「クッ……お姉ちゃん、負けちゃいました……!」
「いや、だからアンタは姉じゃないっての。いい加減分かれ」
「全うな方の私が、おかしくなってます……」
とてつもなく落ち込んでいるジャンヌ。
その隣で呆れたように首を振る邪ンヌと、ショックを受けているジャンタ。
そんな三人にオオガミは、
「真面目に、そろそろお姉ちゃんが危険人物じゃないかと思ってきた」
「いや今更過ぎない? 去年からずっと危険人物だったわよ?」
「コイツ、時々とんでもないくらいアホになるわよね。で、去年もこんなだったの?」
「えぇ。去年もルルハワで殴り飛ばされて弟にされてたわ」
「……何故かしら。このマスター、変なのに好かれやすいわよね。特にダメな方向の奴」
「そうね……実際、異常なまでに変なのに好かれるもの。おかげでそれに振り回される私の身にもなってほしいわよ」
やれやれ。と首を振るエウリュアレ。
ラムダは考える様な素振りをすると、
「護衛をもっと付けた方が良いかしら。私たちが離れてる時に変なのに捕まっても嫌よね……」
「もう姉を名乗ってたり母を名乗ってたりするのがいるのだけど。召喚済みよ? 大丈夫?」
「……手遅れって事ね……何よ。私よりも先にとんでもないのを召喚してるじゃない」
「正直とんでもなさすぎて手に負えないわ。それで、どうする? いける?」
「ふ、フフフフフ! 全く問題ないわ。むしろ張り合いがあるってものよ! マスターを奪わせなければいいのでしょう? 任せなさい。絶対やってやるわ」
不敵に笑うラムダに、エウリュアレは苦笑いをしつつ、
「まぁ、相性はいいから問題ないわよね。必要だったら呼んで。手伝うわよ?」
「いいえ要らないわ。私が一人で決着をつけてくるもの」
「そう。じゃあ、マスターには私がついてるわね。いってらっしゃい」
「えぇ、行ってくるわ!」
そう言って、ジャンヌ達の元へ走り出すラムダ。
そして、エウリュアレがオオガミの目を隠して見えなくした辺りで、
「さぁ、今度は一対三で勝負よ!」
「今このタイミングで仕掛けてくるとかおかしいんじゃないの!? 何が白鳥よ撃ち落してくれるわ!」
「起きてくださいまともな私! ラムダさんにやられちゃいます!」
「お、お姉ちゃんは負けませんよ……! 相性不利くらいで負けて――――レベル差アリは無理ですぅー!!」
邪ンヌとジャンタをすり抜けて、最速最短でジャンヌを蹴り抜くラムダ。
その酷い戦いをオオガミに見せないように、エウリュアレはオオガミの目を隠したまま引きずって離れるのだった。
最高にイカれてるお姉ちゃん……今回もフルブーストでしたね……母も怖い……
ラムダ宝具3到達……残り2! ついでにレベル100到達と第三スキル10にしたので、残りスキル1と2の分の卵残り9個集めて重ねられることを祈りまくってエウリュアレから石貰うだけ……