やって来たぞONILAND!!(楽しみ、奪い、喰らうのが鬼よ!)
「うわははは!! 吾が来たぞ! 恐れよぉ、讃えよぉ!」
「鬼らしくないって叫んでたのに、遊んで食べられると分かったらこの転身。見倣いたいね」
「むしろ貴女の性質に寄ってるから貴方のせいだと思うの」
高笑いをしているバラキーを見て呟くオオガミに、鋭い一言を突き刺すエウリュアレ。
実際、バラキーのテンションはどこかオオガミと似ている雰囲気があるので、否定しきれない。
「ONILANDって言うから、どんな魔境かって思ったのだけど、なによ。普通の遊園地じゃない」
「いつぞやの鬼ヶ島みたいなのじゃないから……まぁ、内容は日アサだし。楽しんでいこう」
オオガミはそう言って、不満そうなメルトに目を向ける。
メルトは仕方ないとばかりにため息を吐くと、ラムダの姿となり、
「まぁ、そうと決まったらこっちの服装の方が良いわね。ラスベガスならともかく、こっちなら騒ぎにならないだろうし」
「メルトはどこでも可愛いしね。どんな姿でも目立っちゃうんだから仕方ない」
「えぇ、当然でしょう? 私が人気じゃないとかあり得ないもの。だから、そんな私の隣に立てることを光栄に思いなさい。マスター?」
「そりゃもちろん。光栄に思いつつ誰にも譲る気はありませんけど?」
「あら、意外と強欲なのね。えぇ、良いわ。ついて来られるのならいつまでも隣に置いてあげる」
そう言って笑うラムダに、オオガミも笑顔で返すのだった。
そしてそれを見ていたエウリュアレは、
「自分がやるのは良いけど、他人にやられるとやっぱりどこかムッとするわね」
「どうします? 拘束しますか?」
「ん~……そこまでして邪魔したいかと言われるとそうでもないのだけど……まぁ良いわ、今回は譲ると言ったもの。言ったことくらいは守るわよ」
「姉様……」
アナの視線に機嫌を良くしたのか、エウリュアレは楽しそうに、
「さ、メドゥーサ。今回は二人で遊びましょ。ステンノは別行動するって言ってたし」
「えっ……それ、本当ですか? 気になるんですが……」
「気にしないの。ほら、早く行かないとあっちに巻き込まれてクレーマー扱いされちゃうわ」
「姉様のそう言う見捨てるところに躊躇がないの、羨ましく思います」
「あんまり良いものでもないのだけどね……まぁ、貴女にそう言ってもらえるのなら、それはそれで良いかしら」
エウリュアレはそう言うと、一瞬悲しそうな笑みを浮かべ、すぐに何事もなかったかのような楽しそうな笑みに変えると、アナの手を引いて走り出すのだった。
結局シトナイは来なかったよ(号泣
30回回しても来ないのでたぶん縁がなかったんですね……私は悲しい……