ア エ ク「本編どうぞ!」
エ「あんまりじゃないですか!?」
「それで見合いって?」
ダクネスの見合い発言から数十分、クリスたちをなだめたり、全員分入れるついでにアクアに紅茶をいれたり、なぜ俺がこんなことをしないといけないのか、とも思ったが仕方ないのでやったわけだが、そうして席につき話を促す
「実は......」
どうも前々から、見合いは勧められていたらしいが、オヤジさんを張り倒して断っていたらしい。 まぁ見合いを進められていてもおかしくないな、一応結構すごい貴族みたいらしいし、世継ぎなどの問題もあるんだろう、それに冒険者だしな。 そう思い紅茶を飲む。 だが周りはそうではなく、騒がしい
「領主と言いましたよねダクネス、領主の息子は評判はいいですが、やはり領主が......」
そうなのだ、お見合いの相手は領主の息子、本人自体の評判はいいらしいが、その親である領主が黒いうわさが絶えない。 まぁ、そんなところに仲間が嫁ぐのは嫌だよなぁ。 ダクネスは逆に乗り気なのだが。 だが気になる点もある、どうもダクネスが小さいころから、領主本人が求婚をしていたようで、クリスはその話を聞いて激怒していた。 今は俺が押さえ込んでいるが
「ちょっと離してリュウヤ! ロリコンは死すべきだよ!!」
「待て待て、確かにロリコンは死すべきだが、今のダクネスはロリに入らないだろ?」
「それは......そうだね」
「おいちょっと待て、なんでロリで俺の方を向いたんだ」
ロリと言われる理由なら、わかっていそうなものだが、いや、たぶんわかってるからこそ異議を申したいんだろうが、めぐみんと良い雰囲気になってきてる時点でねぇ?
「? 何か今失礼極まりないことを考えられたような」
こいつら無駄に勘が鋭いな、早いところ別の話にしないと
「へー、噂通り、結構なイケメンじゃない」
いつの間にやら、アクアがお見合い相手の似顔絵を受け取っていたらしく、俺たちもそれを見る
「おー、確かに」
「性根の汚い領主からこんなイケメンが?」
「クリス、言いすぎじゃないか?」
確かに結構なイケメンだ、目元や口元なんかも整っているし、だがクリスは納得いかないらしい。 まぁ誰でも、領主自身は見たことないが、結構醜いらしいし。 うむ、どうやったらこんなのが生まれたのか
「・・・・・・」
カズマがアクアから渡された似顔絵を見ていたのだが、何故か破っていた
「あぁー!!?」
「か、カズマ! 何をしているのですか!?」
「あ、手が勝手に」
カズマぇ、イケメンに恨みでもあるのか? 手が勝手に破ったとか、かなりやばくね、それにしても、なんでこんなに焦っているのだろうか
「なぁクリス」
「何リュウヤ?」
「なんであいつらあんなに焦ってんだ?」
「あー、断るのに必要みたいだよ?」
クリスもよくわからないのか、首を傾げながらそう言っていた。 何やら、破った似顔絵を持って、アクアの方に行くダクネス、どうやら直してもらうようで、アクアがご飯粒で直そうとしている
「え? ご飯粒で直るの?」
「んーと? あー、でもアクアさん手先器用だし」
「そう言えばデストロイヤー討伐の作戦会議の時、水でアートやってたな......でも、あれって魔法だから、手先の器用さって関係なくないか?」
「ダクネスー、出来たわよー」
俺が答えの出ない疑問を考えていると、修復が終わったのか、アクアがダクネスを呼んでいた。 手に持っている似顔絵を振っているのだが、見事修復されていた。 破れたところなんて跡形もなく、遠目では本当にわからない。 ダクネスはアクアに、何度も頭を下げて感謝をしていた。 そして、俺の方を見るアクア、何故かどや顔で親指を立てていた
「殴りたいあのどや顔!」
「流石にそれはどうなのさ?」
