「ここ、イカサマとか普通に行われてるんですね。大丈夫ですか? 貴女、騙されやすいですし」
違法カジノを歩きながら、バラキーに聞くカーマ。
すると、バラキーは若干不機嫌そうに、
「ふん。いい加減吾だって学習する。勝ったら殴る。負けたら殴る。最後にイカサマをしているのが分かったら花火に変える。これであってるだろう?」
「いや全く分かんないんですけど。最初から勝負するつもり皆無じゃないですか」
「いやなに、別に相手を殴るわけではない。大体はコンドルが悪いとオオガミが言っていた故な。憂さ晴らしはそこらへんを歩いてるコンドルでするというわけだ。うむ。完璧だな」
「何言ってるんですかあの人。暴力の化身ですか?」
「後、イカサマしてるやつは打ち上げておけとノッブが言っていた。ここの頭領が許可していると言うことは、認められているのだから存分にやるぞ」
「違法カジノでしたよね、ここ……あぁ、新撰組対策ですか……」
それで一回滅ぼされましたもんね。とカーマは呟きつつ、適当に店を覗く。
「まぁ、遊ばなくても楽しめそうな所ではありますけど……どうします?」
「うむ……正直遊びたいのだが、お小遣いがもう心許ない。今はどうしたものかと悩んでいる」
「お小遣い制だったんですか……正直それが一番驚きなんですけど」
財布の中をカーマに見せながら悲しそうに言うバラキー。
カーマはそれを見て少し考えると、
「仕方無いですね……ちょっと待っててください」
「う、うむ……分かった」
頷くバラキーを置いて、カジノに入っていく。
* * *
「はい、あげます。私が使うより、貴女が使った方が絶対面白いですし」
「う、む……貰えるなら貰うが……何故だろう。素直に喜べぬ……」
ものの数分で大量にQPを稼いできたカーマ。それをバラキーに渡すと、貰ったバラキーが複雑そうな顔になっていた。
「ほら、遊べますよ。大丈夫です。私としては失っても惜しくない金額ですし。相性良いので稼げるんですよね、ここ」
「そ、そうか……うぅむ……カーマは人ではないから人間からの施しではない……ならまぁ、ありか……?」
「お小遣い制の時点でそこを気にする必要ないと思うんですが……」
悶々と悩むバラキーに、カーマはため息を吐くと、
「じゃあ私に何か買ってきてください。それで貸し借りは無しです。良いですか」
「うむ……分かった。要望はあるか?」
「いえ、別に。本当に何でもいいです。お任せしますね」
「それが一番困るのだが……何か指標はないのか。結構厳しいのだが……」
「はぁ。全くしょうがないですね……じゃあ、貴女が食べたいと思ったものでいいですよ。もちろん、貴女も買ってくること。それでどうです?」
「うむ! 任せろ!」
そう言って、バラキーはカーマの手を取って走り出すのだった。
カーマは詰めが甘いだけでポンコツではないのです……伊達にカルデアを半壊させたのではないのですよ……
それにしても、なんだかこの二人、年の離れた姉妹か母子にも見えるような……?
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