「ただいま~!! 空想切除してきたよー!」
「おかえりなさい……って、令呪はどうしたのよ」
「うぐっ! そ、それはですね……?」
「『一回だけ……一回だけだから……』と言いながら使ってました。私もあれ以上よく分からない波動で吹き飛ばされたくなかったので黙ってました」
マイルームに帰ってくるなり、椅子に座ったエウリュアレに令呪がないことを突っ込まれるオオガミ。
言い訳しようとした瞬間にトリスタンに先手を打たれ、硬直する。
「ふぅん……そう。全部ないってことは、コンティニューしたのね。で、石も割ったのかしら」
「いや、それはしてない。もうね、マシュに怒られるとか関係なく、あれはガチャ用だから、無いです」
「全力で否定するわね……まぁ、倉庫番が誰も騒いでないし、事実なんでしょうけど……その一回がなければ達成したのにね」
「本当にね。強化解除がなければ余裕だったのにね! もしくは弱化無効無し!」
「……ちなみに、真面目にやるとしたら、どうやってたの?」
「開幕カーマとスカディ様使って吹き飛ばして次ターンは適当。マーリン孔明で北斎さん囲って殴り飛ばす」
「自重無しだと発想が悪よね……あの三人、どんなときでも使われるじゃない……」
一切の自重無く。とはいえ、これで勝てるとは思ってはいない。
もう少し工夫が必要になる気がするが、方向性としてはこうなるだろう。
「まぁ、どっちみち自重しないならコンティニューなんだけど」
「知ってたわ」
コンティニューして勝てないというのは、推奨レベルを大きく下回ってない限りそうそう無いので、大体一回すれば勝てるだろう。
それは、既にやったことで証明されていた。
「まぁなんにせよ、無事に帰ってきたみたいでよかったわ。ところで、今更ではあるのだけど、なんでトリがいるのかしら。射落としても良いかしら」
「流石にそれは勘弁願いますので、私はこれで」
「うん。お疲れ」
そう言って、颯爽と消えるトリスタン。
エウリュアレの目が本気だったので、それも仕方ないのだろう。
「……さて。縛りも破ったのは一つだけ。なら、そうね。及第点ってところじゃないかしら」
「わりと手厳しいね? 何かあったの?」
オオガミの言葉に、一瞬ピクリと反応するエウリュアレ。
いつもなら何でもないと帰ってきそうな雰囲気だが、
「……そうね。頑張ってクリアしたのだから、報酬があって当然じゃない?」
言いながら、エウリュアレは椅子から立ってベッドに腰掛ける。
「だからほら、こっちに来なさいな」
そう言って、膝をぽんぽんと叩くエウリュアレ。
オオガミはその意図を察した瞬間硬直し、
「……エウリュアレにそれをされるのって、なんか気恥ずかしい……」
「何よ。こっちはなんとも思ってないとでも? 意識刈り取るわよ?」
「……よろしくお願いします」
観念したように、エウリュアレの膝枕を受けるオオガミ。
そんなオオガミの頭を撫でつつ、エウリュアレは微笑むのだった。
こいつらどんだけ膝枕してたっけ。と思い全文検索したら、めっちゃ膝枕してんじゃねぇかこの二人。と思い、膝枕好きか私は。と思ったのでこれからも膝枕をさせていこうと思います。欲望に忠実に生きます。
あ、ラスボスは楽しかったです。超楽しい。正直最後から二個手前の方が地獄でした。令呪使いましたし。
でもラスボス手前はイベント戦に近いので盛り上がって死にそうでした。