよ。――そんなにトラブルに巻き込まれないから安心しなさいな」

「……そう?」

 

 シェリーは涼しい顔でお土産のクッキー缶を開ける。花の形をした缶は見た目が可愛らしいから選んだ奴だ。あの時は味覚と心が死んでいたから全部見た目と勘で選んだんだよな。

 

 シェリーの簡単な答えに俺は首を傾げた。そうでもないと思うんだよな。俺、この施設に忍び込むように通っているから、偶に遭遇する。シェリーが悪漢に絡まれている所に。悪漢というか、俺と同じ実行部隊の組織の男なんだけど。まあ空気が凍るよね。ロリコン(クソ野郎)死すべし慈悲はない。まだシェリーさん十五歳(多分)なんですよ?……ダメだ、美少女な上に憂いを含んだ雰囲気が美人さに磨きをかけてるわ。成程、モテるのは納得だな。

 

「そうよ。それに、なんだかんだお節介な誰かさんが守ってくれているから大丈夫よ」

「ふーん?」

 

 涼しい顔でクッキーを摘まむシェリーのいう“お節介な誰かさん”って明らかに俺の事ですよね? ……頼られているのは嬉しいけれど、その分心配だ。シェリーは俺みたいに実力行使で拒めないから。俺も組織の中では細い方だけど、シェリーはその上を行く。全体的な細さは変わらないかもしれないけど、これは男女の骨格の差なのだろうか。

 

 決めた。俺の噂がいくら物騒になろうとも構うものか。これからはもっと実力行使をしてシェリーを守ろう。せめて、この組織に彼女がいる間は。シェリーの監視役という大義名分もあるからな。

 

「じゃあ、アンタの期待に応えてもっと頑張るよ」

「……ちょっと!――冗談よ。危ない事はやめてちょうだい」

「なんのことかな?」

 

 内心の誓いを上辺の冗談にして呟けば、シェリーの鋭いジト目がこちらを睨む。まったく、こういう時の勘は鋭いんだから少女とはいえ女は恐ろしい。

 

 シェリーのジト目を受け流して首を傾げれば、大きいため息が返ってきた。

 

「ばか。……何処に友達の危機を望む女がいるのよ。こちらの事も考えて欲しいものだわ」

 

 シェリーは困ったように、目を伏せた。

 

 そんな優しいシェリーだからだよ。なんて口が裂けても言えないな。シェリーを守ろうとするのは俺の勝手な理由故だし。そもそも、この友情だって俺の自分勝手さ故だ。シェリーが胸を痛める価値もない、そんな自分勝手さだ。

 

 俺は知っている。シェリーの優しいところも、冷たく見えて家族思いの温かさがあるって事も、友達を大切に出来る優しい女の子である事も。原作という紙の上の出来事で、事前に。だから、これは自分勝手な事情だ。

 

 

 

※※

 

 

 

 

 上辺だけの平穏が上滑りするような日常がここ数週間過ぎている。なんか、組織の中の空気がピリピリと殺気を帯びているような気がするのだ。もう季節が秋の終わりに近い。後一か月もすれば冬になるだろう。街の街路樹だって紅葉の鮮やかさは散り、寒々しい木肌が晒されている。まあ今の時間は夜だから街路樹もなにもないんだけど。この都会では星空が綺麗に見えるとかもない。

 

「どうした?ジェネヴァ」

「……スコッチ」

 

 今日の任務は珍しくスコッチと二人であたった。内容は法に触れる物品の運搬で組織の仕事では簡単な方だ。そんな仕事を終え、ぼんやりと夜空を見上げていたからだろう。スコッチが不思議そうに問いかけてくる。

 ここは東都から少し離れた寂れた町の港の倉庫だ。連なるように立ててある倉庫の一つが組織の持ち物で偶にこういう運搬の取引とかに使われる。ちらほらと立ててある街灯では全てを照らし切れず、俺とスコッチは暗闇の中立っていた。俺は夜目が利く方だからこの暗闇の中でも特に困ることはない。

 

「なんだ、仕事で疲れたか? まあ、子どもはもう寝る時間だしなぁ」

「……子どもは寝る時間って。まだ十時でしょ。それに、子ども扱いしないで」

 

 地味に続いていた奇妙なランチタイムのおかげでスコッチとは結構気楽に話せるようになった。本当はいけないのだろうけど、制限時間が来るまではいいんじゃないかと甘える事にした。

