「ダメージチャレンジ……飽きたわね」
「今日が青鬼ラストじゃし、これ以上は無理じゃろ」
「あら。という事は、もうライブは終わり?」
「余の黄金劇場も、ひとまず終わりというところだな。だが、それなりに楽しかったぞ」
「珊瑚も終わったし、後は反物とつづらだけだね」
「ふむ……先に塔に行くんじゃろ? リップで大丈夫なのか?」
「う~ん……セイバーとアーチャーがいるから少し不安は残るけど、何とかなるでしょ」
「リップも大変じゃのう」
相性云々完全無視でリップの運用を確定させたオオガミ。もちろん茶々とノッブも組み込まれていたりするのだが、そこについては触れないらしい。
エウリュアレはこれ以上伸びないダメージ量に、挑戦することを諦めて倒れており、エリザベートとネロはライブ終了を寂しく思っていたが、またどこかでやるであろうと根拠も無く考えていた。
「それで、茨木は何を食べておるんじゃ?」
「ふふふ。これは『ぱふぇ』なるものぞ。マスターが用意したのだ」
茨木の前に置かれている、高さ30cmほどのパフェ。正直茨木だけで食べられるのか不安になる様な大きさの物であった。
「ほぅ? マスター。それはつまり、儂の分もあるんじゃろうな?」
「えっ。食べるの?」
「うむ。なんというか、食べてみたいな。一人で喰える気はせんが。エウリュアレと喰うつもりじゃよ」
「そ、そう……なら、作るかな。材料は残ってたはずだし」
オオガミはそう言うと、休憩室を出て行く。それをナーサリーが追ったところを見て、ノッブはマスターの苦労が増える様な予感がした。手を貸しはしないのだが。
「マシュもいるじゃろうし、問題ないじゃろ」
「楽しみね。オオガミ特製でしょう?」
「うむ。案の定聞いておったか。それで、茨木。うまいか?」
「吾は不味い物は食べんわ。まぁ、どうしてもと言うのであれば、少しくらいくれてやろう」
「うぅむ……いや、儂はマスターが作ってくれるのを待つぞ。エウリュアレはどうする――――って、聞くまでも無いようじゃな」
「どのくらいまでなら貰えるのかしら?」
「ここまでだな」
ノッブは茨木の誘いを断るが、さも当然の如くその誘いに乗るエウリュアレ。茨木に許可された場所を食べ、とてもおいしそうに食べている。
それを見たノッブは、呆れたようにため息を吐くが、そのすぐ後に微笑む。
「おいしいわね。でも、オオガミって、料理できたのかしら?」
「さぁ? 大方、誰かに教わったんじゃろ」
「そう……まぁ、良いわ。とにかく、これなら私たちの分にも期待が持てるというものよ。茨木。ありがと」
「礼も悪くは無いな。素直に受け取るぞ」
笑顔でお礼を言うエウリュアレに気分を良くしたのか、茨木は再びもぐもぐと食べ始めるのだった。
その後、オオガミの運んできたパフェと格闘している二人がいたとかなんとか。
茨木のパフェは、ネロとエリザベートの二人も加わり、食べきったそうな。
完全に今回はパフェに持って行かれた感じ。仕方ないんです。私が食べたかったんです。
サイズは何となくで書いてたんですが、30cmって……パフェの中だと大きい方ですよね……?