「ふぅ……休憩! 紅ちゃんのところに行こう」
「えぇ……出来れば行きたくないんですけど……まぁ仕方無いですね。寄りましょうか」
そう言って、グリーン・キッチンに進路を取るマアンナ号。
食料もぼちぼち無くなるというところだったので全く無意味というわけではない。
そういった言い訳をするオオガミを横目にXは前方を見て、
「……なんですかあれ。スッゴい嫌な予感がするんですが」
「えぇ? ……あ~、急速旋回したいなぁ……」
どこかで見たような巨大人型艦に、嫌な顔をするオオガミ。
しかし次の瞬間嫌な予感を感じ振り向くと、
「私参上! 迎えに来たわよマスター!」
「ハッ! 指名手配書の!」
「なるほど偽物か!」
「酷い!?」
瞬間的に戦闘準備を整える二人に涙目になるアビゲイル。すると、開いていた門から飛んできた矢が的確にXの剣を弾く。
あまりの状況に困惑する三人だったが、すぐに門から犯人は出てくる。
「全く、私の妹分に剣を向けるなんて良い度胸ね。射抜くわよ?」
「流石エウリュアレさん! ありがとう!」
そう言ってエウリュアレを褒め称えるアビゲイル。
更に困惑するXの隣で、オオガミは既に正座をしていた。
「あら、私を見るなり正座なんて、一体何をしたのかしら。聞かせてちょうだい?」
「いやぁははは……宇宙旅行がちょっと楽しかったなぁって。いやまぁ、現在も女神経典探して奔走しているんですけども」
「ふぅん? そう。じゃあこれから私たちもアレで追い掛けるから」
「……やっぱりアレかぁ……」
エウリュアレが指差すソレは、例の巨大人型艦――――巨大メカノッブだった。
当然そんなものを作る人員は限られていて、
「……とりあえずグリーン・キッチンに寄ろう」
「なんかもう疲れたんですが。着いたら一回休みます……」
そう言って、グリーン・キッチンへ向かう。
* * *
「おぅマスター。ようやく来たか!」
「遅かったですね? 結構待たされたんですが」
「ほらやっぱりこの二人だよ」
元気に獣狩りをして食料調達をしている逞しい二人。少し離れたところではカーマとバラキーが並んで座っていた。
「で、何しに来たの?」
「うん? そりゃ、BBがマスターを見つけたからと言って飛び出して、着いていったら良くわからんコロニーで、エウリュアレとアビゲイルもさ迷ってるからとりあえずBBと一緒に工房から荷物を引っ張り出して宇宙戦艦メカノッブを建造してマスター探しに行く直前だったわけじゃ」
「あ~……なるほどそういうこと。いや怖いわ。平然と建造しないで」
「出来ないわけじゃないなら問題ない。それが我ら工房組ですよセンパイ?」
「無敵かこいつら」
そう言うオオガミに、ノッブとBBは笑顔で答えるのだった。
攻略終わったら合流させようかと思ったけど無理でした。これ以上引き伸ばせねぇよぅ……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