 

「で、どうしたよ?悩みがあるなら聞くぜ?――何、お兄さんからのささやかなお節介だ」

「自分から“お兄さん”呼びは胡散臭いよ、スコッチ。ま、大したことないよ」

「はは、胡散臭いは酷いな」

 

 スコッチの親切に俺は軽く茶化す。それに笑みを返すスコッチは大人だ。ライやジンの兄貴も見習ってほしいくらいだ。

 

 スコッチの気安さに少しばかり口が緩んだ。

 

「……些細な悩みだよ。答えの決まり切っている、そんなどうしようもない悩みさ」

 

 悩みがあるのは本当だ。シェリーに関する悩みだ。シェリーの真っすぐな、柔らかな信頼を貰う度に嬉しさと後ろめたさがある。今だけは、と前置きをしておかないとこの手にあるこの友情すら手放してしまいそうになる程だ。……この前実感してしまったからだろうか。

 

「…………なんか、感慨深いものがあるなぁ。そっか、おまえがね。――まあ人生の先輩としては、さ。そんな悩みでも悩む事に意味があるんだぜ?その“決まり切っている答え”だって悩んでいる内に変わっている事だってあるもんだ」

 

 俺の曖昧な言葉にふむふむ、と頷いたスコッチはしみじみと呟いた。そして打って変わって真剣に、真摯な答えをくれた。なによりその言葉には実感の伴う重みがあった。こんな年下の曖昧な悩みにも真剣に答えてくれるスコッチは間違いなくいい奴だ。……間違いようもない、表側の人間だ。

 

「――ありがとう。そうだな、まだ答えは先でいいかな」

「ああ。精一杯悩んだ方がいい。あがける内はそうした方が賢明だ。案外、思いもよらない所から幸運が降ってくることもあるしな!」

 

 ニカッと太陽のように笑って締めくくったスコッチに俺は冷めた一瞥をおくる。

 

「……なにその果報は寝て待て、ぐらいの幸運待ち。ダメでしょ」

「えー?意外と真面目だねぇ。ま、それはそれとして、帰ろうや。俺もうくたくただよ」

 

 俺のダメ出しに大げさに肩を竦めたスコッチは倉庫の傍に駐車している車の方に歩き出す。コミカルなくらいの軽い嘆きに俺も頷いた。

 

「スコッチは少し緩すぎなんだよ。――帰るのは賛成、俺もお腹すいたし」

「お!じゃあ、俺が奢ってやろうか?つーか、一人で食べる飯程まずいものはないし、一緒に食おうぜ?」

「……俺とご飯なんて食べて何が楽しいんだか」

 

 俺のボヤキに嬉し気な声でスコッチは誘ってくる。俺の心からの疑問にスコッチはからからと笑った。

 

「楽しいさ。――というか、まずい飯じゃなければ上等なのさ」

「よく分からないな、その理論」

「よく言われる」

 

 スコッチの自己理論に俺は首を傾げた。スコッチは軽い笑みでそんなこちらの様子に頷いた。

 

 つらつらと話していたらいつの間にか車の前だ。黒の国産車はスコッチなりの配慮なのかもしれない。というか、ドイツの雨蛙を乗り回す兄貴達が可笑しいのか。

 

 スコッチの運転する車の助手席に乗り込む。シートベルトを締めた後にふと、脳裏に疑問が浮かんだ。

 

「なぁ、スコッチ」

「なんだ?」

「最近、組織の空気が慌ただしいんだけど、何か知らない?」

 

 それは軽い気持ちだった。明日の天気を確かめるぐらいの気楽さと言っていい。

 

「……さて、ね。どうだろうな」

 

 だから不意に聞こえたスコッチの硬い声に反応出来なかった。地雷を踏んだか、と焦って視線を向けた時にはもう普段通りのスコッチの姿だった。気安く、にこやかな、陽気な男。お手本のような明るさだった。

 

 

 

 

 

※※

 

 

 

 先のスコッチの一件から数日後の事だった。夜の任務帰りの帰り道、組織の施設に忘れ物を思い出した。その施設への近道をゆっくり歩いていた時にスコッチの姿を見かけた。というか、鉢合わせしてしまった。

 

「あ」

 