アクアに気を取られていたため、俺はカズマの強行を止めることはできなかった。 そう、カズマが再び似顔絵を破くののな! ダクネスの悲鳴、めぐみんの詠唱が聞こえたので急いでそちらを向くと、似顔絵を破きながら悪い笑顔のカズマ。 どうやらまたくだらないことを考えたようだ、その前に屋敷と命の危機なのだが
「カズマ、めぐみん止めろ!」
「おっと! 破ったのは悪かったが、詠唱するんじゃない!」
「悪いで済むか! この馬鹿!」
「君はなんでそう余計なことを!!」
隣りにいたクリスは、一応ダクネスを止めるために、そちらの方に駆けよる。 俺はさっきから一言も発さないアクアが気になり、近くに行くのだが
「・・・・・・」
「うわー......」
静かに怒っていた。 いや、確かに時間はそこまでかかっていなかったが、結構精密な作業だったのだろう、それがすぐに破られたのが頭に来たのもわかる、だが、なんでそんなに怒っているんだ。 いつものように喚くわけでもなく、静かに拳を握っていた
「おーい、クリス、離れろ」
「どうし......うん、わかった」
俺がなぜそう言ったのかわかったのだろう、顔を引きつらせながらダクネスと共に離れるクリス。 ダクネスは文句が言い足りなかったようだが、クリスがアクアの方を指さした瞬間、同じように顔を引きつらせていた
「・・・・・・」
無言でこちらを向くアクア、笑顔で威圧感を放っていた。 そして、目が笑っていない、なんで俺の方を向くのかわからない、背中の冷や汗がやばい
「ねぇ、リュウヤ」
「な、なんだ」
「あいつぶっ飛ばしていい?」
「どうぞ」
即答した。 別にカズマを売るわけじゃないが、俺としてもこんな目でずっと見られているのは、正直言って嫌なのだ。 なので即答した。 静かにカズマに近づいて行くアクア、それに気が付いていないのか、カズマは相変わらずめぐみんを押さえていて、先に気が付いたのはめぐみんで、別の意味で暴れ始めたのだが、それにカズマが気が付くはずもなく、さらに抑え込もうとするのだが
「カズマさん、めぐみんを離しなさい」
「はぁ? 何をい......」
アクアが声をかけて、ようやくカズマはこちらを向いたのだが、時すでに遅く、 アクアのパンチの射程圏内だった。 カズマはようやく自分の失態に気が付いたのか、顔を青くしていた
「あのアクア様? どうしてそんなに怒っていらっしゃるのでしょうか?」
「あらカズマさん、私は別に怒ってないんていませんよ?」
嘘だ! ここにいる全員がそう思っただろう、俺は顔が見えないが、クリスたちが震えているということは、多分今すごくいい笑顔なんだろうけどな、目は笑っていないだろうが
「わたくし、何か悪いことしましたか?」
「・・・・・・」
無言でアクアは、床に無残に落ちている、さっき直した似顔絵を指さす。 それを見たカズマは、顔を真っ青にする。 その隙にめぐみんは、カズマの拘束を振り切り、クリスたちのもとに逃げた
「さぁカズマ、お前の罪を数えろ」
「ここで言うセリフか!?」
「ゴッドブロー!!」
「ぷげらっ!?」
カズマはギャグマンガのように吹き飛ぶ、いつもより威力が上がったのか、結構な飛距離を出したが、気にする者はいなかった、自業自得だし。いや、めぐんみんだけは、カズマのそばに寄って行った。 なんかつついてるぞ?
「大丈夫です、死んではいないみたいです」
「お前も大概酷いよな」
「気にする必要はないわ!ちゃんと手加減してるもの!」
「どや顔で言うことじゃないからな?」
胸を張って、どや顔で言うアクアに即ツッコミを入れる。 入れるのだが、俺の言葉を聞こえないふりをしているらしく、自分の席にてすっかり冷めてしまった紅茶を飲んでいた。 なんでいい仕事した、みたいな感じで飲んでるんだよ、腹立つわー
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