スペースイシュタルだって?(中身が別人で見た目だけ同じとか、そういう感じかもしれないわ)
「え? スペースイシュタル?」
食堂でそう声をあげるエルキドゥ。
その目は真剣で、しかしどこか輝いていた。
そんなエルキドゥの視線に気付いたエレシュキガルは、どこか不安そうに、
「で、でも、スペースってことは、イシュタルとは別ってことよね。つまり、名前が同じなだけの人物、とかないかしら」
「いいや。あれは普通のイシュタルと変わらない。僕の身体が今すぐ貫けって言うんだ。間違いない」
「ぶ、物騒すぎるのだわ……」
若干怯えたように言うエレシュキガル。
そんな二人のもとへやって来たアルトリリィは、
「あ、あれっ、セイバーウォーズですか? ということは、また師匠に会えるんでしょうか……今回こそはカルデアに来てくださるといいんですが……」
「おや、君の師匠も出てくるのかい?」
「あ、エルキドゥさん。そうなんですよ。前回は地球に不時着して、宇宙船を直すためにアルトリウムが必要だーって。どうにかしてアルトリウムを集めて、私の修行もして、一人前になるのと同じくらいに宇宙船が直って帰っていったんですけど、今度は何があったんでしょうか」
首をかしげるアルトリリィにエルキドゥは微笑みながら、
「大丈夫。今回は何があろうと悪いのはイシュタルだ。だから遠慮せず、目の前にイシュタルが来たら斬りかかるんだよ。良いね?」
「え、あ、その、はい! 頑張ります!」
「おいポンコツ粘土。何を教えてんのよ」
エルキドゥに向けられて放たれた罵声。
その声に反応してエルキドゥはゆらりと立ち上がると、
「おやおや。これはこれはギル祭りで真逆の位置に行っていた能無し女神じゃないか。今度は宇宙規模になって自らのポンコツっぷりを見せびらかすんだろう? だったらほら、僕に構ってる暇は無いんじゃないかな? でもそれはそれとして報復はさせてもらうよ」
「あらあら。言葉で勝てないからってすぐ暴力に頼るのかしら。そういうところがポンコツなのよ。当たらない鎖をぶんぶん振り回して無様に鳴いてなさいな!」
「僕がいつ暴力を振るうだって? 勝手な解釈を押し付けないでほしいね。すぐに暴力を振るうのはそっちだろう? 脳ミソスカスカの木偶女神は記憶も無いようだ」
「なんですってぇ~……!?」
「はは。ほら、すぐにそうやって言葉を荒げる。低能なのが透けて見えるね。でもまぁ、それはそれとして」
「えぇ、こっちだって貴方に構ってる暇はないの。だから」
「惨めに泣かせてあげるよ」「速攻で沈めてあげるわ」
直後ぶつかり合おうと前に出た二人は、瞬きよりも早く出現した門に飲み込まれ、消える。
それをやった張本人であるアビゲイルは、
「あ、危ないわ……ここで暴れたら後でいろんな人に叱られるもの……ま、まだ何も起こってなかったわよね。せ、セーフかしら……」
そう言って、鍵をしまいながら椅子に座り直すのだった。
また、目の前で戦闘が始まりそうになっていたアルトリリィとエレシュキガルは、門を開いてどこかに飛ばしてくれたアビゲイルに感謝しに飛んでいくのだった。
風紀ではないレアなエルキドゥさん。イシュタルと混ぜたら危険なので、お取り扱いにはご注意ください。
あ、アンケートの補足ですが、全部が採用された場合、一気に消化するのはちょっと作成コスト過多なので投票の多い順に処理していくので。だれだー。調子乗って全部とか入れたやつー。
次のデート回
-
王道のエウリュアレ
-
メルトしかあるまい
-
技術部二人と散歩でもいいのよ
-
いいから全部だ