 間抜けにも思える声を出したのはどちらだったのか。ピタリと動きを止めた俺とスコッチの動きが再び動き出したのはスコッチの背後から聞こえてくる追跡者の慌ただしい足音だ。

 

 その距離予測、百、七十、五十――。

 

 バタバタと近づく足音で予測を立ててもなお、スコッチは動かぬままだ。ここは細いビルとビルの狭間にある道で横道なんてない。前に俺がいるし、後ろからは追手だ。前門の虎後門の狼、という絶体絶命の状況なんだろう。……追われているその事情はまるっきり分からないけど。うーん、仕方ないか。

 

「こっちに」

「は?」

 

 俺は半ば強引にスコッチの腕を掴んで走り出す。コイツ信じられない、みたいなスコッチの視線を背後にビシバシ感じたけど構っていられなかった。

 

 東都のこの組織の施設の近くはもう俺の庭みたいなものだ。ちょっとした近道から、人の通らぬビルの狭間を使った裏道まで網羅してある。今回はスコッチの腕を引いているから人目のつかない近道を通り、廃ビルの屋上まで逃げてきた。俺の後ろでは全速力で走らされ、息を切らすスコッチの姿がある。まあ、ジェネヴァ君めっちゃ足早いから仕方ないね。

 

 ここなら少しは話す時間も稼げるだろう。

 

「……スコッチ。アンタ、なんかしくじったの?」

 

 俺としては軽いジャブのつもりだったけれど、スコッチにとっては違うようだ。その唇が歪に歪む。

 

「……ははっ。しくじる、しくじる……ね。まあ、近いか」

 

 スコッチらしくない、渇ききったその歪な笑みに俺は嫌な予感が募る。え?まさか、あの日じゃないですよね?

 

「?……アンタの事情は聞かないでおくよ。――聞くとアンタを助けられなそうだからね」

「助ける、だって……?」

 

 俺の親切にスコッチの目が見開かれる。そうしてみると猫目に見えるのが少し可笑しく思える。俺自身、自棄になっているともいう。

 

「そう。なんだかんだ、アンタいい奴だからね。ここで見捨てると後味が悪すぎて眠れなくなりそうだし」

「は?」

「俺、こう見えても仕事以外は穏健派だから。――この手を貸してあげるよ。猫の手よりは役に立つよ」

 

 目を見開いたままのスコッチに俺は手を差し伸べる。正直、コレがライとバーボンの仲を決定的に違えさせた、スコッチのNOCバレの件なのかは分からない。けれど、手助け出来るのであれば、俺に迷う理由はない。多少のリスクよりもスコッチの命の方が重いに決まっているからだ。――一般人だった俺の心に親しくなった知人の死は些か重すぎる。

 

「……その提案に乗るには、少しばかり……否、結構怖いな」

 

 俺の差し伸べた手を見て、スコッチの眉は困ったように下げられる。その声は掠れていて、緊張の度合いの強さを伝えてくる。信用……される筈がない、か。

 

 けれど、ここでそうですかなんて言えるはずがない。この差し伸べた手を退けたくない。

 

「なんで」

「何故?そりゃあ、その提案には一つ欠けているものがあるからさ」

「――かけている?」

 

 俺の硬い声にスコッチはやれやれと諭すように言った。その言葉を反芻すると頷かれる。

 

「そう。この俺を助けたって君になんのメリットもない。これがどれ程異常なことなのか、分かるか?」

 

 そこでスコッチは少し自嘲の笑みを浮かべ、

 

「――どんな裏が隠れているのか、邪推するのも無理もない話だと思わないか?ま、散々味方面していて、どの口が言うのかって君は思うんだろうけどな」

 

 嘲るように言い捨てた。そこには自傷するような、自分の傷を抉る痛々しさが滲んでいる。

 

「……別に俺を信じなくてもいいよ」

 

 ぽつり。咄嗟に喉を飛び出た呟きは、思ったよりも鋭くなってしまった。

 

「ッ」

「アンタは俺を利用すればいい。俺は俺なりのメリットがあっての行動だし、それをアンタに説明してやる時間も義理もない。だから、俺は勝手にアンタを助ける。ただ、それだけの話だろ」

 

 はく、と言葉が出ないスコッチに畳みかけるように持論を展開させる。要は、悪党特有のポリシーって奴だから気にするなという事が言いたかった。

 

「――ッ!! そ、れは。……君は自分が何を言っているのか分かっているのか!?」

 

