「う~ん……私、普通に乗れるのが作りたかったんですけど……」
「乗れるじゃろ。ちびノブとか、子どもとかが」
ウンウンと唸るBBの前にあるのは、遊園地などに置いてありそうな小さな車。
あからさまに子供用のそれは、BBが作りたかったものとは離れていた。
「いえ、途中でおかしいなぁとは思ったんですよ。予想よりも小さいなぁとか。でもほら、ノッブはちゃんと仕事してくれると思っているので任せたじゃないですか……で、なんですかこれは」
「本能寺バスター1号」
「本能寺をバスターするんですか! 確かに無ければ弱点になり得ないですしね! でも違うと思うんですが!」
「うん? なんか勘違いしておるようじゃが、本能寺バスターは本能寺をバスターするんじゃないぞ? 本能寺でバスターするんじゃ」
「そっちの方が意味わかんないんですが……!」
困惑するBBに答えるように、ノッブが本能寺バスター近付きボタンを押すと、ガシャン! ガゴ! カシュ! スコン! と音を立てて変形すると、
「……正気ですかこれ」
「まぁ、寺をトラックの荷台に乗せて走ったアサシンがいたらしいし、寺が走っても違和感無いじゃろ」
本能寺完全再現と銘打たれそうな、どこからどう見てもお寺な車。否、車要素すら感じないただの寺だった。
「……これ走るんですか? 本当に?」
「うむ。そして、その運転のために呼んだのがこのちびノブじゃ」
「ノッブゥ!」
「……本気でちびノブ用じゃないですか……」
BBは頭を抱えるが、気にした様子もなくさも当然とばかりに寺の中に入っていくちびノブ。
そして、エンジンがかかるような音が響いた辺りで我に返ったBBは、
「ちょ、ぶつからないでくださいよ!? わりと壊されたら困る物が多いんですから!」
「よしやれい!」
「ノッブブノッブゥ!」
「ちょ、片付けますから待ってくださぁい!」
寺が動き始めるよりも早く部屋を片付けたBB。
そして、ついに動き始めた寺は――――
「……想像の何倍も遅いんですが」
「まぁ今はパワー抑えてるし。そもそもこんなところで運転させるつもりなどないわ。安全運転じゃよ」
「そ、そうですか……じゃあどこで試運転するんです?」
「そりゃシミュレーションルームに決まっとるじゃろ。ほれ、行くぞ」
「えぇ……って、ちょっと! ちゃんとノッブが持ってって――――ヒィッ!」
ガション! と音を立てて寺の四つ角からそれぞれ飛び出す脚。
馬のような形をしたその脚をうまく使いノッブの後ろをついて階段を登っていく寺。
いつの間にこんなギミックを仕込んだのだろうかとBBは思うが、今更足が生えたところで驚くものでもないかとため息を吐き、ノッブの後を追うのだった。
本能寺バスターはたぶんもう出ないんじゃないかな……あと一個だけギミックというか、こっちが本命と言うか、そういう機能をぶちこんでますが、きっともう出てこないんじゃないですかね。気が向いたら再来します。
コミケ行って来ました。いつかサークル参加してみたいなぁと思い、何をしようか考えてる私です。今日のカルデアを適当にまとめて書き下ろしを書いてみるとか、新規で書いてみるとか。
でもまぁ、たぶん考えるだけで終わる気がするので、そのうち自分を追い込むまでなにもしない気がする……