アォォォォォン
九日目になりました。
加古が無残な姿で発見されました。
鈴谷「やっぱり、か」
北上「やっぱりって、何が?」
榛名「私、加古に投票変えた理由聞こうとしたんですけど、食べられてしまいました」
清霜「あのね、私ね、ずーっと疑問に思ってたの。何で加賀さんがあの日食べられたのかなーって。私ずっと加賀さんが狼じゃないのかなって思ってたから」
榛名「それはただの意見噛みではないのですか?」
鈴谷「うん。本当に最悪な狼だよ。加賀さんの死体を偽装して、ここまで狂信者と息が合うなんてさ。参ったよほんと」
榛名「狂信者と息が合う?」
北上「だ、だってさ、狂信者の位置が行方不明なんでしょこれ?さっき吊られた熊野でギリギリ生き延びて」
鈴谷「私、新人の頃に加古に言われてたんだよねぇ。あの女には気を付けろーって。だから犠牲者になったんだよ、加古」
清霜「あの女?」
鈴谷「多分、加古は決戦投票のときに気付いたから犠牲者になったんだ」
鈴谷「確かに、私達の視点では、確定的な狂信者位置は見つけられなかった。今回、狂信者は狼が誰かを把握している。けれども狼は狂信者が誰か把握出来ないんだ」
清霜「そうです!それで、狂信者位置はもう分からないって」
鈴谷「冷静になってよ。それって狼にも同じことが言えるんだよ?」
北上「た、確かにそうだけど。それで狼はどうやって」
鈴谷「結論から言うよ。狂信者の仕事は、狐を炙り出して、本物の占い師によって殺すことにあったんだ」
榛名「!?今回の配役は占い欠けでは」
鈴谷「断じてない。それどころか、アンラッキーなことに、2日目には狂信者、もしくは背徳の位置が透けてたんだよ、狼には」
鈴谷「じゃあ、本物の占い師って誰?破綻がギリギリしないものを追って答えてみてよ、北上っち。そうすれば、本当の狂信者と狐が誰か分かるはずだよ」
北上「そ、そんなの、電とラインがギリギリ繋がっていた阿武隈しかいないじゃん。
・・・?!ま、まさか、狂信者って」
鈴谷「そう、そのまさか。狂信者は 提督 だよ」
清霜「そ、それじゃ、あんなに必死に無実を証明しようとしてたのは、背徳者だからではなくて、本当の占い師で、提督が狂信者なのを見抜いたから?!」
鈴谷「そうなのです!その証拠に三日目の阿武隈の占い文。提督のことを自ら人外目に見られてしまいますがって書いてるよ。でも狂信者だとは思わなかったんだろうね。あの時は占い師に狂信者いるって話になってたし。おまけに投票も、阿武隈は提督処刑の日は人狼確定の瑞鳳に入れてるってこと」
清霜「やっぱり、あの時阿武隈さんは」
鈴谷「後悔したろうね。まさか安易な考えで占った場所がたまたま狂信者で、それが狐退治に利用されて終わるなんて」
清霜「な、なら昨日の投票は」
鈴谷「そ。全部茶番。道連れされそうになったところという村要素を逆手に取った、ね」
北上「・・・なら、阿武隈が真だとしたら」
鈴谷「そう、犯人は」
鈴谷「貴方だよ、榛名」
榛名「・・・」
榛名「それだけの理由で私が狼ですか?あはは。何を仰っているんですか」
榛名「第一、それなら狐は何処へ行ったんですか?まさか処刑で死んだ、なんてことはありませんよね?」
鈴谷「加賀さん」
榛名「?」
鈴谷「加賀さんだよ、狐は」
榛名「へぇ?理由を訊いてもいいですか?」
鈴谷「5日目の提督の言葉。覚えてる?」
榛名「いえ?全く」
北上「あたしもそれには覚えないなぁ。第一、加賀さん狐はわかったけど、まだ根拠に弱いなと思ってるし」
清霜「私!ずっと、加賀さん噛まれたのおかしいなって思ってたんだ‼だって、狼だと思ってたら死んだから、狼さんからしたら共有の鈴谷さんとか江風を度外視して噛むほどだったのかなって」
鈴谷「加賀さん視点では提督は背徳に見えていたんだ。これがキーだよ。なんせ提督、狐のような動きをしていたんだから。占われず、釣られずに。まぁそれが却って占い2人から占われる結果になったけどさ。これが占い欠け濃厚になってしまった原因だね」
鈴谷「でもさ、提督5日目は囲いを占わせて、完グレを吊ろうって言ったんだよ」
清霜「?それが何なの?すごく人っぽい意見だよ?」
北上「ち、違う‼あの日は確か、死体はなかった‼あの日狼がグレーを噛む理由も限りなく薄い‼」
鈴谷「そう。提督にはわかったんだ。狐を囲ってしまっていることを。それであの日、少しアグレッシブに動いたんだよ。ただ、その結果、川内に人外が透けてしまった。多分占い欠けに気付いて逃げきろうとする狐に川内には見えてたんだ。そこで、翌日狼が川内を噛んでれば提督は必然的に怪しまれ、これを吊ろうと便乗する狐を炙り出せる。というより、既に提督にもわかってたと思うけどね。でも、川内が猫又で、朝潮が死んだ、まぁ多分川内はその辺りも狙って行動したんだろうけどね。そのせいで瑞鳳は狐主張をせざるをえなくなり、提督は猫又の振りをして狐を炙り出した」
鈴谷「狐を囲ってしまっているとしたら、候補は北上っちと加賀さんの二人なんだ。どっちが狐に対して触れていたか、狂信者に対して接触していたか、一目瞭然しょ?」
鈴谷「で、加賀さんは5日目に、提督が狂信者であることに気付き、翌日、提督が狐として処分されそうな場面に便乗したんだ。これを乗りきらないと勝てないからね。何だって、狂信者にも狼にも自分の居場所が特定されているんだから。攻めないと後がない状況だったんだ。そして止めの投票。提督は加賀さんに入れた。ここでまんまと真占いの阿武隈には透けてしまったんだ。阿武隈視点、球磨、朝潮、瑞鳳、そしてLWの榛名、全てを見つけているんだ。この投票で全てを告発したんだ、阿武隈と狼にね。阿武隈は最後の仕事として、狐呪殺がまだあった。阿武隈は自分が背徳者として処分されるであろうけれども、私達の誰かが気付く可能性を信じて、最後に加賀さんを呪殺したんだ」
鈴谷「加賀さんが殺されなければ、多分LW候補として処刑して、その間にまんまとあんたに勝利を奪われていたと思うよ。阿武隈が加賀さんを殺したお陰で、私は違和感に気付けたんだ。何よりも、ここまで息が合う狂信者と狼なんて、毎日戦術予報してるあんたなら簡単だよね」
榛名「そんなレアケースを持ち込まれても、却って苦しいだけですよ?」
鈴谷「占い欠けなんかより、十分追える範囲だよ。
何よりさ、翔鶴さんは狩人ブラフして殺されているんだ。なんで同じく狩人ブラフしたあんたが殺されてない訳?