 それは咄嗟の怒りに違いなかった。スコッチがギリッと奥歯を噛み締めてから吠えるような声で詰る。それは他ならぬ俺を心配している言葉だろう。リスクが高すぎる、なんてお優しすぎて泣けてくる。

 けれど。

 

「分かっているさ。……俺は悪党だ。――悪党の利点を一つ教えてやろうか」

 

 スコッチは少し俺を勘違いをしている。だから、それを正そう。

 

「悪党っていうのは、自分で命の価値を決める。だから、命の賭けどころは間違えやしないのさ」

 

 まあ、間違えた奴はもれなくあの世逝きだからいないだけ、ともいう。それをスコッチに言ってやる義理はないから言葉を言い切った。ここで死にはしない、と伝わればいいが。

 

「――ッ、君は」

「!! 待って」

 

 スコッチの口が何事かを紡ぐ前に俺の耳は微かな音を拾う。それは、さながら死神の足音であり、招かれざる客の訪問を告げる鐘の音に違いなかった。

 

 スコッチの言葉を遮り、背後にある屋上の扉を振り返る。――勢いよく振り返った俺の尋常じゃない様子にスコッチも口を(つぐ)んだ。

 

 ギィと錆びついた扉が軋んで開かれる。黒い靴、ズボン、コート。どれもが漆黒のソレに俺の警戒レベルが跳ね上がる。この不審者スタイルに心当たりが二人程いるからだ。どっちも今の俺らには死亡フラグだが、やべー奴と超やべー奴の二択だったら前者の方がまだマシだろう。どの人間に聞いてもその答えの筈だ。

 

 月明かりに照らされたのは黒のニット帽に長い黒い髪。やべー奴の方だったか、なんて俺は場違いにも安堵した。ジンの兄貴が超やべー奴に決まっている。拳銃は躊躇いないわ、挙句の果てに軍用ヘリすらも引っ張り出してくるんだぞ。怖い。

 

 スコッチを背後に庇う俺を見て、黒髪の男――ライの眉が不機嫌そうに跳ねる。

 

「……やれやれ。まさかお前が出てくるとは、な。――獲物を横取りする為に目を光らせていた訳か」

 

 その片手には拳銃が握られており、その銃口はヒタリと俺に向けられている。……一応、銃弾を防ぐ為に袖口に忍ばせている暗器を掌に落とす。相手に気取られないように、自然な動きに紛らわせて。

 

「よこどり?」

「そうだ。元々、その男に用があってな。お前に邪魔されるとは思わなかったが」

 

 ライは常と変わらぬ様子だ。だが、それは目で見える表面だけの話だ。こちらまでピリピリと伝わる緊張感は殺気と同様の鋭さに感じる。……ここで引くわけにはいかない、か。

 

 ちらり、とスコッチに視線を向ければその顔色は青ざめている。だが、その瞳には決意を秘めている強さがあった。……まるで、死地に赴く兵士の顔だ。

 

「……スコッチの方はアンタに用はないみたいだけど」

「つまりはそこを退く気はない、という訳か」

 

 ライの最低限の確認に頷く。鋭い視線を受けても逸らさずに見つめ返す。視線を逸らしたが最後、俺は銃弾に撃たれ身動きを封じられる。最悪死も覚悟しなくてはならない。

 

「そうなるね」

「これが組織の任務だとしてもか?」

「くどい。――今、ここにいる俺は“ジェネヴァ”としてじゃない。俺個人としてここにいる。これがどういう意味を持つか、分からない程愚鈍な訳じゃないでしょ?」

「ホォー?」

 

 ピリピリと肌で感じる圧が強くなる。それはもはや緊張感ではない。こういう闇に身を浸していなければ滅多にお目にかかることはないだろう、本物の殺気だ。すなわち、今明確にライは敵になった。俺がスコッチを庇う事がそこまで致命的であるらしい。ま、当然か。

 

「アンタは犯罪者(おれら)の流儀は知っているだろ?――来いよ、ライ。アンタがスコッチをどうこうするって言うのなら、先ずは俺をどうにかしてからにしな」

「先日のように無様な様を見せたいのか?……あの時本気ではなかったのはお互い様だ。俺の本気をあの程度と思われると困る」

「ふーん?」

 

 殺気立つ俺とライにスコッチは口をはくはくと開閉を繰り返す。言葉も出ない、という状態はこういう事を言うらしい。

 

