それではどうぞ!
さっきの発言は大いに気になったところだが、俺たちは今ギルドを目指して歩いていた。まぁこういうRPG系のゲームでは基本らしい、カズマ曰くだが。俺はその手の知識はほとんどないのでカズマに従うことにする。アクアはアクアで珍しいのかキョロキョロしながら歩いていた、てか危なっかしいのだが。
「おいアクアって地上じゃこうやって呼ばない方がいいのか?ともかく、あんまり余所見して歩くな危ないだろ」
「あぁ、それもそうね...呼び方に関しては大丈夫よ、どうせ私はこの世界じゃマイナーゴッドだし」
申し訳なさそうに謝るアクア、意外に素直らしい。マイナーゴッドと言っているが、本人が気にしてなさそうなのでスルー
「ここ、みたいだな」
そう言って止まるカズマ、目の前には酒場のような建物だった。まるで一昔前の西部劇で見る酒場みたいな、いやギルドだから酒場でもいいんだろうが。中に入ると酒の匂いがし、昼間にもかかわらず大勢の連中が飲んでいた。甲冑を着ているもの、大剣をなどの武器を持っているもの様々だが
「いらっしゃいませー。お好きな席にどうぞー、仕事の受付なら奥のカウンターでー」
接客としてはどうなんだと言いたくはなるが、まぁこんな世紀末でしかも少ない人数で回してるのだから仕方ないか。言われた通り奥のカウンターで冒険者登録しようにも金がかかるらしく、俺達は最初の最初で躓いていた。
「どうするんだよこの状況」
「やっぱどこ行っても金か、世知辛いねぇ...」
そう言いながら俺はチートカタログを見る、何かないかと探しているのだが見つけた。説明書きを見てみるのだが何故だか、チェロとして使えるようだ。神器の欄でしかもパイルバンカー型の武器なのにもかかわらず、楽器として弾けるって意味が分からないが使えるなら有難く使わしてもらう
「何してるのよ?」
アクアは俺がカタログを見ているのに気が付いたのか、声をかけてくる。返事をする代わりに、俺は見ている神器を出す。念じれば出るので楽ちんだ
「これ」
「・・・神器出して何するのよ?」
「まぁ見てればわかる」
そうして弦を出し軽く具合を確かめ弾き始める、心配なのは五分しかないことだがまぁ一曲は弾き終わるだろう。演奏が終了するとギルド内は静かになっていた、俺が頭を下げると拍手喝采。さっきの神器は消えてしまうが、もともと弾くために出しただけなので気にしない。
「ありがとうございます、ありがとうございます!すみませんが登録料をもらえませんか!」
「いいぞー」
「もってけドロボー!」
「いい演奏を聞かせてもらったからなー!」
などと言って大なり小なりお金を投げてくれる、いわゆるおひねりってやつだ。まぁこういうので金稼ぎは少し卑怯な気もするが、背は腹には代えられないし昔取った杵柄だ。いいということにする
「ありがとうございます!それではもう一曲」
「「うおおお!!」」
なんかギルドの全員がテンション高いが気にしない。久しぶりの演奏ということもあり興が乗ったため二曲目を引いたが、意外にも好評だった。ちなみにヴァイオリンも神器なのだが、よくわからなかったが魔力を込めなければ発動しないらしく弾く分には問題がなかった。騒ぎも収まりしばらくした後、俺たちは冒険者登録を行うために受付に来ていた。どうやら冒険者を登録するためにいろいろ書かなければいけないらしいが、それだけで後は水晶に手をかざすだけ。流石異世界というかなんというか、俺たちの世界とは逆で科学力ではなく魔法の方が進化した世界のようだ。最初はカズマからということで、俺とアクアは話をしていた
「アンタ楽器弾けたのね」
「まぁ昔取った杵柄だ。てか俺の過去ある程度は知ってる風だったし、わかってただろ?」
「・・・そうね。でも音楽なんかを司る神なんかに比べたら劣るけど、結構よかったと思うわよ?」
「そもそも神と人間比べることが間違いだろ...」
「でも過去に人間から神になった人もいたでしょう?」
「こっちの世界の歴史は流石に知らんが、まぁいたな確かに」
詳しくは知らないが、俺やカズマの世界には確かにいた。こっちの歴史は知らないが、もしかしたらアクアは...まぁ聞かれたくはないだろうからな、聞かないことにする
「お?カズマどうだった」
カズマはこちらに来たが、どうにも浮かない顔だ。俺とアクアにカードを見せるが、俺はいまいちわからない。アクアの方を向いて解説を求める
「この数値だと知力と幸運以外平均的ね。知力は平均より少し高いくらい、幸運はかなり高いわね」
