「……そろそろ乗り込もうかしら」
「それ行けスペースユニヴァース! マスターなら頑張れば探知出来るわ!」
「どこから突っ込めば良いんですかそれ」
カーマと会話をしている最中に、思い立ったかのように言って立ち上がるエウリュアレと、さも当然のように門から飛び出てくるアビゲイル。
当然置いていかれているカーマは、自作のタピオカミルクティーを飲みつつ、どうすれば良いのか悩んでいた。
「カーマも行くかしら」
「ん~……そうですねぇ。まぁ、気が向いたら後から行きますよ。行く手段はありますし。というか、気軽に世界線越えるのはどうかと思うんですけど」
「知らないわよ。連れていかれたマスターを引きずり戻すのに向こうに配慮しなくちゃ行けないなんて馬鹿馬鹿しいじゃない。私のモノを取り返すのに許可が必要?」
「……なんとなく感じてましたけど、貴女って、結構独占欲強いですよね。気持ちは分かりますけど」
「……それは、初めて言われたかもしれないわ」
純粋に、驚いたような顔をするエウリュアレ。
カーマは一瞬、何を言っているのか分からないとばかりに首をかしげ、理解してもやはり不思議そうに首をかしげる。
「え、待ってください。本当に初めて言われたんです? わりと分かりやすいと思うんですが」
「誰も言わなかったけど。そう思われてたのかしら……あ、でも、確かにそんな感じの発言をしたような気もするわね……」
「自覚の方はあるのに指摘されないってことは、どれだけ恐れられてるんですか……」
「恐れられては……うん。いるかもしれないわ。ちょっと自覚はあるの」
「そうですか……まぁ、主に対象はマスターでしょうし、関係無いんですが。大変ですねぇマスターも。四方八方から狙われてるとか、見てて面白いのでもっとやってほしいです。自分から災厄を振り撒いているのが特に良いです」
そう言ってニヤリと笑うカーマに、エウリュアレは苦笑しつつ、
「貴女も大概よね」
「お互い様ってことですね」
そう言って笑う二人。
そんな二人に、今まで静かにしていたアビゲイルは、
「マスターの
「……あっちはあっちで何か拗らせてそうですね」
「その辺をどうにかするのもアイツの課題よ」
元気いっぱいなアビゲイルを見て、やれやれといった感じのカーマと、楽しそうなエウリュアレ。
「それで、来ないの?」
「えぇ。言った通り、後から行きますよ。それじゃあまた後で」
「そう。じゃあまた後でね」
そう言って、エウリュアレはアビゲイルの開いた門に飛び込むのだった。
エウリュアレの独占欲? (この作品において)何を今さら。
アビーちゃん最近出番無かったからおかしくなっちゃった……一体誰がこんなことを……
ところで、バラキーと一緒にいないカーマを新鮮に感じるのはもう末期ですかね?
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