「ジェネヴァ。――やめろ。俺の為にそんな事をする必要はない。今からでも手を引け」

「……アンタ、前俺にこう言ったよな?」

「は?今はそんな事言っている場合じゃ――」

 

 尚も言い募るスコッチに俺はその言葉を遮るように口を開く。

 

「“人生後悔出来るうちが花”だって。ここで俺が引いたらアンタがそれを実行出来ないかもしれないじゃないか。――言い逃げなんて、出来ると思うなよ?」

「ッ!?」

 

 スコッチの顔は見れないから表情は分からないが、それでも息を呑む音は聞こえた。震える吐息は驚愕を伝えてくる。

 

「……お涙頂戴の人情劇か。虚構のような滑稽さで泣けてくるな」

「――露ほども思っていない癖に」

 

 淡々とライが棒読みで形だけの同情をしてくる。というか、棒読みもさることながら言っている内容も軽く失礼だ。煽るのもいい加減にしろよ?

 

 ここでライが拳銃を撃ってくる可能性は低い、と踏んでいい。サイレンサーもついていない拳銃の銃声はここに野暮な外野を呼ぶに等しい。そしてこの猫の額ぐらいの手狭な屋上に余計な手駒を増やしても邪魔なだけだ。……銃を撃つなら余程の危機がないとない、だろう。多分。

 

 案の定、ライはその拳でもってこちらに殴りかかってきた。咄嗟に掌で弾く。横からの力を加えることでその軌道を逸らした。というか、本当に手加減してないって冗談はよしてくれ。

 

 拳を避けられたのはライの想定内らしい、拳銃を握っている方の手で銃の持ち手の角を使って流れるように殴打してくる。俺の蟀谷(こめかみ)にぶち当たる前に何とか片手で受け止める。が、そこは大人の、それも相当鍛えている力。咄嗟の苦し紛れの防戦は威力を多少は殺しはしても完封はならず。

 

「ッ!」

 

 ガッと鋭い衝撃が俺の脳を揺らした。衝撃でぶれる視界にヤバい、と焦る。

 

「ジェネヴァッ!?」

 

 スコッチの焦った声に飛びそうな意識をなんとか繋ぎとめる。ここで意識をなくしたら冗談抜きで死ぬ……!ギリッ、と気合で軋む奥歯で現実感を手繰り寄せる。

 

 だが、それでも体勢を崩し、足元がふらつく俺は無力だ。

 

「ぁぐッ!? 」

 

 俺の首がライの片手に掴まれ、身体が浮き上がる。ライの大きな手で俺の細い首を掴むのは造作もない。ぎり、と掴まれた手に籠る力に生命の危機を感じる。が、その表層の焦りよりも奥底が囁く。反射でライの手を引き離そうと抗う手の力がこもった。

 

 ――これは頸動脈を押さえる力が強い。すなわち意識を落す方に比重を置いたものである、と。

 

「ッ!? 」

 

 僅か一秒にも満たない刹那。そこまでの思考は脳に飲み込まれる前に、本能に行き着く。どうすればいいのか、生き残れるのかが、鮮明に身体に伝わってくる。迷いは、ない。俺はライの手に縋っていた手の力を一気に抜いた。

 

 がくり、と俺の手と身体は力なく垂れさがるのみになる。

 

「悪いな。――こちらもあのジンに言われては、退けなくてね」

「やめろッ!! その手を離せ!」

 

 意識が落ちる、その寸前。俺を持ち上げるライの腕にスコッチが飛び掛かる。

 

「邪魔をするな」

「くっ」

 

 俺の安否を気にして中途半端な力しか使えないスコッチと手加減なんて欠片もしていないライの力量差は残酷なまでに圧倒的だ。ライがスコッチを反対の手で簡単に打ち払う。体勢を崩し、スコッチは力なく尻もちをついた。

「ッ!」

 

 だが、それでも。ライはらしくもなく、体勢を僅かに崩す。俺を掴む手の力は緩まないのは流石だが、俺はもう既に行動に移していた。

 

 というか、この死亡フラグも結局は兄貴によるものかよ……!! と腹が立って仕方ない感情も込めて、ライの脇腹に鋭い蹴りをお見舞いしてやる。リミッターが外れかかっていたその蹴りはライの身体を壁に叩きつける程の威力だった。酸素が足りないから威力がいつもの半減だが。

