「よし。これで交換アイテムも終了。チケット取るぞ~!」
「お~!」
「いやおかしいだろう!?」
元気良く突撃しようとするオオガミとロリンチに悲壮感漂う声を上げる孔明。
当然のようにオオガミは首をかしげ、
「あれ、おかしなところ、あったかな……?」
「いや? 私にはサッパリ。一日で交換アイテムを集めきるのはちょっぴりオーバーワークの気がしたけど、それだけさ」
「そうだそこだそれがおかしいと言っている! 平然とするなバカ!」
オオガミに強めの手刀を入れつつ、孔明は不機嫌そうな顔をする。
オオガミはそれに対して叩かれた場所を押さえながら更に首をかしげ、
「周回疲れ?」
「それもあるが、この際それはどうでも良い。今はマスターの休息が必要だと言っている。全く……こんな疲れきった顔で返されても困るんだ。さっさと寝ろ」
「え、えぇ~……でもほら、ボックスがさぁ……」
「言ってる場合か。マスターは体が資本。いや本来は魔力だが、お前の場合それはカルデアが、今は彷徨海が賄っているんだ。なら、マスターなら肉体だけは万全にしなければならない。決して徹夜して遊び回ろうだとか、命を削って周回をしようだとか考えるな。分かったな?」
「は、はい……」
「ふん……分かれば良い。それと、休むのには私の部屋を使え。あそこなら……まぁ、たまにグレイが出入りはするが、基本人は来ない。エウリュアレとメルトを連れていくなよ。絶対に休めないからな」
「あれ、それってほとんど隔離状態では?」
「当たり前だ。お前は全く気づいてないようだが、サーヴァントの近くにいるだけで微量に魔力は吸われていく。特にあの二人は意図的にやっている節があるからな。今の状態で会わせるわけにはいかない。話は私からしておく。明日、回復したら戻ってこい」
「は、はい……じゃあ、後の周回は任せたよ孔明先生」
「……あ、あぁ、任せたまえ。こなして見せるとも」
それを聞いて安心したのか、オオガミは笑みを浮かべ、
「それじゃ、休んでくる!」
「あぁ、ゆっくりしていろ」
そう言って、走り去っていく。
それを見ていたロリンチは、
「良いのかい? マスターを行かせちゃって」
「構わんさ。何より、居られると準備が出来ないのでな」
「うん? 準備? 何のだい?」
純粋な目で見てくるロリンチに、孔明はため息を吐くと、
「明日はマスターの誕生日だ。だからほら、誰もいないだろう?」
「おや、言われてみれば、観客席の人数が少ないね? なるほどそういうわけだったのか……って、それって一大事じゃないか。なんでもっと早く教えてくれないんだい?」
「いや、知っているものだと思っていたのだが。まさか本当に知らなかったのか」
「くっ、なんだか悔しい……! でも、それさえ分かればこっちのものさ。さぁ、誕生日プレゼントを用意しようか!」
そう言って、ロリンチは張り切るのだった。
今さら思ったんですけど、この話書いてて虚しいな……?
あ、高難易度しなきゃ……(現実逃避