第4Q 覚醒、激怒、不安、違和感、再び
黒子《俺》side──────
眠る……
眠る…………
心の奥で………
夢を見る……………
《僕》が幸せで………………
笑っている夢を…………………
この夢がずっと…………
続けば良いのに……………
《ピシッ!》
でも…………
《ピシッピシッ!!》
それすらも…………
《ピシッピシッピシッ!!!》
叶わないのか……
《ビシッ!》
何故《僕》がこんな目に合わなければいけない?
《ビシッ!!》
何故《俺》が存在している?
《ビシッ!!ビシッ!!》
あぁ………
《バキッ!!》
また
《ビシッ!!ビシッ!!バキッ!!!》
俺の
《ビシッ!!ビシッ!!ビシッ!!》
例えどんな奴だろうが…………
《ピシッ…》
許サナイ
《バリッーン!!!!!!!!!》
黒子《俺》sideend────────
黒子《僕》side────────
【お前のバスケじゃ 勝てねえよ】
あぁ…何でしょう……この胸の痛みは………
胸の中で何かが割れて、崩れてゆく音がします………虚空、悲しみ、絶望が胸の中を占めているのに、激怒、憎悪、私怨が胸の奥から溢れ出て、叫び声が聞こえます……苦しい……この感覚は《彼》が出て来る時に感じたのと同じ……又《彼》が出てくるのか?……駄目だ…!彼に甘えてしまうのは……!もう……もう《彼》に負担をかけてしまうののは……
そう思いながらも、だんだんと叫び声は大きくなり、耳元で叫んでいるぐらいに大きくなって、視界が暗くなっていきます……
【大丈夫だ…俺には何の負担もない……だから……】
あぁ……
【替われ】
又、彼と替わってしまうのか……
それを最後に視界と意識が途切れた。
黒子《僕》sideend──────────
第三者side─────────
【112-55】
桐皇対誠凛の試合は、
ダブルスコアで桐皇の勝利となった。
だが、そんな中で
「おい……さっきのはどういう事だ?
……………………テツ」
『………』
青峰大輝と黒子テツヤであった。
青峰は黒子を見下ろしながら、俯いている黒子に問いかけた。だが、黒子は黙ったままで何も喋らない。それに既視感を感じたが、直ぐに怒りが登って言った。
「さっきの試合。途中から手ぇ抜いたろ…」
『……』
「どういう事か、説明出来るよな?」
そう……先程の試合、ある時を境に黒子はまるで周り気づかれない程度で手を抜いていたのだ。嘗て中学の間相棒だったが故にそれに気づいた青峰は、その理由を知る為にわざわざ聞きに来たのだ。すると…………
『ハハ…あはははははははははは………
これだから勘のいい奴は嫌いだ』
そう言いながら顔をあげた黒子の眼は、帝光中の卒業式の後に青峰達と再開した時の、あの氷の様に冷たく虚空の様な何も映していない赤い眼をし、青峰を見据えていた。