今日のカルデア   作:大神 龍

928 / 1263
これが件のミラーハウスですか(吾、もう迷子にならんし)

「これが件のミラーハウスですか」

「ここ、ずっと自分の顔が見えて嫌になる。出来れば入りたくないのだが……」

 

 ミラーハウスの前でしり込みするバラキーと、フードコートにあったアイスキャンディーを食べているカーマ。

 

「というか、よく無事だったなカーマ。吾驚いたのだが」

「はぁ? なんで私が殺られかけてたように言うんですか。そもそも穏便に済ませてきましたよ。えぇ。穏便に、美味しいお菓子を食べさせてきました。優しいでしょう?」

「う~む悪の所業。だが吾としては圧倒的にアリ。むしろどんどんやっていくべきだと推進する」

「……こういうことをしてるからコンビ扱いされてるんですかね?」

「それは否定できない。吾気にしてないけどね」

「でしょうね。話を聞いたときからそうだろうとは思いましたとも」

 

 カーマは数瞬遠い目をするも、すぐに我に返ると、

 

「まぁいいです。そんなことよりほら、去年の復讐のために今度こそクリアをするのでしょう? さっさと行ってすぐに出ちゃいましょう。で、終わったらまたフードコートに戻りましょう。その頃には店も空いているはず……全制覇してから帰ります」

「えぇ~……まだアトラクションは残っておるのだが……まぁよいか。ナイトパレードに参加さえすれば。いやでも、観覧車もなぁ……」

 

 考えるバラキーの手を引いて、カーマはミラーハウスへと入っていくのだった。

 

 

 * * *

 

 

「これは確かに、厄介ですね……」

「だろう? 鏡のせいで、前にあるのが鏡か通路か分かりにくい。しかも魔力が漂ってるせいで魔力探知も出来ないからな。とりあえず突き進んでみると言うのをすると、確実に迷う。前回はマスターとアビゲイルが脱出したのだが、まぁかなり厳しいのは事実だ。今どっちもいないからな」

「……えぇ良いですよ? マスターよりも優秀だという事を今示してあげますとも。当然、私は女神ですし。あんな触手系邪神が抜け出せたのに私が抜け出せないとか、ありませんし」

 

 カーマはそう言うと意気揚々と歩いて行き、バラキーはそれについて行く。

 だが、しばらく歩いていると、

 

「……なぁカーマ」

「なんですか。何か見つけました?」

「いやまぁ、見つけたというか、気付いたというか……ここ、さっき見た」

「……見覚えがある似たような場所、と言うだけじゃないですか?」

「においがな……ある。ここは一度通った」

「なんでそんな嗅覚があって迷子になるんですか!」

 

 カーマに言われ、バラキーは困ったような顔をしつつ、

 

「まぁとりあえず、あっちとかどうだ?」

「絶対答え分かってますよね……!?」

 

 カーマの叫びをバラキーはスルーしつつ、指差した方へ進むのだった。




 書いてる途中で直感でガチャを回したらシトナイ……思わず暴れました。

 ミラーハウス、行ったことないんですけど、想像しただけで結構迷いそうなんですよねぇ……

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。