「うぁ~……おはようございます、ノッブ……」
「うお、どうしたんじゃBB。んな二日酔いみたいな声を出しおって……」
よろよろと自室から出てきたBBに驚くノッブ。
青い顔のBBは頭を押さえつつ、
「いえ……ベッドから落ちまして……頭を打った衝撃でちょっとふらふらしてるだけです……」
「だいぶ重症みたいじゃけど……医務室に行くか? 儂も付き添うが」
「いえ、大丈夫です。少しおとなしくしてれば治ります……たぶん」
「それならいいんじゃけど。無理はするもんじゃないからな?」
隣に来て横になるBBをちらりと見つつ、ノッブは淡々と作業をする。
「しっかし、新イベントが始まったと言っておったから、てっきりお主も行っておったと思ったんじゃが。わりと意外じゃ」
「あ~……それに関してはですねぇ、センパイが編成したメンバー的にコストオーバーだったんですよ。なので、BBちゃんはおとなしくお留守番です。なので、研究を進められるんですけど~……頭が痛いので休憩しますね」
「まぁ、急いで進めるものでもないからのぅ。のんびりじゃからな。無理せず寝ておれ。出来るようになったらやればいいんじゃし」
「はい……そうしておきますね」
そう言って静かになるBBに、ノッブは仮眠用に置いてあった毛布をかけて作業に戻る。
直後、工房の扉が勢いよく開かれ、始皇帝が入ってくる。
「朕の帰還である! さてさて? 今は何をやっているのか聞かせてもらおうか」
「静かにせい。寝とる奴がおるんじゃからな」
「む。それはすまなかった。気付かなかった故な。しかし、珍しいな。そやつはそうそう倒れるものではないと思っていたが……ふむ。何が原因だ?」
「ベッドから落ちたんじゃと。盛大に落ちたんじゃろうなぁ……こやつが部屋から出てくる前にデカい物音したからのぅ……ま、是非も無いよね」
ノッブがそう言うと、始皇帝はBBに近付き、
「ふむ……見た所そこまで重症ってわけではないな。医務室に行くまでも無かろう。安静にしておれば治るはずだ」
「じゃろうな。英霊の肉体がベッドから落ちる程度でやられるとかありえんし――――って、ベッドから落ちただけじゃったような? うん? じゃあなんでここまでダメージを……?」
「いやなに。内部に直接響いただけなら、十分ダメージになりうるだろうさ。して、何をしている?」
「あぁ、これについては、そっちに設計図があるから適当に見ておけ。提案があったら言うんじゃぞ」
「うむ了解した」
そう言うと、始皇帝は設計図を覗き込むのだった。
久しぶりの始皇帝……BBの久しぶりの休暇……