「何よアレ……まさに天災ね……」
「ふざけおって……あの威力、おかしいであろう!!」
「まともに戦える相手じゃないですよ……」
「すぐやられちゃったわ!」
苦い顔をする全員。何とか勝ったものの、アレはいじめだろう。というレベルだった。
「全く……何とか勝ったから良いものの、強すぎるわよ」
「ハイパーガッツだったな。あれくらいのガッツ、余もやってみたいのだが!!」
「そうなったらバランスブレイカー確定ですね。絶対やめてくださいよ?」
「大丈夫よ!! 死霊魔術があるわ!!」
「ナーサリーさん。それ、本当に何度でもガッツ出来ますから」
「知ってるわ! だって、5回連続でガッツしたもの!!」
「う、うむ……死霊魔術は流石の余も遠慮したい……いや、確かにうまくいけば12回ガッツも夢じゃないのだが……」
「マシュが言ってたわ。『アレは封印指定概念礼装ですよ』って。最初期からずっと死霊魔術を装備してた彼女の言葉は重いわ……」
「……で、その封印指定概念礼装をナーサリーが付けとるわけじゃな」
「……まぁ、戦力的にはかなりの物だし、仕方ないわ」
確率でガッツという、最強礼装。昔からお世話になっていたというのは伊達ではなく、今回もスイートクリスタルを当然の如く追い越すレベルで大活躍している。
「それにしても、リップは一回限りの緊急用の盾よね……」
「痛いのは、好きじゃないんですけどね……」
「マシュとは違って、味方全体じゃない代わりに、攻撃力があるのよね。ちゃんと攻撃力にもなるし、タイミングさえ良ければ単体宝具なら周囲への被害ゼロだしね」
「それ、代わりに私がやられちゃってるやつです!!」
エウリュアレがまともに褒めていたと思ったら、最後の最後で本当にリップを盾として見ていたという衝撃の事実に、さすがのリップも突っ込んだ。
「うぅむ……どうしようか」
「今日は終わりよ。寝るわよ、マスター」
「余も賛成だな。あんな敵を倒した後だし、さすがの余も疲れたぞ……」
オオガミに答えるエウリュアレとネロ。
特にエウリュアレの視線が怖かった。
「ふむ。とはいっても……ここ、海底だよね……」
「まぁ、安全は保障するわよ。何とかなるわ」
「うむ! 明日の為にも、今は休んでもらうからな!!」
「ネロのそれは、命令形だよね! いや、まぁ、眠いから寝るけどさぁ……」
「うむ。無理せず、休まねば次の戦いが辛くなるからな!! レオニダスも言っていたからな!」
「スパルタ式……いや、休まなくちゃいけないのは知ってるんだけどね。レオニダスが言ってたって聞くと、何となく不安になる……」
「まぁ、あまり気にしないで寝なさい。それとも、私が寝かしつけてあげましょうか?」
「……えっと、具体的には?」
「私の視線で一発よ」
「物理的対処!!」
射貫くつもりのようだった。
エウリュアレの視線はシャレにならないのは、当然と言えるだろう。なんせ、つい最近ではダメージ量400万を叩きだしているのだ。そんなモノを受けたら確実に眠るというより、永眠だった。
結局、何やかんやと騒いだ後、限界が来たのか、オオガミは寝るのだった。
それを見守るエウリュアレは、桃源郷からこっそりと持ってきた桃を食べながらネロと共に周囲を警戒するのだった。
くそぅ……強すぎたよ……12回ガッツとは、恐ろしい……!!
まぁ、令呪は使わないで何とかなったので、ある程度余裕はありましたが。
これから先が不安です……