「ふふっ。礼装を渡したからな。これで休憩し放題と言うことだ。ようやくアナスタシアと遊びに行ける。では私はこれで帰るぞ」
「えっ、行かせないよ?」
「残念だが、まだ仕事が残っているぞ」
颯爽と帰ろうとするスカディを捕まえ、逃がさない巌窟王。
必死に逃げ出そうとしているように見えるが、同じくらいの筋力である巌窟王から逃げ切れてない辺り、加減はしているのだろう。
「くっ……ドラゴンとか、本気で面倒なのだが……処理を失敗すると私に被害が来るからな……」
「何回かやられたしね……あれは不味いと思った」
「全くだ。後衛がいなかったら全滅していたな」
「……今更だが、あの二人は放置でいいのか? 何気に最初から最後までずっといた気がするが」
そう言ってスカディが指差すのは、現在5周目に突入する人生ゲームをしているエウリュアレとメルト。
一応盛り上がっているのだが、誰も触れないのでもはや空気だった。
「後衛主力の2名があんななので、前衛主力に頑張ってもらうしかないんですよ」
「いやいやいや。おかしいだろう? 明らかにあっちの二人を連れてくるべきではないのか?」
「あっちは単体宝具なんで、本気でどうしようもないとき限定です」
「これが全体宝具でもサポートスキルでもないサーヴァントとの差か……! なんだか釈然としない……!」
「最初からこうだったからな。とはいえ、オレの仕事は貴様が来てから生まれたわけだが、いなくなったら必然的にオレも休みと言うわけだ。またカルデアを散策するだけだな」
「巌窟王……なんか寂しい……」
巌窟王の知られざる生活の一部を知って、何とも言えない複雑な気持ちになったオオガミ。
だが、休みになるのは事実なので、否定は出来ない。
「まぁ、次はインドみたいだし、エリちゃんライブの日程も変更だね。場所はキャメロットで確定だけど、何時するかってことです」
「今週のうちにしておけばいいだろう。それがちょうどいいくらいだ。時間的にな」
「まぁ、聞いたあとしばらく動けないサーヴァントもいるからね……回復とかの面を考えてその辺りか……うん。繰り上げでちょっと忙しくなるけど、問題ないね。よし。それじゃあ周回にいこう」
「あぁ、任せろ」
「い、嫌だ! 私は行きたくなぁぁぁ~~~~…………」
だんだん声が小さくなっていっているのは、引きずられるのことで首が地味に絞まっていったからだろう。
当然巌窟王は気付いてないわけがなかったが、静かになったのだから良いだろう。という精神のもと、引きずるのだった。
今朝絆礼装を貰ったんですけど、孔明先生用にメンバーを整えるのが面倒になったのでハンティング終了までスカディ様はもうしばらく運用なのです。