 

「ぐッ!?」

 

 俺の方も受け身は取れず、べしゃりとコンクリートの床にうつぶせに倒れる。げほげほと咽せ、空気を精一杯吸い込む。……まじで死ぬかと思った!と若干涙目だ。

 

「ジェネヴァ、大丈夫か?」

「げほ、ん。へいき。――さ、これで形勢逆転だ。大人しく、したがってもらおうか。ライ」

 

 スコッチが心配するようにこの背を擦ってくれる。それに俺は頷き呼吸を落ち着けて、地面に転がるライの拳銃を拾った。そしてなんとか立ち上がり、ライに拳銃の銃口を突きつける。撃つ気は欠片もないけど。

 

「くッ……!」

 

 憎々し気に睨み上げてくるライはまさしく手負いの獣の気迫だ。近づいたら殺されそうである。なんでこんなに殺意が高いかね。無茶なことは言わないんだが。

 

 とそこでカンカン、とここに駆け上がってくる足音が聞こえてくる。勿論、俺だけじゃなく、スコッチやライにもばっちり聞こえるくらいに焦った音だ。

 

「!」

 

 三者三様に緊張が走る。スコッチは絶望を滲ませ、ライは逆転を狙う闘志を秘めさせている。俺はと言えば、この後に来る人物に心当たりがあった。まだ気が抜けないとか勘弁してもらいたい。

 

「……役者はもう一人、か」

 

 俺はぼそっと誰にも聞こえないくらいにぼやく。手に隠し持った暗器を、扉が開け放たれるタイミングと同時に撃ち放つ。ここまであからさまの足音だとタイミングを計るのなんて朝飯前だ。

 

「……ッ、スコッチ!――って、危なッ」

 

 扉を吹き飛ばす勢いで開け放ったのはバーボンだ。らしくもなく息を切らして、焦っている様子だ。まあその顔すれすれに俺の放った暗器が飛んだから驚いたようだが。

 

「アンタにも手を貸してもらうよ」

「は?ジェネヴァ!? それにスコッチとライも。一体、これは……」

 

 あまりに混沌とした状況に流石のバーボンも一目で状況把握とはいかないようだ。そろそろ、俺の目的を話しておかないとまずいか。主にライの視線の殺気が鋭すぎて、気温の低さとは別の寒気が先ほどから襲ってきている。

 

「……俺の目的はただ一つ。ここにいるスコッチを助けることさ」

「――何を企んでいる。いえ、企むのはいいですが、その口からジンの耳に伝わらないなんて、信じられると思っているのですか?」

 

 バーボンは俺の言葉を聞くなり、鋭く睨んできた。冷たい眼差しで正論を告げてくる。結構ぐさっとくる。そんなに悪党の親切が信じられないか?否、信じられないか。そりゃそうか。世知辛い。

 

「思っていないから、こうして実力行使した訳だけど……」

「まさか。そこのライもそうやって……?」

「そうだと言ったら?」

 

 俺の言葉にバーボンは壁を背に座り込むライのその理由に思い至ったらしい。まあ、大体はあっているし、と頷けば信じられないと言わんばかりの顔になった。というか、理解不能、とそのイケメンな顔に書いてある。失礼すぎる。

 

「…………僕は君のそのスコッチを助ける動機が理解できない。君にとって彼は別段、大切な身内でも、恩人でも、ましてや友人という訳でもないだろう。命懸けで助けるには些か重みにかける、そんな関係性でしかない筈だ。なのに、君はメリットすらないそんな慈善行為を破綻するリスクを重ねてやり遂げるという。……君には申し訳ないが、君のそんな理由のない親切が恐ろしく思えてしまうのです」

 

 沈痛の面持ちで、懺悔するようにバーボンは言い募った。ええ?俺未遂とはいえ、アンタに凶器を投げつけたんだぜ?当たらない自信はあったからの行動だったけど、それでも、そんな謝られる覚えはないんだけど。ライとバーボンの反応を足して二で割ったら丁度いいのかもしれないな、と少し思う。両極端だ。

 

「……俺が何をやろうと、どうしようとも、アンタを安心させる確たる証明をするのは無理だと思う。だから、アンタらは腹を括れ。覚悟を決めな。――俺の掌で踊らされるのを利用する勢いでこの手をとれ。……バーボン、アンタは友を助けたいんだろ?」

