「納得いかねぇ」
気がついて、一言目がそれだった。
突然バラキーがアシュヴァッターマンを運び込んできて、何があったのかを聞いていたオオガミ達は、起きて早々そんなことを言いたくなるアシュヴァッターマンの気持ちが分からないでもない。
「まぁまぁ……いや、気持ちはめちゃくちゃわかるけども」
「バラキーの行動は明らかにやりすぎだけどね。それに、何かする前にやられてるんだから、完全に被害者よ。エルキドゥを呼んでバラキーを
「頼光さんのところに送り込むより最悪酷いことにならない? 大丈夫?」
「BBも監視してるし、大丈夫じゃない? 知らないけど」
そう言って、オオガミの疑問に適当に答えるエウリュアレとメルトは、ああでもないこうでもないと言いながらジグソーパズルをやっていた。
その状況に、アシュヴァッターマンは首をかしげつつ、
「おいマスター。アレ、放っておいても良いのか?」
「うん? まぁ、平気だよ? わりといつものことだし」
「……なら良いんだけどよ」
何とも言えない複雑そうな表情を浮かべるアシュヴァッターマンに、オオガミは苦笑いしつつ、
「まぁ、そのうち慣れるよ。ただ、順応すると、たぶん突っ込み役に回るんじゃないかなって思ってる」
「あぁ? 突っ込み役だぁ? んだよ、漫才でもすんのか?」
「いや、天然でボケるのが多いから、そんな感じになってるだけ。そのうち否応にもわかるよ」
「お、おぅ……何が起こるんだよここは……」
先行きが不安になってくるアシュヴァッターマン。
隣のマスターがのほほんとしている分、なおのこと不安が募る。
そんなときだった。部屋の扉が開けられ、現れたのはサングラスをかけたノッブとBB。
一体何事かと思っていると、
「怒りパワーで火を出すサーヴァントが現れたと聞いて!」
「その炎で火力発電を行うためにやって来ました!」
「……あ? アイツら、オレを探してんのか?」
変なことを言い出す二人に、反応してしまうアシュヴァッターマン。
慌ててアシュヴァッターマンを隠そうとオオガミが動くが、それを見逃してくれる
「行けいBB! 儂らの開発環境のために!」
「言われるまでもないです! 確保ー!!」
「うおあぁ!? なんだ、てめっ、やめろぉ!」
ドッタンバッタンと騒いだ末に、なんとかアシュヴァッターマンを捕獲した二人は、
「騒がせたな! さらばじゃ!」
「そのうち返しますので、それまでよろしく!」
そう言って、二人はアシュヴァッターマンを片手に走り去っていってしまうのだった。
なんかもう、こういう宿命なのでは? ロビンさんばりの不憫さなんですが。
どうにかならないものかなぁ……たぶんならないなぁ……