「よしよし。開幕一時間前じゃ! 準備せい準備!」
「久しぶりだから、ちょっと緊張するけど、うん! 任せて! 今からでも大丈夫よ!」
「演出の準備があるので準備が必要なんです。分かってますかエリザベート」
「うぅ~ん、あのオリジナルにも全く容赦がないあの感じ。どこかで似たようなのを見た気が……」
「そうだね……とりあえず鏡でも見た方が良いと思うよ?」
「えぇ、そうね。ちゃんと見た方が良いと思うわ」
「なんか後ろがスッゴイ辛辣なんですけど」
ついに始まるエリちゃんライブ。その最後の準備のために奔走するノッブ達。
「つか、マスターは何しとるんじゃ。舐め腐っとるんか撃ち落すぞ」
「いや全くふざけてないけどって本当に撃たないで!?」
真横を通り抜けて行く弾丸に顔を真っ青にするオオガミ。
座って見ていたのが悪かったのか、それともメルトが膝の上に乗っていたのが悪かったのか分からないが、メルトは弾丸に対して全力で回避をする姿勢だった。
「ちょっと。私の椅子を血まみれにしないでくれる? 座り心地が悪くなるでしょ」
「完全にマスターとして見られてないよね? 椅子扱いじゃんね?」
「昨日も同じ扱いだったじゃない。何をいまさら言ってるのかしら」
「全く否定できないの、なんか納得いかない」
「つか、そもそも椅子に座らず働けって言っとるんじゃそこの三人。特に今目をそらしたエウリュアレ。貴様じゃ」
メルトと一緒になってオオガミを弄ってたエウリュアレは、指名されて首をかしげる。
「私、何かしたかしら?」
「むしろなにもしてない方が問題なんじゃが。いや、機材は運べないとはわかっとるが、せめて防衛に回らんか」
「そろそろライブが始まるんだし、防衛は撤退させてもいいんじゃない? 観客いっぱいね。おめでとうエリザ」
「えぇ! 見てくれるブタが増えるのは大歓迎よ! あと子イヌ! 後で髪を弄らせなさいね!」
「えっ、良いけど、なんでこのタイミングで爆弾落としていくの?」
エリザベートの一言で、周囲の、主に膝の上と真横からの視線が突き刺さるオオガミ。
だが、本人は全く気にしていないようで、
「さぁ、勇者の
「えぇ! 最高のライブにするわよ
「やるからには最高のライブにしますよ。良いですね?」
「演出の準備が終わったわ。いつでも行けるから、準備が整ったら言って」
そう言って、楽しそうに円陣を組むエリザベート達。
そんな四人を見ながら、ノッブは会場を覗き、
「うおっ。予想以上に集まっとるな……BB。準備はいいか」
「えぇ。何時でも大丈夫です。ロビンさんの方も、全員撤収したみたいですし、行けますよ」
「よし。では、開幕じゃ! 楽しめよエリザ!」
「えぇ、行ってくるわ! 見ててねマスター!」
そう言って、ノッブの合図と同時に、エリザベート達はステージにあがる――――。
そして伝説へ――――。
この後、スペシャルゲストが来たり特殊演出(粛清騎士乱入)があったりで楽しい時間が過ぎるかもしれないけどそれはみんなの心の中にあります(ぶん投げ)。