ということらしい、カズマの話では最弱職である冒険者らしい
「じゃあ次は俺が行くわ」
指示に従い水晶に手をかざすと、水晶が光はじめカードの方に記入が始まる。ふとレーザープリンターなんかも、こんな感じに印刷されているのだろうか場違いなことを思ってしまった。どうやら俺の数値はすごかったらしいのだが、そんなこと言われても別に何と思わないのだが。だが神器を多量に持っている、能力も大量にあるなら一つの職業にとらわれない方がいいのではないかと思い冒険者になることにした。
「俺も終わったし、アクア行って来いよ」
「わかったわ」
アクアはアクアで神だからすごいスターテスになりそうだが、俺はカズマと話し始める
「お前は何にしたんだ?」
「冒険者だ。色々便利だしな」
「そう言えばさっきの楽器はお前の神器か?なんか二つも出したように見えるけど」
説明は面倒だが流石に説明しないのもどうかと思ったので、かなりかみ砕いたが説明カズマはわかってくれたようだ
「はー...お前も結構あくどいことするのな」
「確認しない方が悪いだろ」
そうこうしているうちにアクアも終わったようだが
「あたし一応女神よ?なのに知力平均とか、いや頭いいわけじゃないけど...それに幸運が最低レベルって、あたし一応あの子の先輩なのよ、なのに...なのに...」
なぜかショックを受けていた、周りが盛り上がっているのに本人は落ち込んでいる。シュールだなこれ
「なぁ俺チート選べばよかったって後悔し始めたんだが」
「大丈夫だ、いざとなったら俺が何とかする」
それが俺がカズマをたきつけた責任だろうし
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騒ぎも収まりアクアも復活したので、これからの方針を話しあうことになった
「これからどうするんだ?」
「予定みたいに金はどうにもできなかったからな...まぁリュウヤのおかげで今日の夜程度の金はどうにかなったからな、今日は解散で。明日からにしよう、俺は疲れた」
そう言って席を立つカズマ、俺とアクアは座ったままだ
「それでアクアはどうするんだ?」
「アンタは?」
「俺は色々試したいからな、職員に聞いて簡単なクエストでもやってくる」
「ふーん...」
アクアは迷っているようだが俺は席を立ってクエストを探すことにする、職員に聞いたら腕試しならジャイアントトードがいいのではないかと言われた。デカいカエルとのことでクエストに来てみたのだが...
「なんだこれ、ほんとにデカいんだけど」
普通車の二倍くらいの大きさだ、こんなの一人でとか普通ならムリゲーだろと思わなくもないが。まぁ俺は神器を持っているので普通に狩るが
「さてどうするかな」
神器と言っても幅広くある。さっきの楽器型の武器、銃火器、近接武器。とりあえず適当に試してみることにした、目についたページの銃にすることにした
「これ結構重いな」
マガジンを見てみると弾は込められてるので、安全装置を外し撃てる状態にした。.454カスール カスタムオートマチック、ジャッカルという名前の銃だ。もはやこれ人類に扱えるのかという疑問もあるが、狙いを定めて引き金を引く。おおよそ銃から聞こえる音というより、大砲を撃ったような音だったが何も言うまい。問題なく撃てた俺も俺だが。撃たれたカエルは爆発四散、これ明らかにオーバーキルだった。このカエル買取もあるので、やはり近接の方がいいようだ。適当な銃を選んだからなのだろうか、こんなことにまたなったら嫌なので。今度はこれに決めた、洞爺湖と彫ってある木刀だ。軽く靴の先をトントンとして状態を確かめる、あんまり靴でやりたくはないのだが。少し遠いが距離を詰めれば問題ないだろうとおもい、姿勢を低くして一気に距離を詰める
「は?」
俺は少し遠いと思ったが全然そんなことはなかった、少し後ろに行き過ぎたくらいだった。ようは縮地をしたわけだが、こっちに来て筋力が上がりすぎているようだ。まぁ気にせず後ろからカエルの頭を木刀で串刺しにする、てか木刀なのに頑丈だし。そんな感じで俺はカエルを狩っていった
というわけで一話目です、主人公かなり才能盛ってます。まぁいいよね!
今回の武器ですがチェロはメルブラのリーズバイフェ
ヴァイオリンは適当に
.454カスール カスタムオートマチック、ジャッカル ヘルシング
洞爺湖がほられた木刀 銀魂
となります、神器になるには疑問ですが完全に俺の趣味です!