「うわはははは!! 吾は止まらんぞ~!!」
「むしろこっちは止まりたいぞ~!! 遊びたいわ~!!!」
そう言いながら、海に飛び込むオオガミとバラキー。
そんな二人を見守るロビンと邪ンヌは、
「あいつら、本当に楽しそうよねぇ……なんだか、真面目に原稿を考え続けてるこっちがバカらしくなってくるんだけど」
「そう言いなさんな。それに、あれで何も考えてないわけじゃないし、何事にも息抜きは大事って事だ。分かったらアンタも遊んで来い」
「……そうね。でも、今はストリートに行って何か買い食いでもしてくるわ」
「あら、海には行かないんで?」
「すぐにあの女が来る気配がするの。一瞬一秒でもいたくないわ」
「あ~、なるほど……んじゃ、オレも行きますかね。あんまりバラバラも良くないでしょうし」
「そうね。でも、カーマを召喚するのだけはNGね」
「いや、それはオレの意志じゃねぇですよ!?」
そう言って、二人は海辺から離れるのだった。
そして、そんなことを知らず泳ぎまくっていたオオガミとバラキーは、
「うむうむ! やはり泳げるというのは良い!! 通常の霊基で泳げぬことが悔やまれるな……」
「本当にね~……って、うぼぁ!?」
「むぁ!? どうし……ぐぼぁ!!」
突如として水の中に引きずり込まれるオオガミとバラキー。
しかし、すぐに浮き上がった二人は、黒い背びれの付いた生き物にうつ伏せで乗っていた。
そんな二人の元へやって来たジャンヌは、
「だ、大丈夫ですか!? リースが突然あなた方の方へ向かっていって……って、弟くん? 何をしてるんですか、こんなところで?」
「……お宅のイルカさんに海中に引きずり込まれましてね……妹ともども死にかけですとも……」
「だ、誰が妹か……吾は、鬼の首魁ぞ……ぐふっ」
「まぁ! それは大変です! 急いで陸まで戻らなくては! それはそれとして、勝手に妹を増やすのはどうかと思いますよ?」
「いやそれお姉ちゃんにだけは言われたくないね?」
つい先日、あとちょっとで褐色妹が手に入るチャンスだったのに! と叫んでいたイルカ使いの聖女がいたとかいないとか。
しかし、当の本人は気にした様子もなく、
「何を言っているんですか。妹を増やすのは姉の役目です。お姉ちゃんの大事な仕事を奪わないでください」
「発想が狂人のそれだ……!」
「吾、ここから逃げたいのだが……」
しかし、逃がすわけないだろうとばかりにこちらに視線を向けてくるその他の海洋生物達の気配を前に、バラキーはおとなしく従うのだった。
【速報】ここまでエウリュアレ及びメルト無し。
お姉ちゃんがナチュラルやべーヤツというのは皆の共通認識だと思うんですけど。そしてさりげなくお姉ちゃんをこのカルデア色に染めることに成功しました。ヤバイんですけど。