「アッハハハハ!! 最高のステージね! えぇ! これは本に出来るわね!」
「う~ん、半分近くが王の話をしていそうな本になりそうだね。魔本になる可能性が高そうだ」
うんうん。と頷くオオガミに、隣からマーリンが、
「安心してくれたまえマスター。私は四天王編でやられているからね。それに、どの媒体でも、基本一度やったら後はカットさ。序盤にちょっとやって終わりじゃないかな?」
「ふふん。BBちゃんはかわいい『そうりょ』ちゃんなので。そこの遊び人とは違うので悪しからず。ちゃんと優遇してくださいね?」
「いやどっちも同じでは」
「センパイ、さりげなく酷いですね?」
オオガミに言われ、わざとらしく泣き真似をするBB。
だが全く見向きもしないオオガミは、そのまま今回の勇者のもとへ向かうと、
「よっしゃ! そんじゃHDリマスター攻略記念に、エリちゃんライブをどこかでやりまぐはっ!」
言いかけたオオガミの頭を全力でひっぱたきに行ったBBとマーリン。
見事に叩き伏せられたオオガミは、ピクリとも動かなくなった。
「あっとぉ……あまりの危機感に思わずBBちゃん、手が出ちゃいました……」
「まさかあんな恐ろしいことを再びやろうとするとは。殴ってしまったのも仕方の無いことさ」
「えっ、何々? 何の話……って、ギャーーーー!! 子イヌが死んでるぅーー!!」
「いえいえ。死にかけてるだけなので何の問題もないです。それよりも、皆さんに武勇伝を聞かせた方がいいんじゃないですか? そっちの方が盛り上がると思います!」
「そ、そう? BBにしては良いこと言うじゃない。じゃ、行ってくるわ!」
「えぇ、行ってらっしゃいませ!」
そう言って走り去っていくエリザを見送ったBBは、
「よし、今のうちにセンパイを拘束しておきましょう。放っておくとロクなことになりません。何かする前に拘束。これが鉄則です」
「良いとも。拘束しようじゃないか」
「いや、何バカなことを言ってるのよ。貰っていくわ」
横から当然のように伸びてきた手に掴まれ、オオガミの体が引きずられていく。
突然の展開に一瞬硬直したBBは、すぐさま振り返り犯人を見ると、やはりというべきか、エウリュアレとラムダがそこにはいた。
「ちょっと、センパイはもはや恒例のライブを開こうとしてたんですよ? 拘束すべきです!」
「うるさいわねぇ……要するに、ライブを開かせなければ良いんでしょ。任せなさい。別のものに変えておくわ」
「えっ、いや、何をする気ですか……」
「ん~……まぁ、楽しみにしてなさい」
そう言って去っていく二人に、BBは不安を隠しきれないのだった。
いやぁ、真紅の勇者伝説は神作でしたね。180分の超大作。旅立ちの原因となった旅人『はなのおにいさん』と『ぐんしのおにいさん』を連れ、ドラゴンキラーになり、四天王との激しい戦い、村人の奪還、蘇りし竜との戦い、ぐんしのおにいさんとの別れ……新たなる仲間『こあくまそうりょ(こうはい)』との出会い……激化する戦いの中で芽生えた友情と別れを描いた感動のストーリーでした……
護衛系でめちゃくちゃ楽しかったのでこういうのもっとほしい。