「……なんかね、そろそろ落ち着いてきたよ」
「そう……じゃあ、卵集めは一旦終了?」
「うん。なんというか、いい加減リンゴが足りなくなってきた」
残りスキル一つとなったところで急に冷静になったオオガミに、たいして気にしていなさそうなラムダ。
そしてエウリュアレはと言えば、
「せっかくあげたのに、すり抜けるとかどうなのよそれ」
「ニトクリスさん、タイミング悪かったんですよ……まぁ、かくいう沖田さんも、ラムダさんと一緒に来てしまったから三日も放置されてるんですけど……更に言えば、未だにレベル1ですよ。ラムダさん100なのに」
そう言って、ため息を吐く二人。
どちらも悩んでいる内容は違うが、最終的にオオガミに繋がるのだけは同じだった。
「……それにしても、昔はあなたを召喚しようと必死だったのにね。いつの間にかメルト優先になってたのね……」
「えっ、なんですかそれ。沖田さん、実はマスターに好評だった? ならこの待遇はおかしくないですかね? 完全に忘れてる人の行動ですよあれは!」
「だから、昔の話よ。三年前くらいの話。その頃に来てたらヒロインだったかもね?」
「な、なんですと……!? それ、本能寺復刻辺りの話じゃないですか……!」
「えぇ、そのくらいよ。ついでにメルトも同じくらい待たされたけど、あっちはもうレベル100で絆10。礼装も昨日貰ってたわ」
「が、ガチすぎません……? だってあの方星5ですよ……? 正気ですか……?」
「まぁ、五ヶ月半かかってるし、ずっとパーティーに入れ続けてればそうなるわよ」
「そういうものですか……? あぁでも、もうラムダリリスさんは絆6ですし、そういうこともあるって事ですね……いえやっぱりおかしいですよ」
「残念だけどここでは良くあることよ。まぁ、今回はトップレベルでおかしいけど」
「やっぱりおかしいんじゃないですかぁ!」
ひぃん! と悲鳴をあげる沖田。
そんな彼女を横目にエウリュアレは立ち上がると、
「マスター。卵終わるのならさっさとラスベガスに帰りましょう? QPも枯渇しそうなんだから、集めちゃった方がいいと思うんだけど」
「その予定だよ。で、沖田さんと何話してたの?」
「貴方が自由すぎるって話」
「え、なに悪評ばらまいてんの? 悪質すぎない?」
エウリュアレの返答に困惑しているオオガミから少し離れたところでラムダが、
「先に戻ってるわね。それじゃまた後で呼んでちょうだい」
「うん。またね~」
そう言ってそそくさと去っていくラムダを見て、沖田は気付く。
「さてはここ、かなり自由ですね?」
この閃きに、自由ではなく無法だ。と突っ込むものは良くも悪くもいないのだった。
昨日報告しようと思ってスパッと忘れたメルト絆10。そして今日ラムダ絆6とエウリュアレ絆11到達という。エウリュアレに追加の夢火を渡すか考え中なのですよ……
あ、沖田さんはラムダと同着でした。実は同日にふーやーちゃんが来ていて、更に今日すり抜けニトクリスさんです。そろそろ周回に本気で困らなくなってきた……