「今回のイベント、最初から最後までメルトで蹴り殺してた気がする……」
「最初から最後までずっと編成に入れていたらそうなるでしょう? 全く不思議でもないわよ」
ぐったりとしているオオガミと、その隣に座っているメルト。
食堂でそんな事を話している二人のもとへ、
「おぅ……儂が知らんうちにめっちゃ仲良くなっとるなお主ら……」
「ノッブはメルトと初会合じゃないですか? この子、面倒な性格してますから気をつけてくださいね?」
「お主ほどじゃないじゃろBB。帰ってきて早々デスコンボ叩き込んできた事、忘れんからな」
と言いながらやって来て、当然のように正面に座るノッブとBB。
「あらBB。そっちのが件の技術部ってやつかしら?」
「えぇそうですとも! ロビンさんでも良かったですけど、技術面で使えるので今はノッブを駒使いにしてます!」
「それはこの前決着つけたじゃろうが。負けたんじゃから黙っとれ」
「あぁ!? それ言うとメルトが調子に乗るので言わないで欲しかったんですが!!」
「あらぁ? BB、敗北続きなのね? それは良いことを聞いたわ。えぇ。しばらくはこれで弄り続けられるわね。BB?」
「むぐぐ……! あれはただ、うっかり邪神モードだったのが原因で……通常だったら勝ちましたからね!」
「それ、毎度言ってる気がするんじゃけど……」
そう言って、面倒そうにしながらノッブは持ってきていたうどんを食べ始める。
「……夜食?」
「何を言うか。夕食じゃ。さっきまで工房に籠ってたからな。食いに来た」
「なるほどねぇ……何か作ってるの?」
「むっ。それはまだ秘密じゃ。設計段階じゃしな。来ても何も無いぞ」
「ふむふむ……じゃあ見に行こうかな」
「さてはセンパイ、何も聞いてないですね?」
「いやいや。聞いてたから。その上で言ってるから」
「暇ですか……まだイベント続いてますよ~」
「いや、クエスト終わったから後はのんびり周回するだけだし……素材交換も終わってるし……」
「えぇ~? 止めちゃうんですか~? 行きましょうよ~!」
「……じゃあ、BBメインで行こうか。周回好きでしょ?」
「あ、いや、その、遠慮しておきますね! ではこれで!」
そう言って走り去るBBを見て、オオガミは、
「余程フリクエ周回にトラウマを持ってるみたいだ……まぁ、ずっと握りつぶしてたから仕方ないか」
「……一体何があったのよ……」
オオガミの言葉に、その時を知らないメルトが聞く。
そして、その問いに答えたのは、オオガミではなく、正面にいたノッブが、
「お主を召喚するための石を集めに、BBが駆り出されてたんじゃよ。ま、全体宝具で相性を基本気にしなくていいからな。便利だったんじゃよ」
「ふぅん……」
メルトはそう呟いて、BBの出ていった扉を見つめるのだった。
全クエスト完了! 素材交換も終わり!