「はぁ……自分でやったことだけど、中々酷いわね……」
「ついにうちのカルデアにも百万越えが出たか……まさか最初に叩き出すのがエウリュアレとは思わなんだ」
「この時を予期してエウリュアレさんを育ててたんですね! さすがです、先輩!」
「いやいやいや。さすがに考えてなかったって。想定外の状況だよ」
「むしろ、そこまで考えていたら余も驚きなのだが」
想像以上の高火力に驚くエウリュアレとノッブ。そして、それをさも計算付くでやったのかと目を輝かせるマシュに突っ込むオオガミ。そして、その攻撃力で容赦なく青鬼を葬っていくオオガミに感心するネロ。
「しかし、今回は珍しくアイテム使っておるのぅ……」
「美味しいじゃない。きびだんご。それを食べられるんだから、問題は何もないわ」
「きびだんごも茶も抱えて言われたら、説得力ありすぎじゃ」
「一仕事の後のきびだんごと叔母上の茶は美味いな! マスター! 茶々は別にこれで構わないよ!」
「うむ。確かに、きびだんごとノッブの茶は最高の組み合わせだな!」
「わざわざカルデアまで取りに戻ったんじゃ。当然じゃろ。むしろこれでブーイングが来たら迷わず撃っとるわ」
「ほらほら、そんな怒らないの。これでも食べなさいな」
「むごぁ!?」
突然口の中にきびだんごを突っ込まれたノッブは、しばらくのたうち回った後、茶を一気に飲み干し、復活する。
「エウリュアレ!! 今の、下手したら儂死んでたじゃろ!!」
「やぁねぇ。ノッブが死ぬわけないじゃない」
「儂どういう風に見られてるんじゃ!? 軽く人外判定されてない!? 儂、一応気道潰されたら流石に死にかけるからな!?」
「あら以外。そのくらいで死にそうにないのだけど」
「一体儂はお主に取ってどんな化け物なんじゃ!?」
窒息しても死なないとは、これいかに。さすがの英霊も辛いのではないだろうか。世の偉人の中でも、そんな死に方をした者がいてもおかしくは無い。
「まぁまぁ、ノッブよ。ほれ、茶でも飲んで落ち着くが良いぞ」
「うむ、まぁ、儂が点てた茶じゃけどな? ありがたく貰うぞ」
「ふふふ。なんだかんだ言って、ノッブも楽しんでるわよね」
「現状遊んでるだけじゃけどね」
「そりゃ、私たち、やられないもの。まぁ、たまにマシュが倒れちゃうけど」
「その……すいません。防御力が足りない時があって」
「別に、貴女が謝る事は無いわ。どちらかと言うと、管理しきれてないマスターの原因でしょ?」
「うぐっ……頑張ってはいるんだけど、やっぱり間に合わない時はあるんだよ……」
「まぁ、イジメたいわけじゃないし、これ以上は何も言わないわ。頑張りなさいな」
「うん、まぁ、出来る事は全力でやるよ。さて、じゃあ、そろそろ行こうか。ノッブ、出番だ。アーツ豆狩りだよ」
「おっと。儂のターンか。ということは、茶々もじゃな」
「頑張るぞー!!」
そう言うと、三人は立ち上がり塔へと向かうのだった。
「っていうか、敵にランサーが多いから、伯母上は辛いんじゃ?」
「攻撃力アップ礼装実装系のイベントだと、クラス相性はそんなに関係ないんだよ。大体ゴリ押せるからね。まぁ、ダメージがデカい事には変わらないんだけど」
「なるほど。じゃあ、大丈夫なのか」
「分かっててやっとったんじゃな。さすがマスター。後で本能寺の中にご案内してやるぞ」
完全にマスターを焼き討ちする気満々のノッブだった。
もう、エウリュアレをメイン火力に添えて、周りで攻撃力上げて敵の防御力下げてで勝てるんじゃ……おかげでアーツ豆が枯渇しそう……