「あれ、ノッブノッブ。センパイ達、どこ行きました?」
「おま、珍しく出店許可取って忙しく働いてるときに……ほい、焼きそば一つ。300QPじゃ。え、高い? 物価高騰してるし是非もないよね?」
作った焼きそばを売りながら、隣で堂々とサボっているBBに目を向けるノッブ。
「いえ、ですので、センパイがいないんですよ。正確には、センパイとエウリュアレさんとメルトなんですけど。周回はロリンチちゃんと鈴鹿さん、あと孔明さんの三人がメインな上に、後ろにいるはずのラムダが人形パネルですし」
「あぁ、その二人なら、今頃ニューヨークを観光してるじゃろ。マスターに誘われたが両サイドの二人が怖かったので辞退した。ちょうど許可が下りたときだったし。BBを置いていくのもな?」
「えぇ~? なんですかそれ。BBちゃん、一緒に行きたかったんですけどぉ~。ハブられるのに納得いきませ~ん」
ブーブーと文句を言うBBに呆れたような顔を向け、ノッブはため息を吐くと、
「仕方ないのぅ……全部売り切れたら、残りの時間で遊びに行くぞ。遅ければ遅いだけ損じゃからな~」
「ぐっ、一切隠す気がない餌……! そうやってれば簡単にBBちゃんが飛び付くと思ったら大間違いですよ!」
「え、行きたくない?」
「そうは言ってません! ちゃちゃっと終わらせて行きますよ!」
そう言って張り切るBBを見て、ノッブは隣で正体不明のタコっぽい何かを焼こうとしているアビゲイルに手刀を入れつつ、
「こういうところが残念じゃよなぁ……いやまぁ、欠点ではないのじゃけども。むしろ利点じゃが、なんというか、うむ。残念なんじゃ……」
「もしかして今BBちゃん憐れまれてます?」
BBは、可哀想なものを見るノッブの視線に半泣きになるも、やはりノッブの隣で勝手に鉄板の上に謎の軟体生物を置こうとするアビゲイルに、置かれた直後の軟体生物を門を使って直接口の中に送り込む。
隣でのたうち回っているアビゲイルを見なかったことにしつつ、
「ところでノッブ。行くなら二人きりですか?」
「二人が良いか? 別に儂は気にせんけど」
「ん~……誘えそうな人います? 何気に私、嫌われてる率の方が高いのでいないんですよね。誘える人」
「ボッチだったかぁ~……まぁ、沖田を呼んでいくかのぅ……」
「スーパー人斬りジェットですね。BBちゃん知ってます」
うんうん。と頷くBB。ノッブはそれに対して複雑そうな顔で、
「あと、この悪がきも連れていくか」
「あ、流石に気付いてますよね」
「きゃーー! 誘拐されるわーー!」
「うるさいわ! 貴様、さっきから変なもんを混ぜ込もうとしおって! このまま店を放置したら絶対ろくなことしないじゃろうが! 一緒に行くぞアビー!」
「ひぃん! ごめんなさーい!」
頬を引っ張られ半泣きになるアビゲイル。
それでも止めようとしないノッブをBBが横から落ち着かせ、BBの監視のもと、アビゲイルも働かされるのだった。
ノッブのキャラが、完全に慕われる姉御肌……でもそんなノッブが好きなんやで……
そして懲りないアビー。彼女は闇落ち期間が長過ぎて帰ってこれなくなりました。イタズラ少女アビー爆誕。アナスタシアとの合流だけは全力阻止の姿勢ですよ。