「……勝てるかこれ?」
「あのー……花札使いましょうよ……流石に余裕かましてる場合じゃないですって……」
「まぁ、うん。そうなんだけどさ……仕方ない。諦めて花札を使うか……敗北感凄いけども……」
「勝てなかったら意味ないですって……」
不満そうな表情のオオガミに、呆れたような顔をするパール。
「さて……無敵貫通スキルと強化無効デバフ……弱化を解除しつつ強化を無効化する必要があるって事か……宝具威力を下げても通常威力はかなり高いから攻撃力を下げるのが一番だけども、はたして回せるかどうか……全体を殴るのが最善か……」
「……あの、今最難関に突撃してるからあの強さなのであって、たぶん段階を下げたらかなり楽になると思いますよ……?」
「ふむ……まぁ、とりあえず全力で挑んでみよう。勝てたらいいけど、勝てなかったら対策を考えなきゃ……」
「ちゃんと勝ってくださいよ……?」
「うん……印籠が邪魔すぎる……けど、何とかできるって。たぶん、きっと」
「なんで不安にさせるんですか!! ちゃんと言い切ってください!!」
「……メルトがいないしねぇ……やる気も半減ですよ。エウリュアレもいないし」
悲しそうに言うオオガミ。
しかし、すぐににやりと笑うと、
「でもまぁ、それでも勝てないのは許せないよね。とりあえず一回狩るしかないよね」
「……なんか怖いですけど、その方がマスターさんらしいです。それじゃあ、花札。交換しましょう」
「うん。よろしくね」
そう言って、花札を取り出すオオガミ。
パールはそれを受け取り、
「それでは、徳川を押さえますね」
「うん。流石に全部抑えても勝てないなら、投げるからね。やれるだけはやるよ。うん。本気でね」
徳川化を抑え込み、カーマに対して有利な条件になるオオガミ。
どことなく悔しそうではあるが、しかし、勝てなければ始まらない。なので、今回はただ勝つのみ。完全勝利は次の機会と決める。
「さて、それじゃあ行きますか。絶対倒してカルデアに帰る。んで、全部終わった後にもう一回だ。必ず勝つよ」
「えぇ、そうですね。絶対に勝ちますよ、マスターさん」
そう言って、不敵に笑いながらカーマ。あるいはマーラに向かっていくオオガミとパール。
無限の獣とはいえど、倒せるのならば問題ない。そう言えるのは、乗り越えてきた壁ゆえか。それとも、カルデアには同じくらいの恐ろしいサーヴァントたちがいるからなのか。
どちらにせよ、オオガミ達は怯むことなく突き進んでいくのだった。
無茶苦茶強かったので泣きながら花札全部使って弱体化させてメルトで殴り倒しました。めちゃくちゃ悔しい……再戦しなきゃ……