今日のカルデア   作:大神 龍

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ぐだぐだ帝都聖杯奇譚-極東魔人戦線1945-
探偵事務所に帰ってきたよ(前よりも静かだけどね)


「お久しぶりですね。この探偵事務所」

「本当にね。ただ、前よりは静かだね」

 

 探偵事務所でくつろぐオオガミ。

 今回はこの事務所の持ち主たる龍馬と、エウリュアレ、メルトの三人だけだ。

 

「まぁ、BB辺りが覗き見してるだろうから、困ったら声をかければなんとかなるって」

「なんだか、どんどんスペック上がっていってるわね、あそこ。そろそろエルキドゥも対処できないんじゃない?」

「いや、あそこは大体の技術に神性を織り混ぜてるからエルキドゥに対抗出来ないんじゃないかな」

「なんでダメなのがわかっててやるのかしら……さてはバカなのかしら」

「エルキドゥ単体対策はあるっぽいけどねぇ」

 

 そんなことをエウリュアレと話ながら、わざわざカルデアから持ってきた煎餅をバリバリと食べるオオガミ。

 すると、今まで静かにしていたメルトが、

 

「それで、今回はどれくらいやる気なの?」

「ん~……リンゴ最小限で行く感じで。あんまり消費したくないからね」

「そう……分かったわ。じゃあ、そんなに周回はしないのね」

「その予定。実際にどうなるかは分からないけどね」

 

 そう言って、お茶を飲むオオガミ。

 メルトは目を細めつつ、

 

「それにしても、負傷しても結構早く回復するのね。脇腹を撃ち抜かれたんじゃなかったかしら」

「いや、ほとんど回復してないよ。まぁ、普通にしてれば大丈夫ってくらいかな。しぶとく生き残るよ」

「そう……ならいいわ。死なないならそれで」

「そりゃ、死にはしないけども。とにかく、今回はのんびりやっていくよ」

「……私、それを聞いて本当だった経験あまりないのだけど」

 

 エウリュアレの一言に、オオガミが凍り付く。

 事実、のんびりやると言って本当にのんびりだったのはほとんどないため、反論のしようがなかった。

 

「まぁ、確かにボックス系イベントと比べたら格段にやる気が違うけど、はたしてそこで考えて良いものかしら」

「大奥は結局果実を使わなかったし、進行も遅かったから、そこを基準に考えれば良いかしら」

「確かに、あの速度ならのんびりって言えるわね」

「……ハードル高くない?」

「そうかしら?」

「礼装が揃ってないものね。えぇ、頑張りなさい」

 

 ニコニコと笑いながら無茶ぶりをしてくるエウリュアレと、自分の言っていることの恐ろしさに気づいていないメルトの視線に、オオガミは頬を引きつらせるのだった。

 そんな三人を見ていたお竜さんは、

 

「おいリョーマ。あいつらいつもと全く変わらないぞ。お竜さんとリョーマを忘れてないか?」

「もしそうだったとしても、僕はあの輪の中に入る勇気はないかな。場合によっては殺されそうだし……」

 

 そう言って、龍馬はお竜さんをなだめながら次の出撃まで待機するのだった。




 去年どういう風に過ごしてたかを見返して、とんでもねぇ状況だったのを確認した私。今年は静かだ……

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