「くはは! うむ、美味い! 良いなコレ! 後でマスターに作らせるか!」
「そこで何故マスターなんですか。他にも料理上手な人はいるでしょう?」
わりと大きめのハワイアンハンバーガーに豪快にかぶりつくバラキーを横目に、同じサイズのバーガーを前にして食べあぐねているカーマ。
口に入りきらないのはどうなのだろうか。としばらく悩むも、諦めたようにため息を吐くと、食べられるであろう大人の状態にまで再臨する。
「……いや、これ凄く食べづらくないですか? どうやって食べてるんですかバラキーは」
「ん? それはあれだ。ちょっと無理をするくらいの大口を開けて、一気に喰らう。一口で口の中がいっぱいになるから食べごたえがあって美味だ。ぱいなっぷるを入れるという発想に驚きはしたが、存外美味いものだ。肉の甘味と果物の甘味は別のものであり、組み合わせるなど普通は思わぬ。だからこそこの食い合わせは目を見張るものがあった。うむ。コレを作ったヤツは相当ひねくれていたのだろうな!」
「貴女に言われるとか、発案者が可哀想ですね」
「なにおう!? 吾としては最大限に褒めていたのだが!?」
「えぇ~……」
そう言いながら意を決してハンバーガーにかぶりつくカーマ。
たった一口で口の中いっぱいに広がったハンバーガーをどうにか噛み砕いて飲み込むと、
「お、美味しいんですけど、この食べづらさが厳しい……人間には厳しいんじゃ――――」
「――――んぁ?」
文句を言いながら隣を見ると、顎が外れているのではないかというほど大きく口を開けてハンバーガーにかぶりつくバラキーの姿。
それを見て、数秒硬直したカーマは、
「あ、あ~……そうですよねぇ~……バラキーはそもそも人間じゃないですし、変化で口を大きくすれば食べられますよねぇ……」
「むぐむぐ……んぐっ、げふっ……いや、そんな当然のことを言われても反応に困るが……マスターは押し潰して食べようとしていたな。エウリュアレとメルトは分解していたが」
「……なんでそんなこと知ってるんですか」
「ストリートを散歩しているときにこの店でたまたま見ただけだが……まぁ、マスターは一人で、エウリュアレとメルトは一緒にいたな。昨日は一緒にいたから仲違いではないだろうが……何故別々だったのだろうか」
「そういう気分だったんじゃないですか? 知らないですけど」
そう言い、パティだけを器用に引きずり出して食べるカーマ。
それをバラキーは自分のハンバーガーにかぶりつきつつ、
「食いきれんのなら吾が食うから寄越せ」
「いえ、流石に自分のは食べますよ……というか、食べにくいだけで食べきれない訳じゃないですし」
「なら良いが……無理をするでないぞ」
「分かってますよ」
そう言いながら、カーマは少し薄くなったハンバーガーにかぶりつくのだった。
ハンバーガー食べたい(素直
パイン入りハンバーガー、わりと美味しいんですよ……食べたいなぁ……
ところで、ハワイのハンバーガーって、どれだけ大きいんでしょう。ハワイ行ったこと無いので知らないんですよね……写真はたまに見るんですけど。