「!!」

 

 バーボンを焚きつけるように俺は手を差し伸べた。バーボンの目が見開かれる。

 

「俺らは、この場のみの共犯者だ。……ここには組織の幹部四人もいるんだぜ?怖いものなしだろ?」

 

 俺が軽口を叩けば、バーボンの強張った口元が緩んだ。

 

「……背後からのフレンドリーファイア(味方討ち)が怖いですね」

「それは言わない約束だろ。――スコッチとライもそれでいいだろ?」

「はぁ……。もうお前、滅茶苦茶すぎるだろう。でも、ま。ありがとな、ジェネヴァ」

 

 バーボンの的確な言葉に俺は呆れたため息を吐く。スコッチとライに今更ながら、確認をとれば、スコッチは項垂れてしまった。が、切り替えが早いスコッチは次の瞬間には太陽のような笑みを携えて俺に感謝を伝える。

 

「……ライ?」

 

 反応の返ってこないライにもう一度呼びかければ、ジト目で睨まれてしまった。

 

「……仕方ない。今回だけだ」

「充分だよ」

 

 ライの渋々とした承諾に頷けば、心底複雑そうな顔をされた。

 

「君は長生き出来そうにないな」

「ライにだけは言われたくないんだけど」

 

 ぼそっと言われた不吉な予告に俺は本音を返す。俺の言葉にライの視線がこの首に向けられる。もしや手形が残ってしまったのか。

 

「……悪かったな。それ」

「俺もアンタの脇腹を思いっきり蹴っちゃったから。お互いさまじゃない?」

「そうか」

ライのぶっきらぼうな謝罪に俺は頭を横にふる。こういうのは、喧嘩両成敗で謝る必要がないものだ。両者ともに命の危機を承知で戦うのも、この業界ではままあることだからだ。いちいち気にしていたらそれこそ身がもたない。

 

「ジェネヴァ、ライ。作戦会議しますよ」

「ん」

「ああ」

 

 

 

 




補足事項
ライさんによるvsジェネヴァくんについて:
前回でライさんはジェネヴァくんの戦闘力を大体把握というか、痛感してしまいました。それ故に、容赦はない。でも一応、頸動脈を締めて意識を昏倒させる→FB Iにて保護→徐々に組織の洗脳()を解こうというつもりだったんですよ。ブッコロ☆と殺意フルバースト状態だった訳じゃないです。
追記:読者様に言われたのでちょっと考えてみました。
もしもこのFBI保護ルートが成立したならば(IF)
ジェネヴァくん単体だったら生存率が高いルートでもある。でも兄貴にジェネヴァくんの所在がばれたらヤバい(やばい)。後、組織に残してしまった宮野姉妹の安否が心配しすぎてジェネヴァくんの精神がすり減る。FBIメンバーズとは少しずつ仲良くはなれると思う(赤井さん以外)
赤井さんとの仲はジェネヴァくんからの歩み寄りがないと無理ゲーになりそう。少なくてもジェネヴァくんの赤井さんに対する好感度は限りなく低くなりそう。それが八つ当たりだとしても割り切れない。ある意味年相応の感情を得る。赤井さんの性格的にジェネヴァくんの心情に気づいて謝る真似はしなそう……。それが出来たら原作で降谷さんとの仲もここまでこじれないだろうし……。
ジンニキの反応は二パターン。
1:ジェネヴァくんを身内として大切なことを自覚した場合…… 大荒れ。ジェネヴァくんの安否を柄にもなく気にしている。アイツは簡単に死ぬような奴じゃねえ、って強がる。――で、保護されて、原作軸まで年数が経って、再開するとジンニキにキャラ崩壊が起きる。

 銀色の髪に深緑の瞳。すらりと伸びた体躯は細いが、それでもその足運びをみれば同業者ならば只者でないと気づく筈だ。
 ――ジェネヴァ。かつて、ジンの弟で、全てを切り裂く刃として研ぎ澄ましていた少年がそこにいた。

