「エミヤさん、事ある毎に料理セットくれるよね」
「キッチンを使えるとわかった瞬間の喜びように私は引いてるんですが美味しいものが出てくるのでオッケーです」
宇宙旅行も良いけど景色だけで満足できない。ならば料理をするしかなかろうよ。と言ってマアンナ号のキッチンを占領するオオガミ。そのせいで幾度か襲われたが、彼は一切ぶれない。エリchan登場時に思わず飛び出したが、それもまぁ、いつものノリだった。
「しかしまぁ、スペース神陰流もバカなものよ。我が家にはセイバー男性絶対殺すウーマンことエウリュアレ様が鎮座しておるというのに、わざわざセイバーで来てくれる優しさ。容赦のない女神の視線が彼らを突き穿つわけですとも」
「本当に容赦ないですよねぇ。というか、女性相手でも普通に通してましたよね? もはやセイバーなら誰でも良いところありません?」
「バッチを着けただけのエセセイバー風情に勝てるエウリュアレ様ではないのだ」
「むしろバッチのせいで悪化している気も。でもまぁ、たまに出てくるランサーが厄介です」
「ふっ……セイバー皆無なこのマアンナ号において、ランサーとか驚異でしかないので。丁重にお帰り願いましょう」
「メインストーリー攻略キャラ縛りはどうかと思うんですが。普通に恐ろしい桁の敵が来てますし」
「大丈夫大丈夫。それでもゼンジョーは越えられたし、行けるって」
「そうですね。でもマスター。猿に食料を奪われたにも関わらずキッチンに立つのやめてもらえません? スゴい心臓に悪いです」
「だいじょーぶ……次の惑星に着くまでの辛抱だから……うんうん。だいじょーぶ……だいじょーぶ……」
「おっと、予想以上に精神ヤバイですよこのマスター。さては外れか。外れですかこのマスター。チェンジですチェンジ! もうちょっと頑丈メンタルなのでお願いします!」
だんだんおかしくなってきたオオガミを見て悲鳴をあげるX。
だが、何かに気付いたように顔をあげたオオガミは、
「師匠……アルトリウムって食べられるのかな……?」
「何言ってるんですかそれも含めて全部盗まれたでしょうが。とりあえず、近くの惑星やコロニーが無いかを探すんです。見つかればご飯も料理もし放題ですよ!」
「よっしゃぁ探すぞコノヤロー!」
言うなりスゴい速度で操縦室に向かっていくオオガミ。
それを呆然と見送ったXは、
「もしかして、目的のために一直線的なそれですか?」
そう呟く。
その数時間後、彼らはコロニーに着港するのだった。
現在グリーン・キッチンです。リンゴも攻略サイトも使わないと完走できるか怪しいな……?
それはそれとしてエウリュアレ無双過ぎて好き。礼装になっただけはある……
次のデート回
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王道のエウリュアレ
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メルトしかあるまい
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技術部二人と散歩でもいいのよ
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いいから全部だ