pixivでものんびり更新しますが、こちらに投稿した方があってる気がして投稿を決意しました。
本編前…どころか、アリエッタの生まれた頃から始まります。
タグにもあるとおり作者はゲーム未プレイですが、小説版・プレイ動画・原作沿い二次小説・資料集は読み込んでる不思議なことになってます。
パーティメンバーが好きになれなくて、どうしてもプレイできなかった……!!←
そんな作者の作る話なのでおかしい所などあると思いますが、気長にお付き合い下さい。
1話 幸せな日々
──ある、ひとつの島での出来事。
島とはいえ、いくつかの街を、村を形成する豊かな土地。
そんな街や村から離れ、木々に囲まれた場所にある小さな家の海を臨む庭に、ひとつの家族が暖かでゆったり進む午後のひとときを過ごしていた。
桃色の髪の女性と金髪の男性が寄り添い、女性は布に包まれた何かを愛おしげに抱きしめている。
「……うー?」
「…あーぅ、きゃぁ」
静かな空間に響く、赤子の声。
母親と思しき女性の腕の中には、布にくるまれた桃色が二つ、見え隠れしていた。
何を言っているのか全くわからない声を出しながらきゃっきゃと笑う赤子2人に、夫婦にも自然と笑みが浮かぶ。
「今日もいい天気。事件も何もないし、ユリア様に感謝しないと」
「
『
それは、この世界では絶対視されている……未来を綴った必ず当たる占いのようなもの。
それを信じていれば、信じてその通りに行動していれば、幸せに生きられるのだと誰もが信じている。
もちろんこの夫婦も例外ではなかった。
「──あら、2人とも寝ちゃったのかしら?」
「たくさん寝て、大きくなれよ」
「ゆっくりおやすみ、…………アリエッタ。シャルロッタ。」
幸せそうな夫婦。
安らかに眠る双子。
それは、平和な時が終わるまでの穏やかな時間だった。
───ND2002、ホド島が崩落───
───ホド諸島が一つ、フェレス島がその余波による津波により、海へと沈む───
───生存者は、……絶望的───
『──────!』
………な、はずだった。
◇
森には多くの魔物が存在する。
弱いものから凶暴なものまで様々な個体がいるが、その中にクイーンを頂点とし、統率された群れで暮らしているライガという魔物たちがいた。
実質この森を支配しているといってもいいこのライガたちは、他の魔物はもちろん、滅多に現れない人間からも恐れられていた。
そんな群れに、数年前からある変化が起きていた。
『────、──』
「あー…う!」
「がぅっ!」
一番大きな体を持つ、ライガクイーン。
そのライガクイーンへ数頭の幼獣とともになにかが擦り寄り、そして魔物の鳴き声とは違う声が2つ響いていた。
しかし、敵対しているわけでも、怯えている声でもない。
まるで、言葉を交わしているかのようにその場に響いている。
その声の主は…2人の人間の少女たち。
1人はは桃色の髪、もう1人は金髪混じりの桃色の髪をしていた。
そう、彼女たちは生きていた。
フェレス島の唯一の生き残りとして。
あの津波によって、当然姉妹ら家族も飲み込まれたが、奇跡的に幼子2人は浜へ打ち上げられ、偶然ライガクイーンに拾われ、命を繋いだのだ。
姉妹は、姿形は人間であるにもかかわらず、魔物として育っていた。
育てたのがライガクイーンだからということもあるだろうが、生きるためにその環境に適応したからとも言えるだろう。
ある時はライガたちに連れられて狩りに向かい、ある時は幼獣とともに体を休める。
毛繕いや、体を清潔に保つ方法も学んだ。
2人は群れに溶け込み、その群れも彼女達を大切な家族として暮らしていた。
だが、彼女たちの幸せはまたもや崩れようとしていた。
「なあ、俺、やばいもん見ちまった。森の中で、魔物と一緒にいる幼子を…」
「はぁ!?魔物と!?なんで助けてやらなかったんだい!」
「いや、保護しようにも、森の中に入っちまって……流石に武器も何の用意もなしに探すわけにも行かないだろう…」
「……幼子……それは、おもしろい」
今回は、フェレス島~ライガとの暮らしまででした。
もうちょっと長いほうがいいかとも思いましたが、こう、謎を残す終わり方の方がいいのかなと(バレバレだと思いますが)。
下書きを進めているのですが、話が進む事に長くなっていく不思議……読みやすくなるよう、努力します。