ようやく帰って来たよ!(久しぶりじゃなマスター)
「たっだいまぁ~!」
「む、帰ったか。久しぶりじゃなマスター」
「意外とお早い帰還ですね。あ、昨日のクッキー美味しかったのでおかわりください」
レイシフトから帰ってきたオオガミが工房に入るなり、すぐに反応してくる二人。
「BB。おかわりは食堂に行けばあるからね?」
「バカ言わないでください。センパイのお菓子はいつも謎の人気ですぐに無くなるんですよ?」
「えっ……週一だと足りてないの……?」
「足りてるわけないじゃないですか! 子供サーヴァントもそうですけど、何よりもエウリュアレさんがトップですよ! ほとんど全部持っていきますからね!?」
「いやいやまさか……そんな……えっ、本当に?」
「うむ。マジじゃよ。儂隣で見ておったし」
「マジかぁ……うん、週二回くらいにしよう。あと量も増やしておこう……」
「今回のお返しクッキーで今後の需要も多くなると用意に想像できますよ!」
BBの力説を聞いて、確かにその可能性がありそうだと思うオオガミ。
だが、ノッブはため息を吐いて、
「そんなに多くする必要は無いと思うぞマスター。どうせ一時的なモノじゃろうし、いつもの量を週二回で十分じゃ。むしろ、ひっそり作っておいたものが無くなってる方を心配せい」
「あ~……でも、エウリュアレなら食べるんじゃない?」
「まぁ、それはそうなんじゃけど、一応希少価値ってものがあってな? マスターの菓子は割と高レア部類になってるからその価値を暴落させるわけにはいかなくてな……」
「えっ、何、市場でも出来上がってるの? お菓子を巡って? 本気?」
「冗談だと思いたい気持ちは分かるんじゃけど、事実なんじゃよねぇ……正直、マスターの菓子を販売すればぼろ儲け出来るのでは……?」
「やらないしやらせないからね。やってるのを発見次第エルキドゥ呼ぶよ」
「うむ。やるわけない。BBは知らんがな」
「私はそもそも自分用すら満足に手に入らないんですけど……人に販売してる場合じゃないですって。本当に」
「あぁ、うん。二人ともあんまり食堂に来ないしね……こっちはこっちで作って置こうか。少量で」
「いや、儂はたまにエウリュアレや茶々から貰っとるからな。BBは悪用するから食堂用だけにしておけ」
「そっか。じゃあいらないね」
「えぇ!? BBちゃんのクッキーは無しなんですか!? なんで!?」
愕然とするBBに、ため息を吐くノッブとにやりと笑うオオガミ。
そして、オオガミはしばらく工房で進捗を確認した後、食堂へと向かうのだった。
冷静に考えると、セラフからほぼノータイムで今回のイベントに飛んでいるので三週間近くカルデアに帰ってないという。