 見つけた。まず思ったのはそんな陳腐な言葉だ。ついで、手を伸ばそうと伸ばした己の腕の微かな震えに舌打ちする。

「兄貴?」
 車の運転席に座っていたウォッカの心配する声がジンを現実へと引き戻した。
「――ッ、なんでもねぇ。車を出せウォッカ」
 あっという間に人混みに紛れてしまった銀色にジンは眉を顰める。まだ、手を伸ばす時期じゃない。何故なら、ここにジェネヴァを取り戻したとてその命を生かす妙策なんぞジンの頭に浮かんでいないからだ。
 およそ三年前。ジェネヴァは忽然とその姿を消した。三年。短いようで長い期間。組織の幹部がその責務をさぼっていて、その責を償わないなんて生温い話が通る程、組織は優しい場所ではない。ジェネヴァの上司がジンだけなら、まだ許してあげられただろう。だが、その上にはラムやあの方がいる。彼らは、決して許しはしないだろう。よくて、実験施設への検体になるか、最悪海の藻屑として消えるか。どちらにしてもロクな事にならない。
 ならば。それならば。ジェネヴァを損なわない方法が何かないものか。今更あの方を裏切り、組織を潰しても、過去の所業があの子を苛むだろう。この手に囲い、今更普通の子どものように愛情を与えても恐らく破綻する。表側の者共が許しはしないだろう。
 ――結局は見て見ぬふりをして、あの子どもの平穏をクソったれな神にでも祈るしかないのか。
 ジンは未だ衝撃に震える掌をきつく、きつく握りしめた。すべては、あの時に歯車は狂ってしまったのだ。あの子はもう、この地獄に戻ってはくれないだろう。
 っていう感じで一度は見逃すけれど、劇場版並みの事件でばったりジェネヴァ君と会って、呆気にとられるジンニキの手を無理やりとって、ちょっと手を貸せやって言い切れるジェネヴァ君。その時に、ジェネヴァ君の震える手に気づいたジンニキが初めて庇護欲、というかジェネヴァ君のモンペになるよ!ちなみにジェネヴァくんを攫ったFBIというか赤井さんを絶対ジンニキは許しません。何なら、出会ったら両者ともに銃撃戦になる(過激派)

2:ジェネヴァくんを身内として大切なのに、自覚はない場合。
見つけたら、即ブッコロ☆ って感じで拳銃片手に追ってくる。極端すぎる。組織を裏切った裏切者、という認識なので今までの甘やかしから急ハンドルを切っていつもよりも過激な行動をとる。絶対にお前を生かさない。
それでもって、ジェネヴァくんを死なせてしまってから、やっと自覚するパターン。最期の言葉が小さい小さい声で「にいさん……」ってなると更に絶望感が凄い。死なせてしまった事実に心が悲鳴をあげ、絶望と自己嫌悪で、赤井さんに対する憎悪が原作の三倍ぐらいになる(八つ当たりまたは現実逃避ともいう)。それでもって、原作最終話ぐらいに、死にそうになって、やっとこれでアイツの元に逝ける。不甲斐ない、兄だったな、くらいの独白はしそう。それでもってあの世でジェネヴァ君に腹パン一発ぐらいはくらうといいよ。素直にくらって痛みに悶絶して、溢れ出る涙を苦痛のせいにして。よかった、なんていう資格もないけれど、思わずそうこぼしてしまうジンニキに、すんごい複雑なジェネヴァくん。調子狂うから、さっさと立てや、なんて塩対応で足蹴にするジェネヴァくんにジンニキは喉で笑う。ドМか?なんて言われても、ジェネヴァくんの元気な姿にジンニキは救われているからダメージゼロ。
とここまで考えて収集がつかなくてやめておきます。どっちにしろ、ジンニキ凄いキャラ崩壊ですね、コレ。別にジンニキはジェネヴァ君にBとLな感情を抱いているわけではなく、“ただ一人しかいない身内”なのでこのデレ。過去の自分の行いもあんまりなものだから過保護になった。
 


Q:何故公安潜入コンビにこうもジェネヴァくんが警戒されているのか?
A: 親切すぎて逆に怖い。え?塩対応のジェネヴァくんはどこ??というか、背後にジンの影がある時点で彼らからのこういう信頼はゼロ。組織の敵にならなければ、仲良く出来そうな子どもという認識だったから。つまり、大体ジンニキのせいともいう。

次はこの話の舞台裏とかをやって、兄貴の小話もあげたいと思います。ではでは

次に更新する内容は?

  • 大人しくコナン更新しとけ
  • そろそろFGOの方を思い出せ
  • いや新連載も乙なもんですよ(犬夜叉)
  • 短編も捨てがたいよね!(鬼滅の刃)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。