今日のカルデア   作:大神 龍

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大変な目に遭ったよ……(半分以上自業自得だろう?)

「はぁ……大変な目に遭った……」

「お疲れマスター。いやまぁ、自業自得な面もあるだろうがな?」

 

 倒れているオオガミに、苦笑いをしながら声をかけるロビン。

 その手に握られているクッキーは、オオガミが渡したものだった。

 

「いやぁ……正直、予め準備して無かったら危うかったね。ミンチにされるところだった」

「マジかそんなレベルかよ。どんだけ悪事を働いたんだ?」

「別に、そんな悪事を働いた覚えはないんだけどねぇ……よく分からないけど、とりあえずエウリュアレとメルトには殺されるかと思った」

「驚いた。てっきりBBにやられたのかと思ったが、あの二人か……まぁ、理由は分からんでもねぇですけど、そればっかりはマスターが悪いわなぁ」

「えぇ~……いや、予想はつくけども。まさか怒涛の攻撃が襲ってくるとは思わないじゃん。矢を避けたら蹴りが飛んでくるとか、死んじゃうって」

「よく逃げられるよ本当に……オレなら速攻で粉微塵ですよ。やっぱり人間辞めてんじゃねぇの?」

「皆に言われるからそろそろ認めないといけないような気がしてきたから反論しておくね。分類は人間です」

 

 そう言って座るオオガミ。

 ロビンは軽く笑いながら、

 

「まぁ、無理に認める必要はねぇわな。つか、英霊に混じって一緒に特訓してたら、そりゃあんだけ強くもなるか」

「ちゃんとした訓練の成果なので。つまり訓練さえすれば英霊の攻撃を避けられる……?」

「んなわけあってたまりますかってんだ。人並み外れた強さに決まってんだろ? 英霊クラスの性能のただの人間とか、そいつはもう全身凶器だっつの」

「それもそうか……あれ、今もしかして、暗に全身凶器って言われた?」

「まぁまぁ。そんなことは気にしなさんな。それで? 我らがマスターは、あの二人からどうやって逃げ仰せたんだい? 聞かせてくれ。もしかしたらオレの時の参考になるかも知れねぇしな」

 

 悶々と悩むオオガミに、話を逸らして聞くロビン。

 オオガミは、若干不満そうにしつつも、

 

「普通にホワイトデーのプレゼントをあげただけだよ。渡す前に襲われたから受け取ってもらえるか不安だったけど。あ……もしかして、最後に渡したのが原因……? でも、最後に回したかったからなぁ……うぅむ……」

「あ~……その、なんだ。全く参考にならねぇってのは分かったわ。ちなみに、何を渡したんだ?」

「えっとね、バリエーション豊富な飴。一種類だけじゃ飽きると思って。まぁ、日本の風習で、しかも地域によって意味がコロコロ変わるから、分からないかもしれないけどね。マカロンとかもあったけど、やっぱり飴の方がいいかなって。クッキーが大半だけどね。チョコ要りマシュマロという原点も考えたけど、試作段階で断念したよ。うん」

「なるほどねぇ……んじゃあそういうことで、俺はここらで逃げさせてもらいますよ~っと。んじゃなマスター。生きてたらまた会おうぜ」

「え? 生きてたらって、どういう――――?」

 

 ロビンは逃げた。背後に見えた二人に、素直にオオガミ(イケニエ)を差し出して。

 故にその後オオガミがどうなったのか。それは当事者である三人にしか分からないことだった。




 なお、他の通常サーヴァントはクッキー。聖杯持ちはマカロンだった模様(但しバラキーはお菓子詰め合わせ)
 

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