「さて、ルルハワで思いっきり遊ぼうかと思うんですけど、とりあえず鬼ごっこで行こうかと思います」
「何言ってんじゃこのマスター。ロンドン鬼ごっこで懲りなかったのか」
過去に引き起こした鬼ごっこと言う惨劇を再度引き起こそうとしているオオガミ。
だが、ノッブはため息を吐くと、
「で、今回も鬼はあの犬っころなのか?」
「ん~……それも良いかなぁって思ったけど、ヘラクレスとキャットだよ」
「バーサーカーオンリーとか、そっちの方がヤバいと思うんじゃけど?」
「大丈夫。何とかなるって」
「雑か。というか、逃げる側は誰なんじゃ。儂、出るの?」
「そうだねぇ……うん。今回はノッブとBBは裏方で。メンバーは、エウリュアレとおっきーとバラキーとロビンさんかな?」
「む? マスターは裏方か?」
「いや、当然逃げる側だよ。訓練の一環としてね。ふふふ。命懸けの訓練ですとも」
「なんで鬼ごっこに比喩ではない命を懸けとるんじゃ……」
「大丈夫。当たらなければ問題なしだよ」
「正気とは思えん発想……技術部故是非もなしか」
うんうん。と頷くノッブ。
そして、
「であるなら、あのちびノブを使ってエリア管理をするかの。BBには中継と実況をしてもらって、解説は孔明辺りが一番か」
「先生なら解説としてピッタリだね。よし、それでいこう」
「観客席はバニヤンに手伝ってもらって作ればすぐじゃろ。よしよし。これで完璧じゃな。後は各々が勝手に店を開くじゃろうし、ショバ代だけ貰えば大儲けじゃな。うむ。我ながらナイスアイデア。儲かったら活動資金になるしな!」
「流石ノッブ。正直観客がいるのか気になるところだけど、儲かったらこっちのもんだね。大々的にやるだけの価値はあるよ絶対」
「下手したら死人が出そうな大会じゃけどね! 警備係としてエルキドゥを呼んでおくか……顔合わせたら即拘束とかにはならんじゃろ……たぶん……」
「エルキドゥを引き入れるなら手伝うよ? 主催として。というか、死ぬつもりは毛頭ないよ……? ヘラクレスからは戦斧も没収しておくし。あくまでも素手ということで」
「ふむ……なら、エルキドゥの説得は任せるとしよう。で、今回は攻撃はありなのか?」
「ん~……一応無しでいこうか。ただ、スキルはありで。禁止にするとバラキーを入れた意味を失うからね」
「暗に仕切り直ししか期待してないな……? まぁ、良いけども。というか、ふと思ったんじゃけど、前回もなんだが、これ、ケイドロなんじゃないか?」
「……気にしたら負けだと思うよ」
そう言って、オオガミは目を逸らすのだった。
鬼ごっこって……捕まったら鬼交代だったような。と思い我に返ると、これ鬼ごっこじゃなくね? と思いました。ここでの鬼ごっこはケイドロっぽいやつとします(暴論