「あ~……どうやって倒すかな……」
「素直にKP使いましょうよ~。あと、自重しないで殴れば勝てますって」
「……前回、どうやって勝ったか全く覚えてないんだよね」
「だからって何も考えないでとりあえずKP無視して突撃しようとしないでくださ~い!」
教室の椅子に座り、ぐったりと倒れているオオガミをぺしぺしと叩くBB。
リップも抗議するが、効果は薄そうだった。
「いやぁ……強化解除全体宝具とかどうにもならないよねぇ……何気に強化解除耐性持ちとか少ないし。というか、北斎さんしかいないんじゃ……?」
「まぁ、逆に相手を無能に変えてしまえばいいんですよ。攻撃力も宝具威力もガンガン削っちゃいましょう!!」
「……宝具を撃たせなければいいのでは?」
「待ちなさい。それ、明らかに無茶が過ぎると思うのだけど」
「うぅむ……やっぱ難しいかなぁ……」
メルトに言われて考え込むオオガミに、エウリュアレは、
「あら、珍しいわね。諦めるの?」
「……それを言われるとやめられなくなるの分かって言うんだから質が悪いよ」
「ふふふ。まぁ、無理しない程度にしておきなさいよ。少なくとも、三日かかってクリア出来なかったら諦めて縛りを捨ててやりなさい」
「むぅ……時間制限までつけられたなら、それまでにやらざるを得ない……」
「えぇ、頑張りなさい」
そう言って去って行くエウリュアレに、BB達は呆然としていたが、ふと我に返ると、
「何よアレ。とてもヒロインっぽいのだけど」
「何言ってるんですか。悔しいですけど、ここでは彼女が一番ヒロインしてると思いますよ?」
「はぅ……退去前よりも更に仲良くなってます……」
「でも気持ちはメルトの方にあるっていうのがとんでもない事ですよねぇ……」
「……いや、それは無いでしょう?」
「私もそう思いたいです」
「ところがどっこいってやつです」
「本人の前でそう言う話をしないでほしいんだけど……」
エウリュアレが去って行ったとて、まだオオガミは残っていた。
だが、BBは一切悪びれることなく、
「あ、センパイいたんですか? BBちゃん、気付きませんでした!」
「アンタ、本当に良い性格してるわよね……」
「お母さま、いい加減自重した方が良いと思うんです」
「私が自重したら誰がはっちゃけるんですか!!」
「別にはっちゃける必要なんてないでしょう?」
「それじゃあ面白くないでしょう? やっぱりBBちゃんはこのカルデアに必須なんですって! まぁ、技術部としての側面が主な気もしますけど」
「ちょっと待って。部って言った? 部って事は、少なくとも二人以上はいるって事よね。誰よ、そんな危ないのに所属してるのは! 私自ら抗議しに行くわ!!」
「行かせません! ノッブは私のおもちゃですからね!」
「何時の間におもちゃになったんだろうノッブ……」
BBの言葉にそう呟くオオガミの声は、三人の会話にかき消されて誰にも届かないのだった。
復刻ならKP使わずに勝ちたくなる不思議……いや、人員も揃って来たって言うのもあるんですけど……でも、強化解除どうやって突破しよう……