ク「そんなぶっちゃけていいの?」
宝島とかねじ込むよりましでしょ
ア「まーたしょうもない理由ね」
ええい!細かいことはいいんだよ、なので今回は頭空っぽにして見てねッ☆
エ「本編の方どうぞ!」
こちらの世界にも冬があり、季節はもう冬になろうとしていた。ベルディア討伐の報酬の大半は、屋敷の代金に消えたとはいえ、まだまだ遊んで暮らせるが、俺たちのパーティーはたまにクエストに出ていたりした。カズマもせっかく異世界に来たのだから、冒険しないともったいない、というしょうもない理由と、ダクネスやめぐみんの言い分を渋々聞いて、という感じだが。俺はもちろん休みを設けているとはいえ、毎日のようにクエストに出ていた。たまにクリスやアクアもついてきたりする。あとはまぁ、クリスの回収の方を手伝ったり、エリス様とアクアを引き合わせたり、だろうか。そんな風に異世界生活をしていたある日、俺とカズマは薄く雪が積もった外にいた
「よくよく考えたんだけどさ、女子の人数が多いんだから多数決不利じゃね?」
「今更だろ。てか、カズマはついてこなくてもよかったんだぞ?」
カズマは文句を言いながらも、こうして外に出ていた。何なんてことはない、この頃急激に寒くなり、暖房器具が一部にしか普及していない(しかも普及していても維持費などが高い)この世界だ、なので普通の家庭などでは暖炉が主流だ。暖炉と言えば薪なのだが、ついにその薪が切れそうになったのが今朝のこと、俺たちはその買い出し、というわけだ。まぁもともと売り物件であり、買ったのは冬のかなり前ということもあり、薪などはあまりなかったのだ、いつかはこうなっていただろうしな
「まぁ二人の方が早く済むだろ、それに多く買えるし」
「まぁな、んじゃとっとと行って、早く帰りますか。お前も寒そうだし」
雪が降っているなんて知らなかったのだろう、カズマはいつもの格好で出てきたため寒そうだった。俺は街で見かけたコートを買ってあったので、そこまで寒くないが
「てかなんでお前はコートなんだよ」
「街で偶然見かけてな、この頃寒かったから、ちょうどいいかと思って買った」
「・・・後でその店教えてくれないか?」
「後でな。さっさと買い物済ませて帰らないと、文句来るぞ」
「・・・それもそうだな」
なんて話をしていると、薪を売っているところについたようだ。俺とカズマで持てる分だけ買い、店を後にする。
「こんだけあればしばらく持つだろ」
「それにしてもあの人優しいな、今度から配達してくれるって」
「だな」
実際家に暖炉なんてなかったからわからないが、配達してくれるようで、次回から買いに行かなくて済むようだ。俺は別に何ともないが、カズマは自分が持てるだけ買ったにもかかわらず、それでもきつそうだった。屋敷についたのはいいが、誰も出迎えてくれないどころか、お帰りの声も聞こえない
「あいつら...」
「どうどうカズマ。とりあえず、先に最低限持って行ってくれ、俺は倉庫にストック置いて、行くから」
「悪い任せる」
カズマはその場に薪を置くと、共有スペースの方に駆けていった。まぁ寒かったからな当たり前か、しかもいつもの格好だったし。俺は俺で、その場に一回荷物を下ろし、部屋にコートを掛けに行き、何回か小分けにして薪を倉庫に入れていく。時間はかかったが、ようやく終わり、共有スペースに行くと
「あらリュウヤじゃない、遅かったわね」
「ねぎらいの言葉もないのかお前は」
ソファーに寝転がったアクアに出迎えられた、しかもパジャマである。めぐみんやダクネス、クリスは流石に着替えていたが、どうやら奥の食事スペースでチェスみたいのをやっているようだ。ルールをめぐみんから教えて貰ったのだが、なんでもありのルールなので、俺はやる気が起きなかった。いや、ポーカーや大富豪なんかもご当地ルールってか、その場所によってもルールが違ったりするが、あれはそんな時限じゃない、大会なんかじゃリアルファイトあったらしいし。
