センパイ! イベント延長ですよ!!(まぁ、やる事は変わらないけどね)
「センパイ! イベント延長ですって!!」
そう言いながら、食堂に入ってくるBB。
オオガミは持っていたタイマーを置きながら、
「いや、延長したってやること変わらないし……」
「そ、それはそうですけどぉ……あのー……何してるんです?」
「今日はアップルパイをね。ナーサリーに頼まれたから」
「キャットは補助だワン。というか、BBは暇なのか?」
「キャットは黙っててください。それに、私は暇じゃないです~。むしろバリバリ働いてますからね?」
「嘘だナ。どうせまたトンでもないことを企んでると見た」
「なんて無駄な観察眼……そういう有能なところも置いてくれば良かったんですよ」
「何を言うか。打倒オリジナルのためには手段を選ばぬ……そう、今のキャットも仮の姿という事だ!」
「……いえ、どこがどうしてそうなったのかが分からないので、放置しますね」
「ふはは良かろう! 料理人に喧嘩を売るということがどれ程愚かなことなのか教えてやろうではないか!」
「キャット。終了。パイの様子見てて」
「合点承知! キャットは業務に戻るのだ。命拾いをしたなBB」
オオガミに言われ、すぐにオーブンに向き合うキャット。
BBは疲れたような顔で、
「助かりました……正直あのままじゃうっとうしくて思わずプチっと殺っちゃうところでした」
「カウンターで一撃もらうのがオチでしょ。やめといた方がいいって」
「むっ。センパイ、最近BBちゃんを馬鹿にし過ぎてませんか? これでもBBちゃん、強い方ですからね?」
「でも、BBちゃんは詰めが甘いって事で有名だから……」
「も~っ! ルルハワみたいなことを起こしますよ!?」
「そうしたら全力で倒しに行くけど、それでもいい?」
「……止めておきます。最近来た始皇帝さんにクリティカルでひたすら殴られる未来が見えました……」
目を逸らしながら言うBBに、オオガミは頷きつつ、
「状況が容易に想像できる。うん。BBもボケ担当になって来たね」
「そんな担当になりたくないんですけど! 出来れば騒動の発端的立ち位置をキープしたかったんですが!!」
「まぁ、技術部の主要メンバーだし、仕方ないよね……ボケ担当も諦めるしかないって」
「その担当に収まりたくないんですけど!?」
「でももう手遅れだし……」
「手遅れなんですか!? 修正不可能なんですか!?」
「まぁ、一度ついたイメージは中々消えないからねぇ……うん。本当に消えないから……」
「……何があったんですか」
「いや……その、出来るだけ早めに、大きめのベッドが欲しいなって……」
「……そう言えば、確かにあのベッド小さいですからね……エウリュアレさんと一緒だと狭いですよね」
「うん。そういうイメージね。いや、確かに狭いけども。でもそうじゃない。常に一緒に寝てる感じを出されるといまいち納得いかない」
「そう言っても、事実ですし……」
「……まぁ、うん。とりあえず、お願い」
「分かりましたよ。片手間で作っておきますって」
そう言って、BBは食堂を出て行った。
それを見送ったオオガミに、
「そう言えばご主人。BBは何の用で来たんだろうな?」
「……イベントの延長を伝えに来てくれただけ……?」
そう答えたオオガミは、作っていたアップルパイに意識を戻すのだった。
久しぶりのキャット……あれ、男性鯖、最後に出たの何時……?