「あ、やっほーまーちゃん」
「やっほーおっきー。何してんの?」
「原稿の休憩に軽く遊ぼうかと思って」
なるほど? と疑問を抱きつつ反応するオオガミ。
折り紙製の動物たちに部屋を片付けさせつつ刑部姫は準備をして、
「じゃーん! これが最新のダイエットだよ!」
「あ、死ぬほどきついって噂のリアル体力ゲーだ」
「ふっふっふ……これでまーちゃんに姫の真の力を見てもらうのだ……決して太ったとかそういう訳じゃないのだ!」
「いやでもさっきダイエットって……」
「気のせいじゃないかな! さ、姫の実力を見せるよ!」
そう言って、刑部姫はゲームを始めるのだった。
* * *
「ぜひぃ……ぜひゅぅ……ゲホッゴホッ……む、無理……引きこもりが出来るやつじゃないよぅ……」
「もはややってることがジムなんだよね……どうあがいても地獄では? レオニダス先生の方がもっと体は楽な気がする」
「れ、冷静な分析なのかな、それ……ところで、レオニダス式ってこれより優しいってほんと?」
「いや、痩せる目的なら絶対止めた方がいいと思う。終わった後には筋肉で体重が増えてるから」
「……脂肪が筋肉になるまで終われないキャンプとかやだぁ……」
ぐったりして動かない刑部姫を横目に、オオガミはゲームを片付ける。
そして、改めて刑部姫に向き直ると、
「もう体力残ってないでしょ」
「うぐっ、否定できないの悔しい……!」
「うんうん。シャワールームまで連れていく?」
「それは勘弁してください」
目が本気だった。
オオガミはそれを見て少し考えると、
「とりあえず、飲み物でも用意しようか?」
「お、お願いします」
そう言って、刑部姫は目を瞑るのだった。
* * *
「は~……生き返ったぁ~……」
「お疲れ様。続きそう?」
「封印です。最低一ヶ月は封印」
「夏付近に再開しそうだね?」
「うぐぐ……」
にっこりと笑うオオガミに、刑部姫は複雑そうな顔をする。
「まぁ、夏になるとまたレモネード隊が出現するし、一進一退の攻防になりそうだけど」
「ん? 待ってまーちゃん。なんでレモネード隊が私の体型と関連するわけ? 関係なくない?」
「え? あ、おっきーは知らないのか。ならまぁ、黙っておいた方がいいか」
「え、ちょっと待って、そこで秘密にするのはズルくない? メチャクチャ気になって夜しか眠れないんだけど?」
「普段夜型なのが改善されていいと思うので黙っておこう」
「うわぁぁぁ! ネタにマジレスしてきたよこれはひどい!」
「まぁほら、生活改善的には勝ちなので。今日の巡回はナイチンゲールと巌窟王だよ」
「夜更かし絶対殺すマン……! くっ、それで前回ガネーシャと一緒にやられたのに……!」
「同じ過ちを繰り返すことなく、素直に眠るのです。おっきーよ……」
「まーちゃんにそれを言われたら逆らえないじゃんかぁ……!」
「うんうん。じゃ、俺も殺されたくないので帰るね」
「うぎぎ……おやすみぃ……」
「おやすみ。原稿ファイト~」
「今日はもう寝ますけど!?」
刑部姫の叫びを聞いて、オオガミは笑いながら部屋を出るのだった。
おっきーはこの距離感が良いのです。これ以上になるとおっきーと私のキャパがオーバーして即死入っておっきーは座に。私は部屋に籠ることになるのです。
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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