「あ、リュウヤお帰り。遅かったね」
「おうクリス、ただいま。まぁ結構買ってきたから、ストック分を倉庫にしまってた」
「なるほどね」
「おやリュウヤ帰っていたんですね、一局どうですか?」
「やめとく、ルールが無用すぎるからな」
「リュウヤか、お帰り。クリス代わってもらっていいか?」
「りょうかーい、今度こそ勝つよめぐみん」
「ふっふっふ、紅魔族随一の天才に勝負を挑むとは...」
なんて一局が始まる。俺も手持ちぶたさなので、観戦することにしたが、まぁ酷かった。クリスがあと一歩で勝ちそうになるとめぐみんが盤をひっくり返しやがった。一応めぐみんのルールではありらしい、ルールを調べたわけでもないので、本当のところはどうか知らないが
「あれ?そう言えばカズマは?」
「カズマならなんか怒りながら、自分の部屋に戻っていったわよー」
「はぁ?」
なぜ怒るようなことがあったのか、皆目見当がつかないのだが
「あぁ、実はね...」
対局が終わったからなのか、ダクネスとチェンジしたクリスが説明してくれた。まぁカズマがあったまろうとすると、ソファーにはアクアが。ちなみに説明しておくと、ソファーは暖炉の目の前にあり、一番あったかい場所なのだ。それで奪い合いになったらしいのだが、結果を言えばカズマが負けたので、諦めて部屋に戻ったようだ
「俺とカズマは外に居たんだから、譲ってやるくらいしろよ」
「いやよ!ここ一番あったか場所じゃない!半分ならいいけど、占有しようとするのがいけないんじゃない」
「確かにお前の言い分の一部には同意するが、今のお前そのものじゃないか」
俺は流石に呆れる。俺は別に寒くなかったが、カズマは寒かったはずだ。てか別に譲るくらい、いいと思うのだが、そんなことを思いながら俺はカタログを出す。この頃時間があるときは、こうやってカタログを読むか、クリスのスキルを作っているかだ
「また読んでいるんですね」
「あれ?対戦は?」
「今はダクネスとクリスがやってます」
どうやらめぐみんは疲れたようなので、変わったようだ。良かったな、これで普通の対戦ができるぞ、なんて心で思ったりしたが
「まぁいざという時に迷ったりしたくないからな」
「それでもこの量を覚えようなんて、普通は考えませんよ?」
確かにめぐみんの言う通りだろう、俺も実際いらない能力なんかは覚えてないし。そもそもチートとか言ってる割に、なんかネタみたいな能力もあるし
「まぁでも、一回全部に目を通しておくことに損はないでしょ」
「はぁ...そうですね」
言っても無駄かみたいなため息は、ハッキリ言って傷つくんだが。そんな俺の心情は知らずに、めぐみんはゲームの方に戻ったようだ。しばらく読んで一区切りついたので、飲み物を取りに行こうとすると、ソファーで寝ているアクアが目に入る
「まったく、あれほどソファーで寝るなって言ったのによ」
仕方ないので飲み物を取りに行くついでに、適当なタオルを取りアクアにかけてやった
「ところで今日の食事当番誰だっけ?」
「リュウヤでしょ?」
「マジか、忘れてた」
立っているついでに聞くと俺が食事当番だったらしい。そのことをすっかり失念していた
「まぁいいや、急いで作りますかね」
キッチンスペースは、共有スペースの近くにあるので、移動は苦ではない。さっさと作らないと、アクアが起きたときに騒ぎそうなので、急いで作ることにした。ちなみに俺は料理スキルを取っているのだが、みんなからは意外に思われた。解せぬ。そして夕飯はというと、いつもと同じように美味いらしかった、よかったよかった
最後ちょっと無理やりな感じだけど、まぁ良いか。それでは次のお話で