「これが件のミラーハウスですか」
「ここ、ずっと自分の顔が見えて嫌になる。出来れば入りたくないのだが……」
ミラーハウスの前でしり込みするバラキーと、フードコートにあったアイスキャンディーを食べているカーマ。
「というか、よく無事だったなカーマ。吾驚いたのだが」
「はぁ? なんで私が殺られかけてたように言うんですか。そもそも穏便に済ませてきましたよ。えぇ。穏便に、美味しいお菓子を食べさせてきました。優しいでしょう?」
「う~む悪の所業。だが吾としては圧倒的にアリ。むしろどんどんやっていくべきだと推進する」
「……こういうことをしてるからコンビ扱いされてるんですかね?」
「それは否定できない。吾気にしてないけどね」
「でしょうね。話を聞いたときからそうだろうとは思いましたとも」
カーマは数瞬遠い目をするも、すぐに我に返ると、
「まぁいいです。そんなことよりほら、去年の復讐のために今度こそクリアをするのでしょう? さっさと行ってすぐに出ちゃいましょう。で、終わったらまたフードコートに戻りましょう。その頃には店も空いているはず……全制覇してから帰ります」
「えぇ~……まだアトラクションは残っておるのだが……まぁよいか。ナイトパレードに参加さえすれば。いやでも、観覧車もなぁ……」
考えるバラキーの手を引いて、カーマはミラーハウスへと入っていくのだった。
* * *
「これは確かに、厄介ですね……」
「だろう? 鏡のせいで、前にあるのが鏡か通路か分かりにくい。しかも魔力が漂ってるせいで魔力探知も出来ないからな。とりあえず突き進んでみると言うのをすると、確実に迷う。前回はマスターとアビゲイルが脱出したのだが、まぁかなり厳しいのは事実だ。今どっちもいないからな」
「……えぇ良いですよ? マスターよりも優秀だという事を今示してあげますとも。当然、私は女神ですし。あんな触手系邪神が抜け出せたのに私が抜け出せないとか、ありませんし」
カーマはそう言うと意気揚々と歩いて行き、バラキーはそれについて行く。
だが、しばらく歩いていると、
「……なぁカーマ」
「なんですか。何か見つけました?」
「いやまぁ、見つけたというか、気付いたというか……ここ、さっき見た」
「……見覚えがある似たような場所、と言うだけじゃないですか?」
「においがな……ある。ここは一度通った」
「なんでそんな嗅覚があって迷子になるんですか!」
カーマに言われ、バラキーは困ったような顔をしつつ、
「まぁとりあえず、あっちとかどうだ?」
「絶対答え分かってますよね……!?」
カーマの叫びをバラキーはスルーしつつ、指差した方へ進むのだった。
書いてる途中で直感でガチャを回したらシトナイ……思わず暴れました。
ミラーハウス、行ったことないんですけど、想像しただけで結構迷いそうなんですよねぇ……