「さて。『明日には』……なんだったかしら?」
「な、なぁに、残り少しくらい、サクッと終わるさ! たぶん! 問題は高難易度かな!?」
「最重要じゃない……」
どこか楽観的なオオガミに呆れたようにため息を吐くエウリュアレとラムダ。
あからさまに反省していないオオガミは、最近もう見慣れてしまった金リンゴを取り出す。
何だかんだと言って全て使いきっていないので、わりと余裕があるのが現状だった。
「よっしゃ、全力で回せば終わるんだからさっさと行って高難易度!」
「昨日と同じこと言ってるのだけど」
「最初からそれしか言ってないじゃない」
「良いから行くよ! 考える前に動くべき!」
「あからさまに何も考えてないじゃない」
エウリュアレはそう言うと、走り出そうとするオオガミを捕まえ、
「まず、今日は高難易度。勝てたら周回。良いわね。それと、夜には寝ること。絶対効率が悪いから。周回が終わる前に貴方が死ぬわよ。もしくは私は背後から殺す」
「エウリュアレ、最近アサシン染みてきたよね」
「射るわよ?」
「ごめんなさい」
でも伝承に殴りかかってる状況ですよ。という突っ込みをこらえ、エウリュアレのお叱りを素直に受けるオオガミ。
そして、保護者染みてきたエウリュアレの説教が終わると同時、オオガミは顔を上げ、
「つまり高難易度を秒殺して周回に戻れば良いんだね?」
「全く何も聞いてなかったのかしらこのダメマスター」
ついにぶん投げたエウリュアレ。ラムダもこれには首を振り、どうしようもないと態度で表す。
もはや病人かというくらいに周回をしようとしているオオガミに対し、もはや諦めの境地とも言える表情をしている孔明たちには素直に黙祷しつつ、二人の本来の性質が垣間見える笑みを浮かべる。
「まぁ、マスターが自分から止めないって言うんだもの。止められないわよね」
「えぇ。仕方ないわ……って待って? 冷静に考えたら私も大変じゃないのこれ。周回アタッカー私よ? とりあえず倒すとか言う雑さで戦える私じゃないのよ?」
「えぇ。応援しているわ。ちなみに、オオガミは高難易度も貴女で蹴散らすつもりみたいよ?」
「少しはなにか考えるとかしたらどうなの!? いい加減相性くらい考えなさい!」
「つい数か月前までは相性有利でしか挑まなかったのだから、一周回って頭を使ってるんじゃないかしら。貴女限定で」
「それは……喜ぶべきかもしれないけど、とても複雑ね……!」
にやけそうになる顔を気合いで引き締めつつ、しかしほんのり赤くなった顔までは誤魔化せないラムダを見て、エウリュアレは苦笑いをするのだった。
アズールなレーンのコラボ最終日に慌ててやり出して、結局終わらず八つ当たりぎみに周回しているマスターは私です。
まぁ、後10箱くらいですし、サクッと終わりますって。ラムダで殴っていればすぐですよ。
相性? ちょっと知らないですね。
次のデート回
-
王道のエウリュアレ
-
メルトしかあるまい
-
技術部二人と散歩でもいいのよ
-
いいから全部だ