「うん。まぁ、別にいいんだけどさ……何時から保護者同伴になったの?」
「違うんです……私が来てほしいって言ったんじゃなくて、勝手についてきたんですぅ……」
「ふっふ~ん! ジャガーは気付いたのです。お菓子を食べたいのなら、自分で作ればいいじゃないと。マスター特製クッキーを食べられないというのはとっても残念だけども、しかし問題ない。そのためにこのクッキー作り講座に来たと言っても過言ではない」
イリヤ達の隣で、何故かドヤ顔をしているジャガー。
また、同じく参加しているナーサリーたちにはギルガメッシュが。茶々にはノッブが。アビゲイルとバラキーにはBBがついていた。
そして、これまた不思議な事に、別枠として参戦しているリップはロビンを連れていた。
「なんというか、凄いメンバーだよね……王様、教える側じゃないんですね……」
「ふん。
「あのぉ……オレ、帰って良いです? 正直辛いんですけど。こう、空気が」
「あ、ロビンさんは出れない様に細工させていただきましたので、ファイトです!」
「ピンポイント……!? 他にはいないのか!?」
「えぇ、はい。後はセンパイだけですね」
「おっと。こっちにも飛び火してたか。しかたない。それは後で解除出来るか試すとして、今はお菓子作りをするとします。うん。大人な方は少し大人しくしててください」
「大人は大人しくか……大人なのに大人らしくとな……うむ。地味に矛盾じゃよなこれ」
「ノッブは黙ってる。あと薬品をぶち込むという考えは捨ててルビーと一緒に退場して」
「儂への当たり強くない?」
「えぇ!? ルビーちゃんもですか!?」
「うん。強制退場で」
「そ、そんな……BBも同じじゃろぉ~!?」
オオガミが手を叩くと同時に現れた巌窟王が、ノッブの首根っこを掴み、ルビーをしっかと握りしめて出て行った。
「それじゃ、切り替えて行こうか……あぁ、うん。空気が冷え切ってるのが分かる……盛り上げ担当兼先生のキャットに任せるとしよう……」
「むっ。ご主人がそれでいいのならそうするが、なに。彼らも気にしなかろう。むしろご主人でなければ問題のような気もするが」
「そ、そう……? じゃあ、うん。頑張ってみるけども」
始まりから既にグダグダな感じの現状に半分泣きそうなオオガミを鼓舞するキャット。
オオガミはその鼓舞を受けて、やる気を出すのだった。
保護者の半数がヤバい奴等な事について。そして一ミリも進まない料理教室。途中から何やってるかわからなくなってきたんですよ……