「ぬあ~……ようやくトロコン終わったわ~……スキル全習得難易度高すぎじゃろ……」
「でも、空中忍殺、かっこいいですよねぇ……使える所めちゃくちゃ少ないですけど」
「修羅おじいちゃん許せねぇ……あの威力おかしいでしょ……」
久しぶりとも思えるゲーム。
チマチマとやっていたノッブはついに目標をクリアして、達成感で倒れていた。
「つか、あの攻撃、割と再現できそうじゃな……よし。ちょっと滞空時間長い奴を呼べい。んで、儂がそれを攻撃する。うむ。楽しそうじゃ」
「それ、容赦なく反撃される可能性も考えてよ?」
「とりあえずロビンさん呼びましょうか。たぶん出来るはずですし」
「……微妙に八つ当たり入って無い?」
「イヤですね。そんなわけないじゃないですか。私よりも先にノッブがトロコンしたからって、怒ってませんよ?」
「明らかに怒ってるときの言い分じゃろ……つか、儂の方が長くやってるんじゃから、先に終わるのは自明の理じゃろ」
「えぇ、わかってますよ。でもですね? それはそれ。これはこれと言うものがあるんです。というか、毎度勝てないからそろそろ面白くないんですよ。なので、ロビンさんで憂さ晴らしです!」
「やっぱりとばっちりじゃないかロビンさん……」
最近不幸属性が強化されつつあるロビンさんを不憫に思いつつも、それはそれとして犠牲になってほしい気持ちがあるのは否定できないオオガミ。
「さて。三時間ほど練習すれば行けるじゃろ。レッツ忍殺!」
「……今考えれば、忍者組は出来るんじゃ……?」
「センパイ。それは言っちゃいけないやつです」
「あっ、はい」
BBに言われ、反射的に答えるオオガミ。
そもそも、見たいのではなく、やりたいのだ。それを忘れてはならない。
* * *
「よっ!」
「ぐはぁっ!」
キレイに空中で狩られ、そのまま倒れるノッブ。
そして、ノッブを斬った武蔵は、
「うんうん! こんな感じね!」
「な、なぜ儂が斬られるんじゃぁ……」
刀を軽く振り、感覚を確かめて納得する。
そして、ノッブは想像とは真逆の状況にもはや何も言えずに倒れるのだった。
そして、そんな光景を目の当たりにしたオオガミとBBは、
「センパイ。なんであの人がいるんですか。ロビンさんはどうしたんですか」
「その話、目の前でやってたでしょうが。自分で思い出しなさい」
「えぇ~……」
BBにそう言いつつも、現状がよく分からなくなっているのはオオガミも同じだった。
ロビンを誘ったら、拒否られて代役として武蔵ちゃんが来た。何て言っても、全く訳がわからない。
ただ、同じゲームをやっていた刑部姫の画面を見て、面白そうだから試した、というのは、あながち嘘でもないのだろう。
「よし、それじゃあもう一回!」
「儂、反撃できなきゃ死ぬんじゃなかろうか……」
「死んだら骨は拾っておくので安心してください!」 「一ミリも安心できんわ!」
ノッブはそう叫びつつ、刀を構えるのだった。
斜陽にあるお城を四回ほど滅ぼしたのでその記念。ソロゲーだから侵入無いし、ハイスピードでめちゃくちゃ楽しいゲームだったのでおすすめです。