「ハロウィン……それは甘美な響き……じゃあ子イヌ。ちょっと行ってくるわね」
「今年は溺れないでね~」
意気揚々と出掛けていくエリザベートを見送るオオガミ。
どこへ行くのかは聞かなかったものの、どうせすぐ会えると確信していた。
そんな様子を影から見守っていたアナは、
「あの、大丈夫ですか? 確実に悲惨な目に遭う気がするのですが」
「まぁ、うん……それはそうなんだけど、エリちゃんはやりたいことをやらせた方が確実に成長してくるから……もう一回遭難してジパングにたどり着いて今年こそエリちゃんJAPANの霊衣をもぎ取ってきてほしい」
「後半欲望駄々漏れでは」
素早い切り返しで突っ込むアナに、オオガミは満足そうな笑みを浮かべつつ、
「大丈夫。なんだかんだ予想斜め上を突き抜けるのがエリちゃんだと信じてるから……!」
「それは少し、いや、かなり無理があると思うのですが。本当に大丈夫ですか?」
「ダメだったらその時は今年のハロウィンに賭けるしかないけど、いい加減あのロックなエリちゃんを運用したい……場合によってはカルデアでライブをすることも辞さない」
「やばいですこの人テロを起こす気ですよ……! これは姉様を呼んでも良いですね」
「う~んエウリュアレを呼ばれると殺されそうだなぁ」
そもそも開催するなと言わんがばかりに脛を狙って蹴り続けるアナ。
回避できないようにしっかりと足を踏んでからやっているのがアナの怖い所で、当然オオガミはうずくまりながら、
「あ、あのですねアナ様。そこを執拗に蹴られると死ぬほど痛いんですが」
「そうですか。なら、死んだ方が良いんじゃないですか?」
「し、辛辣ぅ……」
無慈悲な一言に倒れるオオガミ。
楽しそうな笑みを小さく浮かべているのは、やはり姉と同じ血が流れているという事だろうか。
「それで、姉様は何処にいるんでしょうか。最近あまり会っていないので……」
「今は食堂でメルトとお菓子を食べてるはず……今朝作ったばかりだし」
「最近は争いが沈静化してきましたから、食堂は平和になってますしね。そもそも、マスターの菓子は話題性で争われていただけですし。はぁ、ようやく姉様から貰わずとも食べられます……」
「個人的にはなんでエウリュアレが主になってるのかわかんないんだけど」
「それはまぁ、最初に聖杯を貰って、最初に強化済みになってますし……なんででしょうね」
誰もよく分かってないエウリュアレの強者感に、二人は首を傾げるのだった。
最近ネタ以上に書く気力がなくなってきていて、息抜きにオリジナルを書いてたらめちゃくちゃ書けて止められなくなった結果がコレです。やばいよONILANDまで気力が持ちそうにないよぅ……
でも、これはたぶん最近騎空士になってしまったのも原因の一つのような気もします……