あ、あの日翔鶴さんは霧島さんに村目だって言ってたのと関係あったり?」
榛名「!!」
鈴谷「なんせ同じ狩人ブラフした仲なのに、霧島からは暫定白だったあんたに投票されてるもんね?翔鶴が牙を剥くのが怖かったんだよあんたは。あの発言からしても、そうそう吊れる位置でもないから。狩人を騙れるように、準備していた結果が、仇となったね。ま、昨日の時点で狩人COされても、信じるなんてこと出来なかったけどね」
榛名「し、しかし‼加賀さん狂信者提督狐も追えるのでは」
鈴谷「その場合、何で加賀さんは噛まれてるんだろうね?」
榛名「っ!くっ・・・」
投票の時間が迫ってきました。
榛名「おのれぇ・・・」
鈴谷「加古はさ、言ってたよ。あんたはすごい人だって。とんでもない才能を持った人だって。でも普段すました加古は、そのときだけ私に真面目に言ったんだよ。榛名には気を付けろ。あいつの魂胆には提督への独占心と愛情が入り乱れて考えが読めないって。
提督を大事にする気持ちは同じだと思っていたけど、どうやら違ったみたいだね」
榛名「おのれぇぇぇぇ鈴谷ァァァ‼加古ォォォ‼」
鈴谷 北上 清霜→榛名
榛名→鈴谷
榛名「許さない・・・あんただけは絶対にぃぃぃぁぁぁぁぁ」
投票の結果、榛名は処刑されました。
おめでとうございます。
村人陣営の勝利です。
鈴谷「提督・・・勝ったよ、私達」
北上「はぁーっ・・・結局私、占い欠けから思考が進まなかったよ」
清霜「でも、何で気付けたの?やっぱり加古さんのお陰なの?」
鈴谷「加古の感じた違和感は、狂信者が隠れるってのと他に、最初に加古はかなり強かで周到な狼だって言ったんだ。でも狩人ブラフのときは、単純に狩人っぽいところを抜いてきた、素直な印象なんだ。ここで狼の図に違和感が出来たんだ。多分翔鶴さんを噛んだ理由は、どう足掻いてもあそこは噛む以外に殺せない位置なんだ。何よりさ、あの日、霧島は榛名に票を入れてる。白をもらっているのにね。翔鶴は霧島に村目だって言ってたし、あれがあの女には怖かったのよ。いつ翔鶴が牙を剥いてくるか分からなかったしね」
北上「それをカバーするための朝潮狂信者目切り捨て作戦ねー」
鈴谷「朝潮に注意が行けば、みんな占いの中身を考え出すしね。翔鶴噛みも違和感なく受け入れられるから」
ピカーッ
北上「ん?何?この光?」
清霜「わ、わ、わーっ!」
鈴谷「この暖かい光は・・・」
鈴谷「あれ?ここって・・・」
熊野「鈴谷?ようやく起きましたの?今日は演習の日だから早く行かなきゃと言っていたのは誰かしら?」
鈴谷「うわっ早く起こしてよ熊野ー」
熊野「何度も起こしましたわよ」
鈴谷「うーん、何て言うか、夢見が悪いというか」
北上「おーい、鈴谷~」
清霜「すーずーやーさーん!」
鈴谷「ち~っす。なんか夢見が悪くてさ」
北上「あ、うちも。なんか物凄く阿武隈に謝りたい気分ていうか」
鈴谷「わかるー!」
清霜「とても辛くて、悲しかった記憶があります」
鈴谷「やっぱり、あれだよね?」
「「「人狼!」」」
鈴谷「二度と、あんなことはしたくない。仲間を疑うだなんてごめんだよ~」
清霜「私も!立派な戦艦になって、あんな悲しい事件なんて絶対に起こさせないんだから!」
北上「でも今はー」
榛名「こら、そこの三人‼遅いですよ‼」
「「「お前だけは信じねぇ」」」
榛名「えぇっ!?」
終