「……次の金曜日からONILANDよね」
「ハッ……遊園地だと……?」
何かに気付いたように顔を上げるオオガミ。
エウリュアレは呆れたように、
「何かあるの?」
「いや、まぁ、個人的には大きなことだけどエウリュアレは関係ないと言いますか……」
「何よそれ……もしかして、私聞いちゃいけない奴?」
「ん。そう言われると、確かに聞かれちゃいけない奴……」
「ふぅん……まぁ、大方メルト絡みでしょうけど。何したの?」
「したと言うか、すると言うか……いやまぁ、要因は過去だから『した』であってるのかな……」
「……なぜかしら。原因の一部に私がいる気がするわ」
「そりゃまぁ、その通りですし」
オオガミに言われ、原因を考えるエウリュアレ。
「……もしかして、ラスベガス?」
「うん。まぁ、その話題が出たのはもうちょっと後だけど」
「そう……まぁ、貴方のことだから行くのでしょうけど。ちゃんと考えてるの?」
「去年のパンフレットを見つけ出したので考えてる。問題は何時行くかなんだけど……うぅむ、どうしたものか」
「まぁ、イベントでドタバタするし、何よりもエリア支配者のせいで気軽に散策できないものね」
「うん……まぁ、たぶん遊ぶ分には良いと思うんだけど、メルト的に大丈夫かどうか……一部即座に蹴り飛ばしに行きそうなのが数名……鬼救阿と一緒に殲滅し終わってからにするべき……?」
「ん~……そうね。終わったらすぐに、で良いんじゃないかしら」
「なら、その方向で固めていこうかな。よし、それじゃあ頑張るかな!」
そう言ってオオガミは気合いをいれるために頬を叩き、
「あれ、待って? この状況なんか変じゃない? 普通手伝ってもらう?」
「そもそも行こうとしてる時点で、約束をしてる時点でどうかと思うけど。でもほら、貴方はそう言う人で、そんな残念な男を見てきたのが私達で。なら今さら抵抗なんてないし、むしろ最後に貴方の隣に誰がいるのか、取っても気になるじゃない」
「……なんか、めちゃくちゃ歪んでる気もするなぁ……」
「貴方には言われたくないわ」
そう言って笑うエウリュアレ。
オオガミはそれに苦笑いしか出来ず、反応に困っていた。
そして、エウリュアレは笑顔のまま、
「そうそう。そう言う顔が見たいの。貴方、自分からは無意識に行くのにいざ返されると混乱してダメになっちゃうの、治した方が良いわよ。でないと、ほら。私みたいなのに食べられてしまうから」
そう言って、先程とは違う、どこか不穏な気配を漂わせながら、エウリュアレはオオガミに言う。
それを受けたオオガミは観念したように両手を上げ、
「女神様に食べられるって言うのはあんまり突っ込まないけど、善処します」
「……一言多いのよ。バカ」
エウリュアレはそう言って、そっぽを向くのだった。
はて。メルトとのデート回のフラグ立てに作ったらエウリュアレ回になってた。どう言うことかわからないけど、少なくともエウリュアレの好感度がちょっと上がったと言うのだけは確かです。大丈夫かオオガミ君。安心して後ろから刺されてくれ。